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一から学ぶ ほつまつたえ講座 第119回 [2024.2.16]

第二三巻 衣定め 剣名の文 (2)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 みはさだめつるぎなのあや (その2)
 衣定め 剣名の文 https://gejirin.com/hotuma23.html
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 われはとのちに をさむゆえ おみもとみなり そのゆえは
 もともとあけの みをやかみ ゐますうらには きたのほし
 いまこのうえは みそむめの とのかみゐます
 そのうらか なかはしらたつ くにのみち

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 我はトの道に 治む故 オミもトミなり その故は
 元々明の ミヲヤ神 坐す裏には 北の星
 今この上は 
見染む目の トの神 坐ます
 その心が 中柱立つ 国の道

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■トの道 (とのち・とのみち:▽調の道)
「調和の道」 の意で、マト道ヤマトの道アメの道 とも呼ばれます。
八元神 ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メの 「トの神」 が この道の源です。
トは 「調える」 という言葉に代表されるため “調” と当て字しています。


■オミもトミなり
「臣」 は “オミ・ヲミ” とも “トミ” とも呼ばれますが、アマテルは “ト” の道に
治めるため、それに音を合せて “トミ” と呼ぶ、ということです。
そうすることで 「臣はトの道を教える身」 であることを常に再認識させています。

・臣ら ひめもす 倦まなくて 教えを常の 業となせ 〈ホ17-2〉
・教えぬ者は 臣ならず 教え受けぬは 民ならず 〈ホ17-2〉
・物知るとても 蠢かで トの導きに 入らざらんをや 〈ホ17-2〉
・蔀は臣の トの教え 通るを見るぞ 〈ホ21ー4〉


 
★オミ・ヲミ (臣)
 オムの名詞形で、オムは オフ(合ふ和ふ負ふ)の変態。
 「(民を) 合わす者・まとめる者・束ねる者」 を意味し、トミ(臣)の換言です。
 尊敬を込める場合は “ヲミ” と表します。


元元明 (もともとあけ) ■ミヲヤ神 (みをやかみ)

■坐す裏 (ゐますうら)
ヰマス/イマス(居ます・在す・坐す)は ヰル(居る)の尊敬表現です。
ウラ(心・裏・占)は 「中心・源・奥・こころ・本質」 などを表しますが、
この場合は 「奥」 の意で、「ミヲヤ神が坐す アウワの宮 の奥」 という意です。


■北の星 (きたのほし)
「北極星・北辰」 をいいます。 ▶北辰
つまりアウワの宮は、地上から見た時、北極星の位置に重なるということです。

 北辰信仰ではミナカヌシを妙見菩薩として祀ります。


■見染む目 (みそむめ)
「隣接する区画」 という意です。 ▶フトマニ図

 ★見染む (みそむ)
 ミ(‘見る’の連用形)+ソム(染む) の短縮で、ムスブ(結ぶ)・ムツム(睦む) などの変態。
 両語とも 「合う・添う・付く」 などを原義とし、ここでは 「隣接する」 という意です。
 メ(目)は マ(間)の変態で、「場所・区画・マス」 などを表します。


トの神 (とのかみ)
ミナカヌシの御子として日本に降臨し、“トの尊” と呼ばれました。
兄の “ヱの尊” と共に原始日本を治め、国の基礎を築きました。
地上での仕事をなし終えて天に還ると、アメノミヲヤにより星となされます。
しかしどの星がトの神なのかは不明です。

・ミナカヌシ 地球八方に 万子生み 果つにヲウミの 兄弟の子の
 兄御子(=ヱの尊) 上に継ぎ ヲウミ治す 〈ミ6-3〉
・弟御子(
トの尊)の統む トシタ国 ・・・ 百ハカリ後 トの尊 ヱに受け治む
 これよりぞ 代わる代わりに 治を継ぎて 天に還れば
 ミナカヌシ および ヱ・ヒ・タ・メ ト・ホ・カ・ミも 
天に配りて 星となす 〈ミ6-4〉


