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一から学ぶ ほつまつたえ講座 第24回 [2023.8.6]

第六巻 日の神十二后の文 (3)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 ひのかみそふきさきのあや (その3)
 日の神十二后の文 https://gejirin.com/hotuma06.html
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 みよもゆたかに をさまりて やよろとしへて
 ふそふすす ゐもゐゑはつに みやつより はやきしとへは
 あまひかみ いそきまなゐに みゆきなる
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 御世も豊かに 治まりて 八万年経て
 二十二鈴 五百五枝初に ミヤツより 早雉飛べば
 太陽神 急ぎマナヰに 御幸なる
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■御世 (みよ)
適当な漢字がないため、やむなく “御世” と当て字していますが、
この “ミヨ” は 「まとまり・家・国家・社会」 などを意味します。

 ★みよ (▽見・▽和・▽世・▽代・▽御世・御代)
 ミル(見る) の変態 ミユ(見ゆ) の名詞形で、
 「合い/合わせ・統べ・まとまり・括り・和・結い・節」 などが原義です。
 ミヨ の略が ヨ(節・代) です。


■二十二鈴五百五枝初 (ふそふすずゐもゐゑはつ)  ▶数詞
真榊(=鈴木) による暦法で、1鈴=6万年、1枝=60年、1穂=1年 です。
アマテルの即位が、21鈴126枝58穂3月1日 (満87歳) ですから、
以来 8万2622年が経過しています。

 二十一鈴 百二十六枝 年サナト 三月一日
 日の山下 新宮造り 陽陰御子は ヒタカミよりぞ 移ります 
〈ホ6-1〉


ミヤヅ (宮津)
トヨケ(斎名タマキネ) は自ら宮津に出向いてサホコチタル国を治めています。

 タマキネは 行きてサホコの 国を治す ミヤヅの宮ぞ 〈ホ6-2〉

 
■早雉 (はやきじ)・早雉子 (はやきぎす)
「急ぎの伝令使」 をいいます。
この場合は、発信者はタマキネです。
 
 ★キジ / キヂ・キギス (雉・雉子)
 「伝書使・伝令使」 のことを “キジ” または “キギス” と呼びます。
 おそらく地上を 往き来する (ユキキスル) という意味だと思います。
 キキス → キキシ → キシ と変化したのでしょう。

 鳥のキジに喩えて、「キジ飛ぶ」 とか 「キジを飛ばす」 とか言います。
 しかしキジは走るのは得意ですが、飛ぶのは実は苦手です。
 それをむりやり飛ばすということですから、よほどの緊急事態です。



■太陽神 (あまひかみ)
アマヒ(▽太陽) の位に就いた アマテル(斎名ワカヒト) を指します。
“日の神” ともいい、あまたあるアマテルの別称の一つです。

 御子は太陽の 位 乗る  〈ホ6-1〉

 
■マナヰ・アマノマナヰ
マナヰ は アマノマナヰ の略で、ミヤヅ(宮津) の別名です。
アマノマナヰ は 「トヨケとアマテルを結び付ける所」 を意味します。
ヨサ、カサヌヒ、タケノ、ユギリ などとも呼ばれます。

 ★マナヰ
 マナ+ヰ(▽結・居) の同義語連結で、マナ は マヌ(真似) の名詞形。
 マヌ は マネク(招く) の母動詞で、「合わす・寄す・呼ぶ・召す」 などが原義です。
 ヰ は ユヒ(結ひ) の短縮形で、これも 「合わせ・結び・付け・くくり」 などが原義。
 ゆえに マナヰ は 「結い合わせ・結び付ける所」 を意味します。

 ★アマ・アメ (陽陰)
 「陽と陰」 が原義ですが、この場合は “陽” はトヨケ、“陰” はアマテル を指します。
 その理由については36アヤを待たねばなりませんが、「外宮と内宮」 の関係と同じです。

  大御神 嗣を思して 妹背の道 八方人草を 生け恵む
  故 カツヲ八木 千木の内 削ぐは
内宮 内軽く 八民豊かに
  またトヨケ 逆矛の法 天の星 九座表し
  カツヲ九木 千木は外を削ぐ 故
外宮 内厚く 厳 民の父
  畏れ 道得よ 内宮は 君 
母の子を 恵む法かな 
〈ホ36-4〉


■御幸・行幸・御行 (みゆき)
「巡って恵むこと」 が原義で、「国君、またはそれに準ずる貴人の外出」 を意味します。

 ミ(‘回る’の連用形)ユク(往く) の名詞形で、両語とも 「回る/回す・巡る/巡らす」 を
 原義とし、ここでは 「巡ってめぐらす・巡って恵む」 という意です。
 ですから メグル(▽恵る) の同義語です。それゆえ “御幸・行幸” と当て字され、
 また 巡幸 とも呼ばれます。またミユキは多くの場合、“なる” を述語とします。

