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一から学ぶ ほつまつたえ講座 第106回 [2024.1.6]
第二〇巻 皇御孫十種得る文 (2)
著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com
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すめみまごとくさゑるあや (その2)
皇御孫十種得る文 https://gejirin.com/hotuma20.html
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なかくにのかみ こはまんお ふせくともかみ
かくやまは やますみのふこ ふとたまは みむすひのみこ
こやねとは かすかとののこ くしたまは みむすひのよこ
―――――――――――――――――――――――――――――
中国の守 拒まんを 防ぐ供守
カグヤマは ヤマズミの二子 フトタマは ミムスビの三子
コヤネとは カスガ殿の子 クシタマは ミムスビの四子
―――――――――――――――――――――――――――――
■中国の守拒まん (なかくにのかみこばまん)
旧体制 (代の殿をトップとする臨時の中央政府)
で中国を治めている地守らが
新体制 (テルヒコを和つ君とする新中央政府)
を嫌って、服従せず抵抗する可能性を
いいます。
“カシマタチ”
によりオホナムチがその地位を追われた時にもそうでしたが、
トップの交代は配下の臣の命運を左右する重大事であるため、旧体制下の
臣が新体制を嫌悪するのは自然であり、抵抗する可能性も常なるものです。
・いま我去らば 誰かまた あえて平れなん 者あらじ 〈ホ10-5〉
・またミカツチは 曲染 直ち 稜威を現す モノノベの
灘 和らに 戻すより 賜ふ尊部は カシマ尊 〈ホ10-5〉
■防ぐ供守 (ふせぐともがみ)
そのためテルヒコの中国入りには、強力な供守と大規模な部隊を添えて
中央政府の威容を示します。地守らの抵抗心をあらかじめ挫くのが狙いです。
特に代の殿の6人の子と3人の孫、またアマテルの3人の孫が含まれている
点は効果絶大でしょう。
大麻神社 (おおさじんじゃ)
香川県善通寺市大麻町上ノ村山241。
現在の祭神:天太玉命、天津彦彦火瓊瓊杵尊、天香語山命、天櫛玉命、
天糠戸命、天御陰命、天神立命、天三降命、天伊佐布魂命、
天事湯彦命、天神玉命、天村雲命、天世手命、天乳速日命、
天活玉命、天下春命、天鈿女命、天道根命、天明玉命、
天造日女命、天玉櫛彦命、天日神命、天伊岐志迩保命、
天表春命、天兒屋根命、天椹野命、天背男命、天斗麻彌命、
天八坂彦命、天少彦根命、天月神命
<筆者注>
この神社はテルヒコの供守を祀っているようです。(2人漏れ)
■カグヤマ
■フトタマ ■ミムスビ
“ミムスビ” は タカミムスビ
の略です。この場合は7代タカミムスビのことで、
オシホミミの代の殿として中央政府の治めを代行していたタカキネを指します。
“フトタマ” は タカキネの3男で、他文献では 太玉命/天太玉命
などと記されます。
後にアマテルにより、テルヒコ朝廷の祀りの臣(=左の臣)
に任命されます。
トヨケ┬ヤソキネ─タカキネ─┬オモイカネ │ ├フトタマ └イサナミ ├クシタマ ├ヨロマロ ├アヒミタマ ├イクタマ ├アヨミタマ ├タクハタチチ姫 (オシホミミ内宮) └ミホツ姫 (クシヒコ妻)
