【(留・統・治・伴)・臣】
1.君に添い仕えて民を治める者。役人。 =もののへ
2.(また特に「ヲミ」と区別して)
ト(調)を教える身。
『みたからお さつくみまこの とみたみも みやすけれはや』ホ序 『みわのとみ ををたたねこか ささけんと みもみそよとし つつしみてをす』ホ序 『まきむきの ひしろのみよに みかさとみ いせのかんをみ ををかしま』ホ序 『きみとみたみの みくたりの かみはもふその みこありて』ホ2 『うみてよの きみとみのみち とのをしゑ さかりもとらは ほころはす』ホ3 『いまたひること みくまのの とみかたすけて のちのきみ』ホ6 『またもとおとふ こたえいふ よよのとみゆえ ことなせり』ホ7 『さすらひの ひかわにやるお ますひとの わかとみとなす』ホ7 『このたひは たかみむすひの とみかれお のそくかとての かしまたち』ホ10 『とみらひめもす うまなくて をしゑおつねの わさとなせ』ホ17 『をしゑぬものは とみならす をしゑうけぬは たみならす』ホ17 『たとえはくせと まいなひて さかゐまさんお とみもほし』ホ17 『ゐわたむくらも くにのみち なかこはきみそ きもはとみ』ホ17 『つちかふは みのあしはらも みつほなる たみとなせとみ とみとなれたみ』ホ17 『そのくにたもつ ものあらは すえたみとても うえのとみ』ホ17 『みちとみひこも もろこえに やもよろたみは ももちこえ』ホ17 『なかのいわほに おわします そはにとみあり あめみまこ』ホ18 『ひたりのとみは おもいかね みきさくらうち』ホ191 『かなさきは ひおうつします ゑをやとみ かたはうけもち』ホ191 『ものぬしは いかりていわく ふとたまは きみのとのおち とみをきな』ホ20 『しとみはとみの とのをしゑ とほるおみるそ』ホ21 『われはとのちに をさむゆえ おみもとみなり そのゆえは』ホ23 『とみことみ おこりしのひて みちまもれ わかみのための やゑかきはこれ』ホ23 『ふたたみの あらそいあれは とみやりて やわしさはきて』ホ24 『もろとみめして みことのり むかしにはりの みやたてて』ホ26 『いささわけより みつほまて みかえりあれは あまきみも とみもよろこふ』ホ26 『はせひめは とみとにくみて すてさしむ きみまたいかり はせおすつ』ホ27 『みかしやお つまとして うましまちうむ なかすねは おものとみなり』ホ27 『ささけもち こもりにあたふ きみととみ つつしみうくる』ホ27 『なんちまた かかみのとみは かろからす かみおみやこに ととむへし』ホ28 『ゐせのみちうく かんとみの つかふかみらか はへるゆえ うちはへところ』ホ28 『かすかまた われはとみなり きみうゆる あまのまさかき いかにせん』ホ28 『つくはとみ このことみなり とみおもて またきみとせす』ホ28 『むかしつかえて みかかみお たまえはわれら たのとみそ』ホ28 『またものぬしは みきのとみ はつよきあきの ゆみつるき』ホ28 『かくやまのとみ なかすねか ままにふるえは さはかしく』ホ29 『あめとみおして みやつくり きさきたてんと もろにとふ うさつかもふす』ホ29 『あわおたす あますへらきの もろはとみ かすかとこもり』ホ30 『きみとみもとの しとねしく とみももつかさ ことほきし よろとしうたふ』ホ30 『みちをみくめと みかきもり かんのとことは いんへとみ』ホ30 『まつりこと なおりなかとみ ものぬしの をやこのとみに まかすへし』ホ31 『とみにさつけて のくへきお またいらふこと いかんそや』ホ31 『といちにすみて いほのとみ みしりつひこと なおかえて』ホ31 『いさかわに みそきのわぬけ みやにいつ みうえのとみは かみまつる』ホ31 『わかれつとむる わかみやの まつりこととる とみはあらたそ』ホ31 『わかみやのうし もりのとみ こもりかつての ふたかみお よしのにまつり』ホ31 『たけいいかつと いつもしこ なるけくにをみ おおねとみ なるいわひぬし』ホ31 『みやにいて まつりこときく とみわけて うきあなのかみ みあえなす』ホ31 『ゐけこころ みやこうつして はつとしに いつしこころお けくにとみ』ホ31 『おくるとみ とはすかたりや わかきみも おくりおさめて みなかえします』ホ31 『きみまかる としももそみそ とみきさき みなととまりて もにつかふ』ホ31 『そのこおおやけ あわたおの かきもといちし そとみまめ』ホ31 『とみめのからも みなおさむ いきるみたりも おひまかる あめみこのりや』ホ31 『このたけとめお とみにこふ たけつつくさの まつりつく たけたのをやそ』ホ32 『みこのもは よそやにぬきて とみととむ むとせたつまて みあえなす』ホ32 『とみもよおさり かりとのに をやにつかふる まことなるかな』ホ32 『みこのもはいり よそやのち まつりこときき とみととめ いますのみあえ』ホ32 『みあえおえ とみらうたふて うまさけや みはみわのとの』ホ33 『をとみかしまと たたねこと たまかえしのり まつらしむ かれにあかるき』ホ33 『ことはききゑす はらのとみ そろりよしたけ よくしれは これにとはしむ』ホ34 『きみとみと はかれはいわく