_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
一から学ぶ ほつまつたえ講座 第182回 [2024.9.13]
第三三巻 神崇め疫病治す文 (1)
著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
崇神天皇-1-1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
かみあがめゑやみたすあや (その1)
神崇め疫病治す文 https://gejirin.com/hotuma33.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
―――――――――――――――――――――――――――――
かみあがめゑやみたすあや
ときあすす むもふそひとし きなゑはる
むつきねしゑは そみきしゑ ゐそにゑのみこ としゐそふ
あまつひつきお うけつきて みまきいりひこ あまつきみ
―――――――――――――――――――――――――――――
神崇め疫病治す文
時 上鈴 六百二十一年 キナヱ春
一月ネシヱは 十三日キシヱ ヰソニヱの皇子 歳五十二
和つ日月を 受け継ぎて “ミマキイリヒコ和つ君”
―――――――――――――――――――――――――――――
■上鈴六百二十一年キナヱ (あすずむもふそひとしきなゑ)
上鈴621年は 紀元前97年
に相当します。 ▶上鈴 ▶干支
■一月ネシヱは十三日キシヱ (むつきねしゑはそみきしゑ)
「1日がネシヱで、キシヱにあたる1月13日」 という意です。
■ヰソニヱ ■ミマキイリヒコ和つ君 (みまきいりひこあまつきみ)
内宮イカシコメ
が生んだ開化天皇の3男で、斎名 ヰソニヱ
です。
ここに和つ日月を受け継ぎて、第10代崇神天皇として即位します。 ▶和つ日月 ▶和つ君
孝元天皇 ├──────開化天皇 ┌ウツシコメ ┃ │ ┃ └ヘソキネ─────イカシコメ[内宮]─┬(3)ミマキイリヒコ(斎名ヰソニヱ:崇神天皇) ┃ └(4)ミマツ姫 ┃ 竹野県主ユキリ──タケノ姫[??]────(1)ユムスミ(斎名コモツミ) ┃ 春日県主オケツ──オケツ姫[典侍]───(2)ヒコヰマス(斎名アリスミ) ┃ 葛城国造タルミ──タカ姫[内侍]────(5)ハツラワケ(斎名タケトヨ)
【概意】
神崇め疫病治す文
時 上鈴621年キナヱ春、1月1日がネシヱのキシヱ13日、
52歳のヰソニヱ皇子は 和つ日月を受け継ぎて、“ミマキイリヒコの和つ君”
と。
―――――――――――――――――――――――――――――
みくさつかひも あめためし たみにおかませ
ははおあけ みうゑきさきと ももふそひ
おおははのとし ももむそふ おおんきさきと
―――――――――――――――――――――――――――――
三種使も 上例 民に拝ませ
母を上げ 御上后と 百二十一
大母の歳 百六十二 大御后と
―――――――――――――――――――――――――――――
■三種使 (みくさつかひ)
「三種宝を手渡す代理」
という意で、神武天皇の即位の時に、先代の皇・内宮・大典侍
の
代用として使った、「日の神使・月の使・星の使」
の換言です。 ▶三種
今
天君の 位成る 昔は御上 分け授く 今は無きゆえ その使ひ 寄りて議れば 皆
曰く
「日の神使 ミチヲミと 月の使は アタネなり 星の使は アメトミ」
と 〈ホ30-2〉