安房神社 (あわじんじゃ)
千葉県館山市大神宮589。
現在の祭神:天太玉命
■コヤネ ■カスガ殿
“コヤネ”
はアマノコヤネの略で、カスガ殿の代嗣子です。
この度のテルヒコの中国入りは、カスガ殿が老齢のため
御役御免を願い出たことがきっかけでした。
┌フツヌシ ??──┤ └アサカ姫┐ ├─アマノコヤネ ツハヤムスビ──??───ヰチチ─┘ (ココトムスビ) (カスガ殿)
当初、テルヒコ新体制の左の臣には、コヤネが予定されていたと考えられますが、
このアヤの終盤で示される、ある出来事と論争により、コヤネはテルヒコ朝廷から
離脱することになります。
■クシタマ
タカミムスビ7代タカキネの4男です。 ▶系図
旧事記には 天櫛玉命
と記されます。
津原神社 (つはらじんじゃ)
大阪府東大阪市花園本町1-4-23。
現在の祭神:天児屋根命、天玉櫛彦之命、天櫛玉命
【概意】
中国の守が拒まんとするを防ぐ供守の、
カグヤマはヤマズミの2子。フトタマはミムスビの3子。
コヤネとはカスガ殿の子。クシタマはミムスビの4子。
―――――――――――――――――――――――――――――
みちねとは かんみのひまこ かんたまは やますみのみこ
さわらのは あかつちのまこ ぬかととは かかみつこのこ
あけたまは たまつこのこそ
―――――――――――――――――――――――――――――
ミチネとは カンミの曾孫 カンタマは ヤマスミの三子
サワラノは アカツチの孫 ヌカトとは カガミツコの子
アケタマは タマツコの子ぞ
―――――――――――――――――――――――――――――
■ミチネ ■カンミ
“カンミ” は カンミムスビの略です。
“ミチネ” は アマノミチネの略で、旧事記には 天道根命
と記されます。
トヨケの死後、アマテル自らがしばらくサホコ国の政を執って都に帰りますが、
その際 アマノミチネとソサノヲを供としています。
トヨケ─ヤソキネ─??─??─┬アマノミチネ (カンミ) └ムラクモ
帰らんと 去年より向かふ ソサノヲと アマノミチネと 門出なす 〈ホ6-3〉
■カンタマ
オオヤマズミ2代 カグツミの3男で、カグヤマの弟です。
旧事記には 天神玉命
と記されます。
サクラウチ─┬─カグツミ─┬カグヤマ──カゴヤマ [初代ヤマズミ]│ [2代] ├カンタマ │ └マウラ [3代] ├─ホノコ │ ├──オシホミミ┬クシタマホノアカリ(斎名テルヒコ) │ アマテル │ │ │ └ニニキネ(斎名キヨヒト) └─ハナコ
神谷神社 (かみたにじんじゃ)
京都府京丹後市久美浜町久美浜小谷。
現在の祭神:丹波道主命、八千矛神、天神玉命、天種子命
■サワラノ ■アカツチ
“アカツチ” は
九州の宇佐を本拠とする地守です。
その支配は九州だけでなく、山陽の安芸あたりにまで及んでいたようです。
日本書紀に 赤土命・中筒之男命
などと記されます。
“サワラノ” は
アカツチの孫で、弟にはユツヒコがいます。
旧事記には 天椹野命
と記されます。
アカツチ┬──??──┬サワラノ │ └ユツヒコ └ハヤスフ姫
都波岐奈加等神社
(つばきなかとじんじゃ)
三重県鈴鹿市一ノ宮町1181。
現在の祭神:猿田彦大神、中筒之男命、天椹野命
■ヌカト ■カガミツコ (▽鏡造・▽鏡作)
“カガミツコ” は カガミ(鏡)+ツコ(▽造/▽仕)
で、鏡造りに従事する一族の