■その心 (そのうら)
ウラ(心・裏・占)は 「中心・源・奥・こころ・本質」 などを意味しますが、
この場合は 「こころ・本質・エッセンス・精神・スピリット」 などを表します。
“そのうら” とは 「トの心・トの精神」 をいい、それは “ととのふ” という言葉に代表されます。
ですから 「調和の心・調和の精神・調和のエッセンス」 をいいます。

 ★調ふ・整ふ (ととのふ)
 トツ(綴づ・▽統つ)+ノフ(▽和ふ) の連結で、ノフは ヌフ(縫ふ)の変態。
 両語とも 「合わす・和す」 が原義です。


■中柱立つ (なかはしらたつ)
“中柱” は 「中心に立つ柱・中軸・大黒柱・屋台骨」 をいいます。
ここでは 「中軸として立てる・屋台骨として立てる」 という意です。

 

【概意】
我はトの道に治めるゆえ、オミ(臣)もトミと呼ぶ。
その故は、元々明のミヲヤ神がおわす区画の奥には北の星があり、
またその上の隣接する区画には トの神 がおわすが、
トの心(=調和の精神)こそ 中軸として立てる 国家の道だからである。



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 あめよりめくむ とのかみと むねにこたえて まもるゆえ
 ひとのなかこに あいもとめ ひとつにいたす とのをしえ
 なかくをさまる たからなり

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 天より恵む トの神と 旨に応えて 守るゆえ
 人の中子に 合いもとめ 一つに致す “トの教え”
 永く治まる 宝なり

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■天より恵むトの神 (あめよりめぐむとのかみ)
「天界より地上へ調和のエッセンスを配給するトの神」 という意です。
メグム(恵む)は 「回す・めぐらす・配る・ほどこす」 などが原義です。


■旨に応えて (むねにこたふ)
天より恵む “トの神” の 「調和のエッセンスに同調する」 という意味です。

 ムネ(旨・宗)は 「中心・本質・心」 などが原義で、この場合は その心(そのうら) の換言です。
 コタフ(応ふ)は ここでは 「反応する・呼応する・共鳴する・同調する」 などの意です。


守る (まもる・もる)

■人の中子に合いもとむ (ひとのなかごにあいもとむ)
人の中子に 「親和する・溶け込む・融合する」 などの意です。 ▶中子 ▶合いもとむ


■一つに致す (ひとつにいたす)
「一つに合わす・一つに結ぶ・合致する」 などの意で、トの神が天より配給する
調和のエッセンスと 「一つに結ぶ・一体化させる」 という意です。

 ★致す (いたす)
 イタス(致す)は イツ(▽結つ)+タス(足す) の短縮で、
 両語とも 「合わす・結ぶ・和す・なす・する・決着させる」 などの意です。


トの教え (とのをしゑ)

 

【概意】
天界より恵むトの神の、調和のエッセンスに同調して守るゆえ、
人の中子に溶け込んで、<トの神の恵みと> 一つに結ぶ “トの教え”。
永く世の治まる宝なり。



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 あめのひつきお うくるひの みつのたからの そのひとつ
 あめなるふみの みちのくそこれ

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 和の日月を 受くる日の 三つの宝の その一つ
 “陽陰和る文” の 道奥ぞこれ

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■和の日月 (あめのひつき)
アマツヒツキ(和つ日月) と同じです。この場合は 「皇位」 を意味します。


■陽陰和る文 (あめなるふみ)
皇位継承の証として授受する 「三種宝」 は
(1) 陽陰和る文 (2) ヤタの鏡 (3) 八重垣の剣 です。この3種の内、
旧皇から新皇に直接手渡される 最も重要な宝が “陽陰和る文” です。

 “陽陰和る道” の奥義・秘伝を記した文と考えられますが、詳細は不明です。
 機(みはた)の文、香(かぐ)の文、上祖百編(みをやもあみ) などとも呼ばれ、
 オシホミミの時は これのモノザネとして ヤサカニの環珠 が授与されています。


道奥 (みちのく)

 

【概意】
これは、和の日月(=皇位)を継承する日に受ける
三種宝の一つ “陽陰和る文” の奥義である。



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 またほこも たからのゆえは
 とのみちに くにをさむれと そのなかに よこきくものは
 おのかみに あわねはみちお さかにゆく