 

【概意】
国家も豊かに治まり、8万年を経て、
22鈴505枝初年に宮津より早雉が飛ぶと、
太陽神は急ぎマナヰに御幸なる。



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 ときにたまきね あひかたり
 むかしみちのく つくさねは ここにまつとて さつけまし
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 時にタマキネ 会ひ語り
 「昔 道奥 尽くさねば ここに全つ」 とて 授けまし

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タマキネ

■昔道奥尽さねば (むかしみちのくつくさねば)
「昔、道の奥義を教え尽してなかったので」 という意です。
“昔” とは、アマテルがタマキネから 陽陰の道 を学ぶため、
ヒタカミの都に滞在していた期間をいいます。

 ★道奥 (みちのく)
 ミチノオク(道の奥) の短縮で、「道の本質・道の根幹・道の真髄」 などをいい、
 奥義 と同じです。


■全つ (まつ)
ミツ(見つ・充つ・満つ) の変態で、“全うする” の マットウ の母動詞です。
「合う/合わす・充ちる/充たす・至る/至らす・完全になる/する」 などの意を表します。

 

【概意】
時にタマキネは会い語り、
「昔 道の奥義を教え尽さねば、ここにまっとうする」 と、授けまして、



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 もろかんたちも しかときけ きみはいくよの みをやなり
 これとこたちの ことのりと ほらおとさして かくれます
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 「諸守たちも しかと聞け 君は幾代の 御祖なり
 これトコタチの 言宣」 と 洞を閉ざして 隠れます
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■幾代の御祖 (いくよのみをや)
「後に続く幾代の皇統の先祖」 という意味です。 ▶御祖・上祖(みをや)
日本は クニトコタチ に始まる皇統を、直系の子孫が代々受け継いで来ましたが、
オモタル&カシコネの代でそれが途絶えて世は乱れます。その後をトヨケと二尊が継ぎ、
暫定的に国家を治めてきますが、ここに日月の神霊の降臨であるアマテルが国君となります。
トヨケは、クニトコタチの皇統に代わる、新たな皇統の誕生をここで告げているわけです。

 ★幾 (いく)
 イク(行く) の名詞形で 「回転・巡回・繰り返し」 などを原義とし、
 「回転しながら成長発展するさま・雪だるま式」 を意味します。


■トコタチの言宣 (とこたちのことのり)
“トコタチ” は 天界に還った クニトコタチ の神霊をいいます。 ▶言宣
ホ13アヤで語られますが、クニトコタチはトヨケの過去世の一つでした。

 昔 トヨケの 御言宣 「我 三世を知る 初の世は クニトコタチ
 天に逝き 回る元明の 守 定め」 
〈ホ13-4〉

 “クニトコタチの言宣” というのは、トヨケが自分の過去世の神霊から受けた
 霊的なメッセージをいうのでしょう。前皇統の祖であるトコタチが、
 新たな皇統の祖を宣言するわけですから、これに勝る公式認定はありません。


■洞 (ほら) ■辞洞・去洞 (いなほら)
古代の国君は帰天の時を悟ると、あらかじめ その身 (体・骸) を納める洞を
掘っておき、多くの場合は 生きながらその洞に入って世を辞みました。
この洞を特に “いなほら” と呼びます。

 

【概意】
「諸守たちもしかと聞け。
アマテル君はこの後に続く幾代の皇統の先祖となる。
これはトコタチの言宣である」 と、洞を閉ざして隠れます。



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 そのうゑにたつ あさひみや きみねんころに まつりして
 のちかえまさん みてくるま
 ととむるたみお あわれみて みつからまつり きこしめす
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 その上に建つ 朝日宮 君ねんごろに 纏りして
 後 帰えまさん 御出車
 留むる民を 憐みて 自ら政 聞し召す
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■その上に建つ (そのうゑにたつ)
「トヨケが入って閉ざした辞洞の上に建てる」 という意味です。


■朝日宮 (あさひみや)
“朝日” はトヨケの 贈り名 です。朝日=日の出=日高み ですから、
「日の神を世に出した神」、また 「ヒタカミ国の神」 を表すものと考えます。

” は 「神霊を招き入れる器」 をいいます。これは 依代(よりしろ)神籬(ひもろぎ)
社(やしろ)
など、いろんな呼び方がありますが、最高格の神霊を招き入れる器だけが
“宮” と呼ばれます。この朝日宮の面影を今に残すのが、籠神社奥宮の真名井神社です。