長を示す名と考えられます。これはイシコリトメを指すものと思います。 ▶イシコリトメ
“ヌカト” はその子です。日本書紀には 天糠戸者/天抜戸
と記され、
旧事記は “天糠戸神、鏡作連らの祖” と記します。
中山神社 (なかやまじんじゃ)
岡山県津山市一宮695。
現在の祭神:鏡作命、天糠戸神、石凝姥命
鏡作坐天照御魂神社
(かがみつくりにますあまてるみたまじんじゃ)
奈良県磯城郡田原本町八尾816。
現在の祭神:天照国照彦天火明命、石凝姥命、天糠戸命
■アケタマ ■タマツコ (▽玉造・▽玉作)
“タマツコ” は タマ(玉・珠)+ツコ(▽造/▽仕) で、
玉造りに従事する一族の長を示す名と考えられます。
玉祖神社 (たまのおやじんじゃ)
山口県防府市大字大崎1690。
現在の祭神:玉祖命
・玉祖命は玉造連(たますりのむらじ)の祖神。
“アケタマ” は その子です。他文献では 天明玉命、櫛明玉神
などと記され、
旧事記は “天明玉命、玉作連(たまつくりのむらじ)らの祖”
と記します。
玉作湯神社 (たまつくりゆじんじゃ)
島根県松江市玉湯町玉造508
現在の祭神:櫛明玉神、大名持神、少毘古那神、五十猛神
・櫛明玉神は
天明玉、豊玉、羽明玉、玉祖神などの異称を持ち、玉作部の遠祖と仰がれる。
建部大社 (たけべたいしゃ)
滋賀県大津市神領1丁目16-1。
現在の祭神:日本武尊、天明玉命、大己貴命
【概意】
ミチネとはカンミの曾孫。カンタマはヤマズミの3子。
サワラノはアカツチの孫。ヌカトとは鏡造の子。アケタマは玉造の子ぞ。
―――――――――――――――――――――――――――――
むらくもは みちねかおとと うすめひこ みけもちのまこ
かんたちは こもりのはつこ あめみかけ たたきねのおこ
みやつひこ かなさきのみこ よてひこは こもりのよつこ
―――――――――――――――――――――――――――――
ムラクモは ミチネが弟 ウスメヒコ ミケモチの孫
カンタチは コモリの初子 アメミカゲ タタキネの御子
ミヤツヒコ カナサキの三子 ヨテヒコは コモリの四つ子
―――――――――――――――――――――――――――――
■ムラクモ
ミチネの弟で、カンミ(=ヤソキネ)の曾孫です。
トヨケ─ヤソキネ─??─??─┬アマノミチネ (カンミ) └ムラクモ
他文献は 天村雲命/天牟良雲命
などと記し、
旧事記には “天牟良雲命、度会(わたらい)神主らの祖”
と記されています。
五所神社 (ごしょじんじゃ)
高知県室戸市吉良川町887。
現在の祭神:天鈴鉾大神、天御雲大神、
天村雲大神、天波與大神、天日別大神
■ウスメヒコ ■ミケモチ
“ミケモチ” については手がかりがありません。
旧事記の神代本紀に “神皇産霊尊の児、天御食持命、紀伊直(きいのあたい)らの祖”
と記されますが、あまり信頼性がありません。
ミケモチが ウケモチの換言だと考えれば、アマテルのウケモチ臣を務めた
カダ(荷田)をいう可能性があります。
その子の “ウスメヒコ” についても
同様に手がかり無しです。
旧事記はウスメヒコを アマノウズメ(天鈿売命)に置き換えて、
“天鈿売命、猿女君(さるめのきみ)らの祖”
と記しています。
■カンタチ ■コモリ
“コモリ”
はオオモノヌシ2代クシヒコの子で、幼名はヨロギマロ、斎名はミホヒコです。
後に父を継いで3代オオモノヌシとなります。 ▶オオモノヌシ