■上例・天例 (あめためし)
■民に拝ます (たみにおがます)
■母を上ぐ (ははおあぐ)
母とは 開化の皇后である イカシコメ
です。
■御上后 (みうえきさき)
■大母・老母
(おおはは)
オオ は オフ(老ふ) の名詞形で、「祖母」
を意味し、オオハハ が オババ
→ ババ
へと転じます。
この場合は 開化天皇の母で、崇神天皇の祖母である ウツシコメ
を指します。
■大御后 (おおんきさき)
今風に言えば 太皇太后(たいこうたいごう)
です。 ▶大御 ▶后
【概意】
三種使も上代の例。飾りを民に拝ませ、
121歳の母を “御上后” に、162歳の祖母を “大御后”
に昇格。
―――――――――――――――――――――――――――――
はつとしの きさらきさうと そむつみゑ
おおひこのめの ことしそひ めしてきさきの みまきひめ
きあらかとへか とおつあひ めくはしうちめ
おおすけに あふみかやさか ふりいろね
かりすけとなる おはりかめ おおあまうちめ
なかはしの をしてとるもり
―――――――――――――――――――――――――――――
初年の 二月サウト 十六日ツミヱ
オオヒコの姫の 今年十一 召して后の ミマキ姫
紀アラカトベが トオツアヒメクハシ内侍
大典侍に 近江がヤサカフリイロネ
仮典侍となる 尾張が姫 オオアマ内侍
中橋の ヲシテ執る守
―――――――――――――――――――――――――――――
ここは五七調が少々いびつなため、言葉の区切りを調整しています。
■オオヒコ
孝霊天皇┐ ├───────孝元天皇 ホソ姫─┘ ┃ ┃ オオヤクチ─┬─────ウツシコメ[内侍→内宮]─┬(1)ヤマトアエクニ(斎名オオヒコ) (孝霊スクネ) │ ┃ ├(2)ワカヤマトネコヒコ(斎名フトヒヒ:開化天皇) │ ┃ └(3)トト姫 │ ┃ └ヘソキネ─イカシコメ[内侍]─────(4)オシマコト(斎名ヒコフト) ┃ 河内アオカキカケ────ハニヤス姫[乙下→内侍]──(5)ハニヤス(斎名タケハル)
■ミマキ姫 (みまきひめ)
オオヒコの娘で、崇神天皇の内宮(=正妃)に召されます。 ▶内宮
記紀には 御真津比売命 /
御間城姫 と記されます。
孝霊天皇┐ ├────孝元天皇──────開化天皇──崇神天皇 ホソ姫─┘ ┃ ┃ オオヤクチ────ウツシコメ[内宮]──オオヒコ──ミマキ姫 (孝霊スクネ)
■紀アラカトベ (きあらかとべ)
キ(紀)+アラカ+トベ(戸畔・留)
で、「紀州の守・紀の国造」 を意味します。
他文献には 木国造荒河刀辨、荒河戸畔、紀伊荒川戸俾、荒河刀辨命
などと記され、
天道根命の4世孫または5世孫とされます。
★アラカ
アラク(散去く・散く・粗く)
の名詞形で、「分れ・分割・区分」 を原義とし、
この場合は 「行政区分」、つまり 「国・州・県」
などの換言です。
■トオツアヒメクハシ姫
紀アラカトベの姫で、崇神天皇の内侍となります。 ▶内侍
トオツ(遠つ)+アヒ(天日)+メクハシ
で、トオツ(遠つ) は “久方の”
の換言で、
天・日 にかかる枕詞。アヒ(天日) は 天日の前宮
の略。
ゆえに 「天日の前宮の国に配られた姫」
の意と思案中です。
記紀には 遠津年魚目目微比売
/ 遠津年魚眼眼妙媛 と記されます。
アメノミチネ(タカクラシタの妹婿)─麻枳利命─比古麻命─鬼刀弥命┐ │ ┌────────────────────────────┘ │ ├紀アラカトベ─トオツアヒメクハシ │ ├久志多麻命─大名草比古命(紀ウチマロ)─┬宇遅比古命(紀ウツ)──豊耳(舟木命) │ │ └蔭佐奈朝命 └ヤマトカケ姫
