かす  カス  kasu

  

【和す・交す・括す・浸す】【他動詞化接尾語】
A: 合う/合わす。収(治)まる/収(治)める。匹敵する/させる。縛る。直る。調える。

『このはたれ ぬゑあしもちそ はけわさに たふらかすもの みなきらん』ホ8
『へのこけの かかさはちたひ をうなむち かねもかしろと ねるやこけらん』フへこけ

 
変態:「かつ(糅つ)」「きす(着す)」「けす(潔す)」「こす(居す・扈す・錮す)
派生語:「かそふ(数う)」「かさる(飾る)」「あかす(和かす)」「たふらかす(誑かす)」「かさ(笠・瘡)」「かせ(枷)」「うなかす(促す)」「かしま(和親・鹿島)」「かすか(春日)」「みかさ(馬和/神和)」「かせ(形)」「かしは(柏)」「つかさ(司)」「かさぬ(重ぬ)」「かすむ(霞む)

 
 

【離す・(割す・傾す・曲す)】
B: 離れる/離す。分ける。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。

変態:「かつ(割つ)」「けす(消す)」「こす(越す・漉す・遣す)
派生語:「かせ(風)」「おかす(犯す)」「かする(掠る)」「かすむ(掠む)」「かかす(欠かす)」「けかす(穢す)

 
 

【貸す・仮す・(替す・還す・回す・転す)】
C: 回る/回す。行き来する/させる。替わる/替える。

『われよくしれり ともおこゑ ちからおかして ははかあけ』ホ7
『ちからかす めくみわするる ふももくら』ホ7
『こたえていなや くちいとお かえてかすはす しれはさち』ホ25

 
変態:「かつ(搗つ)」「きす(帰す)」「こす(遣す)」「きつ(来つ)
派生語:「かする(擦る)」「かさり(替更り)」「なかす(流す)」「まかす(任す)」「さかす(探す)「かしお(白檮尾)」

 
 

【(高す・上す・炊す・活す・畏す・化す)】
D: 正の方向に離れる/離す。「高まる・勢い付く・栄る・進展する・熟れる・優れる・中心にある・至る」

『しきしまのゑに ひとうまれ みそひかにかす めはみそふ』ホ1
『きさらきは めをほほやわし きさしおふ たねかしまつる いなるかみ』ミ7

 
変態:「かつ(勝つ)」「けす(化す・決す)」「こす(超す・挙す)
類語:「いきす(活す)
いきる(生きる)
派生語:「かしら(頭)」「ひかし(東)」「かさる(飾る)」「かせ(風)」「かしは(柏)」「かすか(春日)」「かさぬ(重ぬ)」「いかす(生かす・活かす)」「かさす(翳す・挿頭す)」「かし(橿・樫)」「かせふ(活繁・嘉祥)」「かそ(上・父)」「かしはお(活栄)」「しらかし(精かし)」「かすみ(勝見)

 
 

【(下す・朽す・消す・欠す)・臥す・呵す・渇す】
E: 負の方向に離れる/離す。「落ちる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」

変態:「くす(屈す)」「くつ(朽つ)
派生語:「かすか(微か)」「けかす(穢す)

  
 

【数】
正の方向に離れるさま。「上がる・勢い付く・栄る・先行する・優れる・勝る・至る」さま
 ●多いさま。

『これもまた このかすならす あしふねに なかすあはちや』ホ3
『よつきのはたお をらんとて ひなくるかすの よつきこお』
ホ14
『はねさきみれは ふそよすち かすそなわれと つねあらす』ホ16
『たとえはかすの うつわもの くつおすてなて にふときお ならしもちゐん』ホ17
『ははみたけ たかさもみたけ けたのうえ むたはとしかす ふとさつき』ホ21
『われつねに そふよみおきる つきのかす もはそのかたは』ホ23
『ややひとかすの かてあれと もとちからゑぬ いねのみは』ホ23
『ひとはによたり みちふもり これあしはらの とよのかすホ23
『ををんかみ かみことのりは あわのかす へてもおぬきて まつりきく』ホ26
『ひかりかさぬる としのかす ももなそこよろ ふちよもも なそほへるまて』ホ29
『さみゑなつ やひこのほりて をかむとき あめのさかつき かすいたる』ホ31
『ささひととかす さはなれは たみのいたみそ ほこからす むけんとあれは』ホ38
『やそおももとす かすいかん こたえはかなめ またくはる もとうたおふそ』ホ39
『よそむほのはる ななくさの みあえにうたの ひかすへる』ホ40
『ここのわの ひひきてめくる いきのかす よろみちむやそ』ミ6
『をかみのうたの そいのかす あうのひひきの あまれるお』ミ10

 
かす(上す・活す)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・先行する・優れる・勝る・至る」などの意。これは陽陰の精製過程で軽く先に上って天となった「陽」の属性を表す。

変態:「かそ(数)」「かつ(数)」「こし(越・超)」「くす(葛)」「かた(葛)」「かつ(葛)」「かと(角・才)

 
 

【滓・糟・粕】
E: 負の方向に離れたもの。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」もの

『はおかんかえて あふらかす いれてかすやの はにみつる』ホ25

 
「かす(朽す)」の名詞化。
ここでは「E: 負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」などの意。

変態:「くす(屑)」「くそ(糞)」「くさ(腐・臭・瘡)」「くた(朽・腐・芥)」「きす(傷)」
類語:「おり(下り・滓・澱)」「おゑ(汚穢)

  

10/02/10

  

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