イサナギ ┌ソサノヲ─オホナムチ (初代モノヌシ) ├──-┤ ├───クシヒコ (2代モノヌシ) ┌イサナミ └アマテル──タケコ │ │ ├──ミホヒコ (3代モノヌシ) │ │ トヨケ┴ヤソキネ──タカキネ───────ミホツ姫
“カンタチ” は コモリの長男です。旧事記には 天神立命
と記されます。 ▶系図
■アメミカゲ ■タタキネ
“タタキネ” はアマテルの次男 アマツヒコネ
の斎名です。
母はカナサキの娘の ハヤアキツ姫(斎名:アキコ)
です。
“アメミカゲ” は
その御子です。アマテルの孫なので、普通は ミコ(御子)と呼びますが、
ミコ(三子) との区別のため、ここでは オコ(御子)
と呼んでいます。
旧事記には 天御陰命
と記されます。
イサナギ─アマテル──┐ ├─アマツヒコネ(タタキネ)─アメミカゲ カナサキ┬ハヤアキツ姫┘ └ミヤツヒコ
なお アメミカゲは同名の人物がもう一人いて、現在2人は混同されています。
■ミヤツヒコ ■カナサキ
“カナサキ” は
二尊以来の重臣で、アマテルの政府においては
“日を写します上老臣”
という役職を賜っていました。
“ミヤツヒコ” は カナサキの3男です。
旧事記には “天造日女命、阿曇連らの祖”
と記されます。
シマツヒコ─オキツヒコ─シガ─?─?─?─カナサキ┬ハヤアキツ姫 └ミヤツヒコ
■ヨテヒコ
コモリの4男です。 ▶系図
旧事記には 天世手命/天世平命
などと記されます。
【概意】
ムラクモはミチネの弟。ウスメヒコはミケモチの孫。
カンタチはコモリの初子。アメミカゲはタタキネの御子。
ミヤツヒコはカナサキの3子。ヨテヒコはコモリの4子。
―――――――――――――――――――――――――――――
あめとまみ ぬかたたのおこ あませおは かんみのやさこ
たまくしは せおのいとこそ ゆつひこは さわらののおと
かんたまは たまくしのおと みつきひこ かんたまのおと
―――――――――――――――――――――――――――――
アメトマミ ヌカタタの御子 アマセオは カンミの玄孫
タマクシは セオのいとこぞ ユツヒコは サワラノの弟
カンタマは タマクシの弟 ミツキヒコ カンタマの弟
―――――――――――――――――――――――――――――
■アメトマミ ■ヌカタタ
“ヌカタタ” は アマテルの4男 クマノクスヒの斎名です。
母はムナカタの娘のトヨ姫(斎名:アヤコ)です。
“アメトマミ” は ヌカタタの御子で、
他文献では 天戸間見命/天斗麻彌命/天斗麻美命
などと記されます。
イサナギ─アマテル──┐ ├クマノクスヒ(ヌカタタ)─アメトマミ ムナカタ─トヨ姫アヤコ┘
馬見岡神社
(むまみおかじんじゃ)
滋賀県近江八幡市馬淵町476。
現在の祭神:天戸間見命、天津彦根命
■アマセオ ■タマクシ
“アマセオ” は カンミムスビ(=ヤソキネ)の玄孫です。
他文献では 天背男命/阿麻乃西乎乃命
などと記されます。
久多神社 (くたじんじゃ)
愛知県稲沢市稲島町石畑136。
現在の祭神:天背男命
“タマクシ”
はアマセオの従兄弟で、やはりカンミムスビの玄孫です。
他の文献では 天玉櫛彦命/天玉櫛彦命
などと記されます。
津原神社 (つはらじんじゃ)
大阪府東大阪市花園本町1-4-23。
現在の祭神:天児屋根命、玉櫛彦之命、櫛玉命
■ユツヒコ
アカツチの孫で、サワラノの弟です。
旧事記では 天湯津彦命/天由都彦命/天田都彦命と記し、“安芸国造らの祖”
とします。
アカツチ┬──??──┬サワラノ │ └ユツヒコ └ハヤスフ姫
安積国造神社