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 また矛も 宝の故は
 トの道に 国治むれど その中に 横転く者は
 己が身に 合わねば道を 逆に行く

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■矛も宝 (ほこもたから)
アヤの冒頭でモノヌシがその理由を尋ねた “切るも宝” の換言です。

 ★矛・鉾・戈 (ほこ)
 ホクの名詞形で、ホクは ホグス(解す)の母動詞です。

 ★宝 (たから)
 タク(長く)カル(▽上る) の同義語短縮 “タカル” の名詞形です。
 「高まるさま・優れるさま・尊いさま・高貴・尊貴」 を意味します。


■横転く (よこきく)
ヨク(避く)+キク(▽転く) の連結で、どちらも 「曲る・逸れる・外れる」 などの意です。
ヨク(避く)は ヨコ(横)の母動詞で、キクは コク(転く・倒く)の変態です。
逸れて外れた結果を表して、「脱落する・転落する」 の意味もあります。

 

【概意】
また “矛も宝” の理由は、トの道に国を治める中にも、
ねじけた者は 我が身に合わなければ 道を逆に行く。



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 ひとりもとれは ともおまし むれあつまりて
 わたかまり みちさまたけは めしとりて
 たたしあかして つみおうつ

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 一人悖れば 朋を増し 群れ集りて
 わだかまり 道 妨げば 召し捕りて
 糺し明かして 罪を打つ

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悖る (もとる)

わだかまる (蟠る)

■妨ぐ (さまたぐ)
サム+タク の連結で、サムは ソム(染む)の変態、タクは タカル(集る)の母動詞。
どちらも 「合う・添う・付く・つっかえる」 などが原義で、「障る・差し支える」 などの意です。


■糺し明かす (ただしあかす)
タダス(正す・糺す・質す)アカス(明かす) の同義語連結です。
両語とも 「まっすぐにする」 が原義で、ごちゃごちゃして不明瞭な状態を
「まっすぐにする・クリアにする」 という意味です。


■罪を打つ (つみおうつ)
「曲りを直す・ズレを合わす」 などの意です。 ▶罪 ▶打つ

 

【概意】
1人が逸脱すれば、朋を増して群れ集まり、
曲がりねじけてトの道の障りとなれば召し捕って、
糺し明かして曲りを直す。



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 をさむるみちの みたれいと きりほころはす うつわもの
 あめのをしゑに さからえは みにうくあまの さかほこそ

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 治むる道の 乱れ糸 切り綻ばす 器物
 和の教えに 逆らえば 身に受く “和の 逆矛” ぞ

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■治むる道 (をさむるみち)
「世を治める道」 の意で、具体的には 「トの道」 です。


■乱れ糸 (みだれいと)
機を織る時に障害となる 「ねじけ曲った糸」 をいいます。 ▶乱る ▶糸
これを 「横転く者・逆に行く者」 になぞらえています。


器物 (うつわもの)


■和の教え (あめのをしゑ)
「調和の教え・調和の道」 の意で、“トの教え”  “マトの教え” の換言です。 ▶和


和の逆矛 (あまのさかほこ)

 

【概意】
治める道の乱れ糸を切りほころばす器物。
の教えにらえば、その身に受ける “和の逆矛” ぞ。



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 くにみたるれは たもあれて みつほのほらす まつしきお
 つみひときりて たかやせは みつほのなりて たみゆたか
 ちからおほとし ささくれは やものにきわひ たからてる
 かれにたからそ さかほこも うちをさむゆえ たからなり

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 国 乱るれば 田も粗れて 瑞穂上らず 貧しきを
 罪人切りて 耕せば 瑞穂の成りて 民 豊か
 力・大年 捧ぐれば 八方の賑わひ ‘タ’ から出る
 故に宝ぞ 逆矛も 打ち治むゆえ 宝なり

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瑞穂 (みづほ)