くにふくの まこしほのりつ これよしそ』ホ34 『きみとうちとみ もはにいり とのとみやはり まつりこと』ホ34 『みほはもろすけ とみにめす むかしひほこか みやけもの』ホ35 『あるとみきみに もふさくは たえまくえはや おおちから』ホ35 『ときにきみ うちはおあけて とよませは とみもよろこひ』ホ35 『わたらひとみは かんぬしに あへたけぬかお みかわりと』ホ36 『よほきさらもち みのにゆく とみらもふさく よきめあり』ホ38 『とみひとり すすみていわく くまそには ふかやとへかや ふたむすめ』ホ38 『とみとあにとに さとさしむ しかれとこはむ かれころす』ホ38 『まちかてちかの とみふたり をとたちはなの くしとおひ』ホ39 『おおかふとのは かむりみは みはしらもちて とみやたり』ホ40 『おしやますくね かふりみは よはきしもちて とみむたり』ホ40 『おおたんやわけ かふりみは つるきささけて とみそたり』ホ40 『みこしあおほひ をさのとみ いえはとみそり みをすえは』ホ40 『いわひさをしか とみそふり つきみゆきもり もろつかひ みなおくりゆく』ホ40 『はつきよか わかたりひこお よつきみこ たけうちすくね むねのとみ』ホ40 『かみのとよそや わけそめて きひのいゑとみ もちならふ』ホ40 『みはしらは うちみやのとみ みこしまえ みこはみおすえ』ホ40 『みかさはに よるももとみの しめくにの まつりたたして』ミ4 『あのゐさめ きみはとみあり をやはこの ともにたからの めくるなりけり』フあゐさ 『いのきにの きつさにとみの あらそひも つさをはやめて きにやにくらん』フいきに 『いぬうなる とみはほこりて こはおこる はやるほとかや ほころひるらん』フいぬう 『ふのきにの あらそうとみの ことわりお やわせはたみの ふゆそきにける』フふきに 『ふおえては たみおそこなう をさとみか うそやくすりも ふえてたすらん』フふえて 『へのちりは つきほもとみも たみわさも つまのうつくに やみやちるらん』フへきに |
3.臣の身分の者の自身の謙称。
『とみかをや しいるいさめの おそれみに』ホ序 『かんさひこれお たたさねは とみこれおこふ』ホ7 『とみあやまちて よろものま ひきからしけり』ホ8 『とみつねに ひとのいきすお かんかえは たますはふくし』ホ17 『すへしかと たかくらしたか ややかえり つけもふさくは とみむかし』ホ31 『ゐつつひこ とみにいわくは このくにの きみはわれなり ここにおれ』ホ34 『とみねかわくは くにむけの をしおこふのみ』ホ34 『きみよろこひて たれかこの とりとりゑんや ゆかわたな とみこれとらん』ホ36 『すてにさります とみいきて なにかせんとて おひまかる』ホ37 『やまとたけ さきにはとみら にしおうつ ひかしおうつは もちひとそ』ホ39 『いつかおよはん たとえとみ いたわるとても むけさらん』ホ39 『むらしもうさく とみゆきて ゑかきうつさん きみゑゑす』ホ40 『はなひこもふす とみむかし みことおうけて ほつまうち』ホ40 『きみはみはたお そめませは とみもみかさの ふみおそむ』ミ序 『へのきには つまのふをみも なおとみと いうもよききに なかれゑるなり』フへきに |
「とむ(留む・統む・治む)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす・付く/仕う・収(治)まる/収(治)める」などの意。
変態:「とめ(留)」「とも(供・伴)」「とへ(戸畔)」「つみ(統み)」「すへ(統べ)」「そえ(添・副)」
別名:「おみ(臣)」「をみ(臣)」「もの(守)」「もり(守)」「かみ(守)」「もののへ(物部)」「くにもり(国守)」「よみ(結み)」
類語:「ひこ(彦)」
【富】【頓】
1.集積。
2.正の方向に離れるさま。「高まる・勢い付く・早まる・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」さま
『まつしきは およはぬとみお うらやみて うらみのあたに たねほろふ』ホ16 『ふのつるは とみもよひなき とりゑなみ たつはなやかの ゐもやつくらん』フふつる 『へのなわの つりはゑみすの ほとほとに あゐとたゐとの とみそまねける』フへなわ |
「とむ(富む)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす・集まる」、また「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」などの意。
変態:「ため(貯め)」「つみ(積み)」「しめ(占め)」「たえ(妙)」
【(鳥)】
飛ぶもの。跳ねるもの。ぴょこぴょこ動くもの。速いもの。 =鳥。
「とみ」は「とむ」の名詞形。
「とむ」は「とふ(飛ぶ・跳ぶ・疾ふ)」の変態。
「とむ・とふ」は、ここでは正の方向(大・多・高・央・前・熟・明・沸)に「離れる」で、「上がる・勢い付く・跳ねる・栄る・速まる」などの意。
変態:「とひ(跳び)」「とり(鳥・躍・踊)」
09/12/18
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