■近江 (あふみ・をうみ)
「近江国の守・近江国造」 をいいます。
これはホツマには説明がありませんが、他文献の情報を総合すると、
ヒコヰマス が アメミカゲ
の娘の 息長水依比売
を娶って生んだ 水穂真若王
を指すようです。
日本書紀には 大海宿禰
と記されます。
■ヤサカフリイロネ
アフミ(近江)の娘で、崇神天皇の大典侍となります。 ▶大典侍
この “ヤサカ” は ヤス(▽和・安)+サカ(境)
の短縮で、「近江」 の換言と考えます。
日本書紀には 八坂振天某辺(やさかふるあまいろべ)
と記されます。
開化天皇 ├─────────ヒコヰマス オケツ姫[典侍] ├────┬水穂真若王(アフミ)──ヤサカフリイロネ │ ├丹波道主王 ホノススミ─??─アメミカゲ─息長水依比売 ├沙本毘古王 ├沙本毘売命 ├神大根王 └小俣王
■尾張 (おはり)
オハリ は タカオハリ(高尾張)
の略です。
この時の 「尾張連・尾張国造」 をいい、これは タケタ
を指すと考えます。
娘のオオアマ姫の名から考えると、この “尾張” は
葛城ではなく、愛知県の尾張です。
まだ大部分が海の底か沼地だったと思いますが。
子のタケトメを 臣に請ふ タケツツクサの 纏り継ぐ タケタの親ぞ 〈ホ32-3〉
■オオアマ姫
オハリ(尾張) の娘で、崇神天皇の内侍となります。
オオアマ は オオ(▽覆)+アマ(海)
で、「海におおわれる地の姫」
を意味するかと思案中です。
記紀や旧事紀には 意富阿麻比売
/ 尾張大海媛 / 大海姫命 などと記されます。
ニニキネ────ホノアカリ────タケヒテル───────タケトメ (養子)↓ ヤヒコ─アメヰダキ─アメオシヲ┬─建額赤彦─タケツツクサ─タケトメ─タケタ─┬オオアマ │(オキツヨソ) ├タケモロスミ │ └乎止与命─ミヤス姫 └ヨソタリ姫 ┃ ヤマトタケ
【概意】
崇神元年のサウトに始まる2月の16日ツミヱ、
オオヒコの姫で この年11歳のミマキ姫を召して后(内宮)に立てる。
紀アラカトベのトオツアヒメクハシ姫は内侍。
大典侍は 近江のヤサカフリイロネ。
仮典侍となるは尾張のオオアマ内侍。これ中橋のヲシテ執る守。
―――――――――――――――――――――――――――――
これのさき めくはしかうむ とよすきめ
おおあまかうむ ぬなきひめ
めくはしかうむ やまとひこ いむなゐそきね
やさかうむ やさかいりひこ おおきねそ
かれははおあく
―――――――――――――――――――――――――――――
これの先 メクハシが生む トヨスキ姫
オオアマが生む ヌナキ姫
メクハシが生む ヤマトヒコ 斎名ヰソキネ
ヤサカ生む ヤサカイリヒコ オオキネぞ
故 母を上ぐ
―――――――――――――――――――――――――――――
■トヨスキ姫 (とよすきめ・とよすきひめ)
トオツアヒメクハシ姫
が生んだ崇神天皇の長女で、
記紀には 豊鉏比売命 /
豊鍬入姫命 と記されます。
後にアマテル神の初代の 御杖代(みつえしろ=斎宮)
となる姫です。
トヨ(響)+スキ(助)+ヒメ(姫)
で、トヨ(響) は 「八方に響いて恵むさま」 をいい、
この場合は 「アマテル神」 を意味します。
スキ(助) は スケ(助) の変態で、「助け斎く者」
をいいます。 ▶斎く
■ヌナキ姫 (ぬなきひめ)
オオアマ姫 が生んだ崇神天皇の2女です。