■罪人 (つみびと)
「曲り逸れた人・道を踏み外した者・曲者」 などを意味します。 ▶罪


■豊か (ゆたか)
ユヅ(茹づ)カ(▽如・▽然) で、「高まるさま・勢いあるさま」 が原義です。


■力 (ちから)
チク+カル(上る) の短縮 “チカル” の名詞形で、チクは タク(長く)の変態。
両語とも 「上がる・高まる・勢いづく・盛る」 などが原義で、
この場合は 「上がり・生産高・収穫高」 を意味します。

 原義的には タク(長く)+カル(上る) の名詞形 タカラ(宝)と同じです。
 タク(長く)の名詞形の1つが タケ(竹) ですが、“竹” はチクとも読みます。


大年 (おほとし)
チカラ(力) の換言です。


■捧ぐ (ささぐ)
サス(差す)+アグ(上ぐ) の連結 “サシアグ” の短縮形です。
サスは “傘をさす” のそれで、両語とも 「上げる・高める」 が原義です。
「献上する・奉納する」 の意に使われる場合が多いのですが、
ここでは原義通り 「上げる・高める・アップさせる」 の意です。


■‘タ’ から出る (たからでる)
「民(ミ)が田()を耕す(ガヤス) ことから生れる」 という意です。


■宝ぞ (たからぞ)
「ゆえに切るも宝ぞ」 ということで、これがモノヌシの問いに対する回答です。
また罪人を切ることにより、八方の賑わいは ‘タ’ から出るため、「‘タ’ からぞ」 の意も重ねます。


逆矛 (さかほこ)

■打ち治む (うちをさむ)
”罪を打って治む” という意味で、 ▶罪を打つ
「罪人を直して治める・曲者を矯正して国を丸く収める」 ということです。

 

【概意】
国が乱れれば田も粗れて、成果も上がらず貧しいが、
曲者どもを排除して田を耕せば、成果の実りて民は豊か。
あがり・収穫を増やせば、八方の賑わいは ‘タ’ から出る。ゆえに <切るも> “宝” ぞ。
逆矛も 曲りを直して国を治めるゆえに宝なり。



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 いさなみいわく あやまたは ひひにちかうへ ころすへし
 いさなきいわく うるはしや ちゐものかふへ うまんとて
 うみてをしゑる とのみちお うけてをさむる ちゐもむら
 とのみちとほり おおとしの みつほゑるなり

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 イサナミ曰く 「誤たば 日々に千頭 殺すべし」
 イサナキ曰く 「麗しや 千五百の頭 生まん」 とて
 生みて教える トの道を 受けて治むる 千五百村
 トの道 通り 大年の 瑞穂得るなり

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■誤たば日々に千頭殺すべし (あやまたばひびにちかうべころすべし)
■麗しや千五百の頭生まん (うるはしやちゐものかふべうまんとて)

黄泉辺境での二尊の言立ちです。5アヤでは次のように記されています。

 「麗しや かく為さざらば 千頭を 日々にくびらん」
 「麗しや 我 その千五百 生みて誤ち 無きことを 守る」〈ホ5ー3〉


誤つ (あやまつ)

千頭 (ちかうべ)
“日々に千頭殺す” は 「毎日1000人でも曲り逸れた臣を殺す」 という意味です。
曲り逸れた司を放置すれば、それが司るすべての民も曲り逸れることに
なってしまうからです。このゆえにイサナミは クマの神 と贈り名されます。 ▶頭


■千五百の頭 (ちゐものかふべ)
“千五百の頭生まん” は クマの神が、日々千人の曲り逸れた司を殺すのに対して、
イサナキは トの道 を教えて、「日々1500人の直き司を養成する」 という意味です。
このゆえにイサナキは タガの神 と贈り名されます。


■千五百村 (ちゐもむら)
「中国の全1500の村」 をいい、「中国の別名」 と考えて良いと思います。 ▶中国
“千五百” は、イサナキがトの道を教えて養成した、“千五百の頭” に由来します。

 

【概意】
イサナミ曰く 「もし道を誤れば、日々に千人の司を殺すべし」
イサナキ曰く 「麗しや、我は日々千五百人の司を生み育てん」 と、
生みて教えるトの道を、受けた司が治める千五百村。
その民にもトの道が通り、実りの成果を得るのである。

 

本日は以上です。それではまた!

 

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