 真名井神社 (まないじんじゃ)
 丹後国与謝郡。京都府宮津市江尻、籠神社奥宮。
 現在の祭神:豊受大神


■ねんごろ (懇ろ)
「心がこもるさま・念入り」 をいいます。

 ネグ(祈ぐ・労ぐ)コル(梱る) の名詞形 “ネゴロ” の音便変化です。
 ネグ は ネギラフ(労う犒う) の母動詞、コル は コム(籠む・込む) の変態で、
 両語とも 「合わす・添える・入れる」 などが原義です。

 
纏り (まつり)
「まとめ・治め・手当て・処置・ケア」 などを意味しますが、
この場合は モマツリ(喪纏り) をいいます。


■御出車 (みてぐるま)
出車(てぐるま) の尊敬語です。


■政 (まつり)
マツリ(纏り) が原義で、「まとめ・治め・手当て・処置・ケア」などを表します。
この場合は 「サホコチタル国の治め・政治」 を言うため、“政” と当てています。


■聞し召す (きこしめす)
キク(聞く) の二重尊敬語です。(きく → きこすきこしめす)
さらにもう一段の尊敬を重ねる時には “きこしめさる” と表現します。
キク(聞く) は 「(身に) 合わす・寄せる・我がものとする」 などが原義です。
かなり広範な意味を表しますが、ここでは 「(政を) 見る・取る・執る」 の意です。

 

【概意】
その上に建てる “朝日宮”。君は心を込めて喪儀を行い、
その後 お帰りになろうと御出車を召すが、引き留める民を憐みて、
自らサホコチタル国の政をお執りになられる。



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 おもむきつける ききすにて むかつひめより ことのりし
 たかみにまつる とよけかみ
 もちこのすけと はやこうち あちことみたり はやゆきて
 まなゐのはらの みやつかゑ
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 主向き告げる キギスにて ムカツ姫より 言宣し
 タカミに纏る トヨケ神
 「モチコの典侍と ハヤコ内 アチコと三人 はや行きて
 マナヰの原の 宮仕え」
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主向き・趣 (おもむき)

キギス (雉・雉子)

■ムカツ姫 (むかつひめ:向つ姫)
あまさかる日に向つ姫” の略で、セオリツ姫 の別名です。
日の前向つ姫(ひのまえまかつひめ) とも呼ばれます。


■タカミに纏るトヨケ神 (たかみにまつるとよけかみ)
「タカミ (ヒタカミの略) にトヨケの神霊をまとわす」 という意です。
つまり、ヒタカミの地に宮なり社なりを建てて、そこにトヨケの神霊を
招き入れたということです。

 このトヨケの神霊を纏る宮/社は 現在も残っているはずと思うのですが、
 東北地方の神社は由緒の不明・不詳が多く、現状手がかりがありません。


■モチコ ■ハヤコ ■アチコ
北の局の 典侍モチコ、内侍ハヤコ、乙下侍アチコ です。  ▶局(つぼね) ▶13后一覧

 北の局の3人が選ばれた理由は、(1) 宮津は都から北の方向にあること、
 (2) モチコ・ハヤコ姉妹の出身地に近いこと、(3) たまたま北の局が当番だったこと
 などが考えられます。このモチコとハヤコの派遣は将来に禍根を残すことになりますが、
 それは7アヤで語られます。


■マナヰの原 (まなゐのはら)
マナヰは ミヤヅ(宮津) の別名です。

 ★原 (はら)
 ハル(張る) の名詞形で、ハリ(張り)・ヒロ(広) の変態です。
 「広がり・縄張り・領域・区画」 などを意味します。

 

【概意】
その主旨を告げる伝令を受けて、ムカツ姫より言宣し、
トヨケの神霊をヒタカミに纏る。
「典侍モチコ、内侍ハヤコ、乙下侍アチコの3人は、急ぎ行きて
マナイの原の宮仕え」 と、



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 ことのりあれは かとてして みやつのみやに あるときに
 きみのみかりに ちたるくに みちおさためて をさむのち
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 言宣あれば 門出して ミヤツの宮に ある時に
 君の巡幸りに チタル国 道を定めて 治む後
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■巡幸り (みかり)
ミ(‘回る’の連用形)カル(▽転る・駆る) の同義語連結の名詞形で、
「回ってめぐらすこと・巡って恵むこと・巡幸」 を意味し、
メグリ(恵り)
ミユキ(御幸) の同義語です。“巡幸り” は筆者の当て字です。

 

【概意】
言宣りがあれば、門出してミヤヅの宮にある時に、
君の巡幸により道を定めてチタル国を治めた後、



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 やそきねのおと かんさひお ますひととなし
 またおとこ つはものぬしと こくみそゑ
 つほねととめて かえらんと
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 ヤソキネの弟 カンサヒを マスヒトとなし
 また乙子 ツハモノヌシと コクミ副え
 局 留めて 帰らんと
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■カンサヒ
トヨケの子で、ヤソキネ の弟です。先代旧事本紀 (以後 “旧事紀” と簡略) という書に
神狭日命 として登場します。そこには 『天忍日命 大伴連等祖 亦云 神狭日命』とあり、
天忍日命(あめおしひ)
と混同されていますが、2人は別人で、父と子の関係です。
カンサヒを祭る神社も 天忍日命を祭神名とする場合が多いようです。