記紀には 沼名木之入日売命/渟名城入姫命
などと記されます。
後に オオクニタマ
(=ヲコヌシ の神霊)
の斎宮となる姫です。
■ヤマトヒコ ■ヰソキネ
トオツアヒメクハシ姫
が生んだ崇神天皇の長男で、斎名 ヰソキネ です。
記紀には 倭日子命/倭彦命
と記されます。
■ヤサカイリヒコ ■オオキネ
ヤサカフリイロネ
が生んだ崇神天皇の2男で、斎名 オオキネ です。
記紀には 八坂之入日子命 /
八坂入彦命 などと記されます。
【概意】
これ以前に、メクハシが生むトヨスキ姫。オオアマが生むヌナギ姫。
メクハシが生むヤマトヒコの、斎名ヰソキネ。
ヤサカが生むヤサカイリヒコの、斎名オオキネぞ。
ゆえに母たちを昇格させる。
開化天皇 ├─────崇神天皇(ミマキイリヒコ・斎名ヰソニヱ) イカシコメ ┃ ┃ オオヒコ────ミマキ姫[内宮] ┃ 紀アラカトベ──トオツアヒメクハシ姫[内侍]─┬(1)トヨスキ姫 ┃ │ ┃ └(3)ヤマトヒコ(斎名ヰソキネ) ┃ 近江国造────ヤサカフリイロネ姫[大典侍]──(4)ヤサカイリヒコ(斎名オオキネ) ┃ 尾張国造────オオアマ姫[中橋]───────(2)ヌナギ姫
―――――――――――――――――――――――――――――
みほなつき しきみつかきに にいみやこ
―――――――――――――――――――――――――――――
三年九月 “磯城ミツカキ” に 新都
―――――――――――――――――――――――――――――
■九月 (なつき)
■磯城ミツカキ (しきみつかき)
崇神天皇の新都に付けられた名で、日本書紀には 磯城瑞籬宮
と記されます。
奈良県桜井市金屋
の 志貴御県坐神社 が 伝承地となっています。
「磯城の宮・磯城の都」 という意で、シキ(磯城)
は所在地の 磯城県
をいいます。
ミツカキ(御つ垣・上つ画)
は 「高き区画・中心の区画・都」 を意味します。
志貴御県坐神社
(しきのみあがたにいますじんじゃ)
大和国城上郡。郡奈良県桜井市金屋896。
現在の祭神:大己貴神
【概意】
崇神3年9月、“磯城ミツカキ” に新都。
―――――――――――――――――――――――――――――
よほめすえみか みことのり
みをやのさつく みくさもの くにとこたちは かんをして
あまてるかみは やたかかみ おおくにたまは やゑかきと
つねにまつりて みとかみと きはとほからす
とのゆかも うつはもともに すみきたる
―――――――――――――――――――――――――――――
四年十月二十三日 御言宣
「御祖の授く 三種物 クニトコタチは 神ヲシテ
アマテル神は ヤタ鏡 オオクニタマは ヤヱ垣と
常に纏りて 身と神と 際 遠からず
殿床も 器も共に 住み来たる
―――――――――――――――――――――――――――――
■三種物 (みくさもの)
「三種の宝物」 の略です。 ▶三種 ▶宝物
■クニトコタチ (▽地疾立ち)
この場合は ミナカヌシ+ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メの8尊
をいいますが、
その中でも特に、日本に降臨した 「ヱの尊」 と
「トの尊」 の兄弟を指します。 ▶二兄弟
■神ヲシテ (かんをして)
天神のオシテ
の換言で、三種宝の第1である 陽陰和る文
をいいます。
■ヤタ鏡 (やたかがみ・やたのかがみ)
■オオクニタマ (大国魂)
クシヒコがニニキネから賜った ヲコヌシ(大地主・大国主)