(あさかくにつこじんじゃ)
福島県郡山市清水台1丁目6番23号。
現在の祭神:和久産巣日神、天湯津彦命、比止禰命、誉田別命、倉稲魂命
■カンタマ ■ミツキヒコ
“カンタマ” は タマクシの弟です。やはりカンミの玄孫で、アマセオとは従兄弟です。
旧事記には 天神魂命
と記されます。先に出てきたカンタマ(神玉)と同名ですが別人です。
“ミツキヒコ” は タマクシ、カンタマ(神魂)の弟です。
旧事記は 天三降命、あるいは、兄カンタマと混同してますが、三統彦命
とも記します。
【概意】
アメトマミはヌカタタの御子。アマセオはカンミの玄孫。
タマクシはセオのいとこぞ。ユツヒコはサワラノの弟。
カンタマはタマクシの弟。ミツキヒコはカンタマの弟。
―――――――――――――――――――――――――――――
あひみたま たかきのよつこ ちはやひは よてのおとゐこ
やさかひこ こもりのやつこ いさふたま つのこりのこそ
いきしにほ おもいかねのこ いくたまは たかきのゐつこ
―――――――――――――――――――――――――――――
アヒミタマ タカギの四つ子 チハヤヒは ヨテの弟
五子
ヤサカヒコ コモリの八つ子 イサフタマ ツノコリの子ぞ
イキシニホ オモヒカネの子 イクタマは タカギの五つ子
―――――――――――――――――――――――――――――
■アヒミタマ ■タカギ
“タカギ” は
タカキネの略です。
“アヒミタマ” はタカギの4男で、フトタマ・クシタマの弟です。 ▶系図
旧事記には “天日神命、対馬県主らの祖”
と記されます。
阿麻氏留神社
(あまてるじんじゃ)
長崎県対馬市美津島町小船越347。
現在の祭神:天日神命(あめのひのみたま)
■チハヤヒ ■ヤサカヒコ
“チハヤヒ” は コモリの5男で、カンタチ・ヨテヒコの弟です。 ▶系図
旧事記には “乳速日命/天乳速日命、広湍神麻続連らの祖”
と記されます。
広湍(ひろせ)神は 廣瀬大忌(ひろせおおいみ)神ともいい、トヨケ(豊受大神)の別名です。
知波夜比古神社
(ちはやひこじんじゃ)
広島県三次市三良坂町三良坂1077-1。
現在の祭神:乳速日命(知波夜比古神)、市杵嶋姫命
“ヤサカヒコ” はコモリの8男で、さらにその弟です。 ▶系図
旧事記は “八坂彦命/天八坂彦命、伊勢神麻続連らの祖”
と記します。
伊勢神はアマテルの別名で、麻続(おみ・おうみ・おおみ)は
「麻織り」 のことです。
神麻続機殿神社
(かんおみはたどのじんじゃ)
三重県松阪市井口中町字井出ノ里675。
現在の祭神:天八坂彦命
■イサフタマ ■ツノコリ
“ツノコリ” は 新撰姓氏録に 角凝命/角凝魂命/天角己利命
と記され、
カンミムスビの子とします。カンミの末であるのは間違いないと思います。
波太神社 (はたじんじゃ)
大阪府阪南市石田167。
現在の祭神:角凝命、應神天皇
・鳥取氏の祖である角凝命を主神とし、古来
鳥取大宮と称す。
“イサフタマ” は ツノコリの子で、新撰姓氏録は 伊佐布魂命/五十狹經魂命、
旧事記には 天伊佐布魂命
と記され、倭文連らの祖 とします。
■イキシニホ ■オモヒカネ
“オモヒカネ” は やはりタカギの子で、 ▶系図
フトタマ・クシタマ・アヒミタマらの兄弟です。ワカ姫(=ヒルコ)と結婚しました。
“イキシニホ” はその子で、タチカラヲ・ウワハル・シタハル
の兄弟です。
旧事記には “伊岐志迩保命/天伊岐志邇保命、山代国造らの祖”
と記されます。