 
 クニトコタチ─クニサツチ┐
   (I)     (II)  │
 ┌───────────┘
 ├トヨクンヌ─ウビチニ┬ツノクヰ─オモタル
 │ (III)    (IV) │  (V)   (VI)    ┌クラキネ
 │          │           ├ココリ姫
 │          └アメヨロツ┬アワナキ─┴イサナキ┐
 │          (養子)↑  └サクナキ   (VII) ├ヒルコ
 │             └─────┐       ├アマテル
 ├ハコクニ─東のトコタチ┬アメカガミ─アメヨロツ    ├ツキヨミ
 │      (初代)  │               ├ソサノヲ─ヲオナムチ
 └ウケモチ       └タカミムスビ─トヨケ┬イサナミ┘
               (2〜4代)   (5代)├ヤソキネ─タカキネ┬オモヒカネ
                        │ (6代)   (7代) ├ヨロマロ
                        ├カンサヒ     ├フトタマ
                        └ツハモノヌシ   ├タクハタチチ姫
                                  └ミホツ姫


マスヒト
この場合は 「カンサヒをサホコチタル国のマスヒトに任じた」 ということです。


乙子 (おとご)
「末の子」 をいいます。


■ツハモノヌシ / ツワモノヌシ
トヨケの子で、ヤソキネ・イザナミ・カンサヒ の弟です。
ここでサホコ国の副マスヒトに任じられています。

 穴師坐兵主神社 (あなしにますひょうずじんじゃ)
 大和国城上郡。奈良県桜井市穴師1065。
 現在の祭神:兵主神


コクミ
もともとサホコチタル国のマスヒトでしたが、職務を怠るので
トヨケ(斎名タマキネ) が代わってサホコ国を治めます。

 チタル国 マスヒト コクミ 怠れば タマキネ付けて 〈ホ6-2〉

トヨケの帰天後は、アマテル自らがサホコ国の政を執っていましたが、
ここであらためて、コクミがサホコ国の副マスヒトに任じられます。


局留めて帰る (つぼねとどめてかえる)
アマテルのもとに派遣された 「北の局の3后を現地に残して帰る」 という意ですが、
それは何故でしょうか。
ひとつ考えられるのは、アマテルと3后がミヤツに滞在している間に、モチコとハヤコは
妊娠・出産しているため、産後と育児を考慮しての処置だということです。

 昔 君 マナヰにありて ミスマルの 珠を濯ぎて タナキネを モチに生ませて
 床酒に ハヤコを召せば その夢に 十握の剣 折れ三割 さがみにかんで
 共となる 三人姫生む
 〈ホ7-7〉

 

【概意】
ヤソキネの弟カンサヒを サホコ国のマスヒトとなし、
また末子のツハモノヌシと、コクミを副マスヒトとなして、
局を宮津に留めて帰ろうと、



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 こそよりむかふ そさのをと あまのみちねと かとてなす
 ねなとやよひの もちよりそ うつきのもちに かえります
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 去年より向かふ ソサノヲと アマノミチネと 門出なす
 ネナト三月の 十五日よりぞ 四月の十五日に 帰ります
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去年 (こぞ)
コソ+トシ(年) の略で、コソは コス(越す) の名詞形です。


■むかふ (向かふ/迎ふ)
「日の神に向かう」 の意か、「臣として迎える」 の意か 迷う所ですが、
どちらにしても 「臣としてアマテル君に仕える」 ことをいいます。


ソサノヲ

■アマノミチネ
ヤソキネの曾孫で、先代旧事本紀には 天道根命 と記されます。
(神武天皇の時代に同名の人物が登場しますが、それとは別人です)

 アマ(陽陰) の ミチ(道)+チネ(▽因) の短縮で、チネ は チナミ(因み) の母語。
 「アマテルの道連れ」 の意と思います。
 つまり、この時アマテルの帰京のお供をしたことによる名です。


ネナト
ネナトは60年周期のヱトの10番目の年で、22鈴505枝10穂 にあたります。
アマテルがトヨケに呼び出されて宮津に来たのが 22鈴505枝1穂 ですから、
10年ほど宮津に滞在したことになります

 

【概意】
去年より迎えたソサノヲとアマノミチネと門出なす。
22鈴505枝10穂の3月15日に出発して4月15日に帰ります。

 

本日は以上です。それではまた!

 

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