と、アマテルから賜った
ヤマトヲヲコノミタマ(和皇籠の御霊) の 2つの尊名を合わせて略したもので、
「オオモノヌシクシヒコの神霊」 をいいます。 ▶オオモノヌシ ▶クシヒコ
ヤマトオオクニカミ(大和大国神)、オホヤマトクニタマ(大和国魂)、ヤマトノカミ(和の神)
などとも呼ばれます。
■ヤヱ垣 (やゑがき)
三種宝の第3である 「ヤヱ垣の剣」 をいいます。ヤヱ垣は
「汚穢の垣」 を意味します。
これは モノノベ
の換言であり、モノノベの主が オオモノヌシ
です。
オオモノヌシのクシヒコは、ヤヱ垣の剣の原形である 和の逆矛(あまのさかほこ)
を
アマテルより譲られ、それを抜き持ったまま、ミモロ山の洞に入ります。 ▶オオミワ
・これ “ヤヱガキ”
は モノノベの 名なりと己が 央に応ゆ
てれば統べらの よよの垣 己が央なり」
と 誓いなす 〈ホ23-7〉
・ミモロの山に 洞掘りて 和の逆矛 放けながら 入りて静かに 時を待つ 〈ホ23-8〉
■常に纏る (つねにまつる)
神ヲシテ に クニトコタチの神霊を、ヤタ鏡 に
アマテルの神霊を、
ヤヱ垣 に オオクニタマの神霊を、“常に纏る”
という意で、
つまり 「三種宝を神の依代とする」 ということです。 ▶纏る ▶依代
三種宝は ニニキネの先例
(ハラミの例)
により、皇宮の内つ宮に納められています。
■際遠からず (きはとほからず)
ここでは 人と神の 「境界がはっきりしない・区別が曖昧」
という意です。
■殿床 (とのゆか)
「皇宮殿の床」 をいい、これは 「人の下にあるべきもの」
を意味します。 ▶殿
★床 (ゆか)
ユク の名詞形で、ウキ(浮き)・イカ(凧・紙鳶)・オカ(丘)
などの変態。
「浮き/浮かせ・下敷き・土台・ベッド」 などの意で、トコ(床)
の換言です。
■器 (うつは・うつわ)
三種器(みくさうつは) の略で、「三種物・三種の宝物」
と同じですが、同時にここでは
「神を宿す器」 つまり 「神の依代」 であるゆえに、
「人の上に置くべきもの」 を意味します。
【概意】
崇神4年10月23日に御言宣。
「御祖の授く三種の宝物、クニトコタチは天神の文に、アマテル神はヤタ鏡に、
オオクニタマはヤヱ垣の剣に常に纏れば、人の身と神との境界が曖昧で、
下にある殿床も
上にあるべき神の器も、一緒くたに住み来たる。」
―――――――――――――――――――――――――――――
ややいつおそれ やすからす
あまてるかみは かさぬひに とよすきひめに まつらしむ
おおくにたまは ぬなきひめ やまへのさとに まつらしむ
―――――――――――――――――――――――――――――
「やや稜威畏れ 安からず
アマテル神は カサヌヒに トヨスキ姫に 纏らしむ
オオクニタマは ヌナキ姫 山辺の里に 纏らしむ」
―――――――――――――――――――――――――――――
■やや
■稜威 (いつ・ゐつ)
ここでは 「神の稜威・神威」 をいいます。
具体的には、神の宿る三種の器を、人や普通の器物と同列に扱ってきたことに対する
「神の怒り・神の罰」 をいうのでしょう。
■アマテル神 (あまてるかみ)
この場合は アマテルの神霊を宿す 「ヤタ鏡」
をいいます。
■カサヌヒ・カサヌイ ■ヨサ (与謝)
「トヨケとアマテルの神霊を合わせ纏る所」 の意で、マナヰ
の換言です。
ヨサ(与謝) とも呼ばれます。ヨサ は ヨス(寄す)
の名詞形で、やはり 「合わせ」 を意味します。
カサ(▽和・▽合)+ヌヒ(縫) で、カサ は カス(和す・合す)