アワナギ─イサナギ ├──────ワカ姫(ヒルコ) ┌イサナミ ├────タチカラヲ │ ├────イキシニホ トヨケ─┤ ├─────ウワハル │ ├─────シタハル └ヤソキネ─タカキネ─オモヒカネ
■イクタマ
タカギの5男です。 ▶系図
ですから オモヒカネ・フトタマ・クシタマ・アヒミタマらの弟です。
旧事記には “活玉命/天活玉命、新田部直の祖”
と記されます。
高瀬神社 (たかせじんじゃ)
富山県南砺市高瀬291。
現在の祭神:大己貴命、天活玉命、五十猛命
【概意】
アヒミタマはタカギの4子。チハヤヒはヨテの弟でコモリの5子。
ヤサカヒコはコモリの8子。イサフタマはツノコリの子ぞ。
イキシニホはオモヒカネの子。イクタマはタカギの5子。
―――――――――――――――――――――――――――――
さのひこね ひこなのこなり ことゆひこ はらきねのおこ
うわはるは やつこころのこ したはるは うわはるのおと
あよみたま たかきのななこ すへみそふ みなのりむまて
まもりゆく みこはやふさの いてくるま
―――――――――――――――――――――――――――――
サノヒコネ ヒコナの子なり コトユヒコ ハラキネの御子
ウワハルは ヤツココロの子 シタハルは ウワハルの弟
アヨミタマ タカギの七子 総三十二 みな乗馬で
守り行く 御子は八房の 斎出車
―――――――――――――――――――――――――――――
■サノヒコネ ■ヒコナ
“ヒコナ” は スクナヒコナの略です。カンミ(=ヤソキネ)の子で、タカギの兄弟です。
オホナムチと共に病人を癒し、害虫を払うなど
民に尽くした後、
一人カダガキを弾きながら諸国を巡り、雛祭の由来を語り広めました。
加太の浦で最期を迎え “淡島神” と贈り名されます。
淡嶋神社 (あわしまじんじゃ)
和歌山県和歌山市加太116。
現在の祭神:少彦名命、大己貴命、息長足姫命
・毎年3月3日、お雛様を白木の舟に乗せて加太の海へ流す雛流し神事が行われる。
また神の名を針才天女とも伝え、冬に針供養が行われる。
“サノヒコネ” は スクナヒコナの子です。
トヨケ─ヤソキネ─スクナヒコナ─サノヒコネ
旧事記には “少彦根命/天少彦根命、鳥取連らの祖” と記されます。
宿奈川田神社
(すくなかわたじんじゃ)
大阪府柏原市高井田661。
現在の祭神:宿奈彦根命、高皇産霊命、級戸辺命
・近くの天湯川田神社とともに鳥取連の祖神を祀るものとされる。
■コトユヒコ ■ハラキネ
“ハラキネ” はアマテルの3男 イキツヒコネの斎名です。
母はカンミ(=ヤソキネ)の娘の オオミヤ姫(斎名:ミチコ)です。
活津彦根神社
(いくつひこねじんじゃ)
滋賀県近江八幡市安土町下豊浦4272。
現在の祭神:活津彦根命
“コトユヒコ” は ハラキネの子です。
旧事記には “事湯彦命/天事湯彦、取尾連らの祖”
と記されます。
イサナギ─アマテル─┐ ├イキツヒコネ(ハラキネ)─コトユヒコ ヤソキネ─オオミヤ姫┘
■ウワハル ■ヤツココロ ■シタハル
“ヤツココロ” は オモヒカネの別名です。
旧事記は 八意思兼~/八意思金命
と記し、阿智祝部らの祖とします。
“ウワハル” と “シタハル” は その子で、タチカラヲ・イキシニホとは兄弟です。 ▶系図
旧事記には “表春命/天表春命、信乃阿智祝部らの祖”、
“下春命/天下春命、武蔵秩父国造らの祖”
と記されます。
阿智神社
(あちじんじゃ)
長野県下伊那郡阿智村智里奥宮山497。