の名詞形。
ヌヒ(縫) は ユヒ(結) の変態で、この場合は
「纏ること・纏る所」 を意味します。
真名井神社
(まないじんじゃ)
丹後国与謝郡。京都府宮津市江尻、籠神社奥宮。
現在の祭神:豊受大神
・もともと 匏宮(よさのみや)
として、真名井原の奥宮に豊受大神が鎮座。
■トヨスキ姫 (とよすきひめ)
■オオクニタマ (大国魂)
この場合は オオクニタマの神霊を宿す 「ヤヱ垣の剣」
をいいます。
■ヌナキ姫 (ぬなきひめ)
■山辺の里 (やまべのさと)
クシヒコは晩年、大和山辺に殿を造って隠居しますが、
それが現在の 大和神社 の所在地と考えます。 ▶大和山辺 ▶里
クシヒコは 大和山辺に 殿造り 節を考えば 年すでに 十二万八千百 〈ホ23-8〉
大和神社 (おおやまとじんじゃ)
大和国山辺郡。奈良県天理市新泉町星山306。
現在の祭神:日本大国魂大神、八千戈大神、御年大神
・延喜式神名帳には 大和坐大国魂神社(やまとにいますおおくにたまじんじゃ)
と記載。
【概意】
「しだいに神威を畏れるようになり、心が安らかでない。
それゆえアマテル神(=ヤタ鏡)は、トヨスキ姫をしてカサヌヒに纏らしめ、
オオクニタマ(=ヤヱ垣の剣)は、ヌナキ姫をして山辺の里に纏らしむ。」
―――――――――――――――――――――――――――――
いしこりとめの まこかかみ あめひとかみの まこつるき
さらにつくらせ あまてらす かみのをしてと このみくさ
あまつひつき かんたから
―――――――――――――――――――――――――――――
「イシコリトメの孫 鏡 アメヒト尊の孫 剣
新に造らせ 和照らす 尊のヲシテと この三種
和つ日月の 尊宝」
―――――――――――――――――――――――――――――
■イシコリトメの孫 (いしこりとめのまご)
「イシコリトメ
の子孫」 の意で、つまり 鏡造(かがみつこ)
をいいます。
イシコリトメは マス鏡
を造って二尊に奉っています。
イシコリトメが マス鏡 鋳造り進む 〈ホ4ー2〉
■アメヒト尊の孫 (あめひとかみのまご)
“アメヒト” は、右目一つで ヤヱ垣の剣
を造って献上した鍛冶 アマメヒトツ
の略で、
その子孫をいいます。
「我が実心に よく叶い 世の治まる 宝物 名も
“ヤヱ垣の剣”」 とぞ
金錬りを褒めて 賜ふ名は “アマメヒトツ”
の 尊となる 〈ホ23-6〉
■新に造らす (さらにつくらす)
「あらたに造らす」、つまり 「コピーを造らせる」
ということです。
■和照らす尊のヲシテ (あまてらすかみのをして)
神ヲシテ・天神のオシテ
の換言で、三種宝の 陽陰和る文
をいいます。
これだけはコピーを造らず、本物を皇宮の内つ宮に保管します。
“和照らす尊” は 「和して照らす御上」
の意で、「国君・皇君」 の換言です。 ▶和照らす
“陽陰和る文” は
皇位継承の都度、先帝が自ら記して新帝に授けますが、
その内容は “天神のオシテ”
を原本としているようです。
和の日月を 受くる日の 三つの宝の その一つ “陽陰和る文” の 道奥ぞこれ 〈ホ23-2〉
■和つ日月の尊宝 / 神宝 (あまつひつきのかんたから)
「皇位の証として受ける尊い宝 / 神宝」 という意です。 ▶和つ日月
【概意】
「そしてイシコリトメの子孫に鏡を、アメヒト尊の子孫に剣を
新に造らせ、
それに皇君の文(=陽陰和る文)に添えたこの三種を、皇位の証の尊宝となす。」
本日は以上です。それではまた!