現在の祭神:天八意思兼命、天表春命
小野神社
(おのじんじゃ)
東京都多摩市一之宮1-18-8。
現在の祭神:天下春命
■アヨミタマ
タカギの7男で、オモヒカネ・フトタマ・クシタマ・アヒミタマ・イクタマの弟です。▶系図
旧事記には “天月神命/月神命、壱岐県主らの祖” と記されます。
箱崎八幡神社
(はこざきはちまんじんじゃ)
長崎県壱岐市芦辺町箱崎釘ノ尾触823。
祭神:〈月読神社〉天月神命、〈高御祖神社〉高皇産霊命
■八房の出車 (やふさのいでぐるま)
霊鳥の出車、八房輿、八房車、御幸輿
などの換言です。
【概意】
サノヒコネはスクナヒコナの子。コトユヒコはハラキネの御子。
ウワハルはヤツココロの子。シタハルはウワハルの弟。
アヨミタマはタカギの7子。すべて32守。
八房の出車の御子を、みな乗り馬で守り行く。
―――――――――――――――――――――――――――――
ふそゐのはとお ゐつともの まもるみやつこ
あまつまら かんみのやさこ あかまろは つくはそそのこ
あかうらは しほもりのふこ まうらとは やますみのゐこ
あかほしは かつてのおとと このゐたり
―――――――――――――――――――――――――――――
二十五のハトを 五伴の 守るミヤツコ
アマツマラ カンミの玄孫 アカマロは ツクバソソの子
アカウラは シホモリの二子 マウラとは ヤマスミの五子
アカホシは カツテの弟 この五人
―――――――――――――――――――――――――――――
■二十五のハトを五伴 (ふそゐのはとおゐつとも)
「小臣25人を一班とした5班」 という意味です。
★ハト (▽侍人)
ハツ(泊つ)の名詞形で、「合わせ・付き」
が原義です。「侍る人・仕える人」 をいいますが、
臣/守/モノノベ に比べて、「下級のモノノベ・小臣」 を
“ハト” と呼ぶようです。 ▶小臣
★伴 (とも)
トモ(伴)は この場合は
「まとまり・グループ・チーム・組・班」 を意味します。
■ミヤツコ
ミヤは ミユ(見ゆ)の名詞形で、「合わせ・結び・まとめ」
などの意です。
ツコは ツカ(束)の変態で、「束ね」
を意味します。ですからミヤの同義語です。
よってミヤツコは
「合せ束ねる者・結い統べる者・司る者」
を意味しますが、
ここでは 一班25人のハトを統べる 「班長」 をいいます。
ミヤツコ(造)も同じ意味ですが、なぜ
“造” と当てたのでしょう。
“束” か “司” にすべきでした。
■アマツマラ
カンミ(=ヤソキネ)の玄孫です。
旧事記は 天津麻良
と記しますが、後出する “マウラ” との混同が見えます。
立岩神社 (たていわじんじゃ)
徳島県徳島市多家良町立岩。
現在の祭神:天津麻羅
■アカマロ ■ツクバソソ
“ツクバソソ” は 「筑波山周辺を治める地守」
と考えられます。
アマテルの東局の乙下侍ソガ姫は
ツクバハヤマの娘でしたが、
ソソは ハヤマの子だろうと思います。
ツクバハヤマ┬ツクバソソ─アカマロ └ソガ姫
“アカマロ” は ツクバソソの子ですが、
旧事記は “天都赤麻良(あまつあかまら)、曽曽笠縫(そそのかさぬい)らの祖”
と記しており、
親と子を混同しているようです。
■アカウラ ■シホモリ
“シホモリ”
については手がかりがありませんが、「塩守」
の意だとすれば、
シホカマ(塩釜の守)/シホカミ(塩守)と同一かも知れません。
“アカウラ” はシホモリの次男です。旧事記は 天津赤占 と記します。
■マウラ
オオヤマズミ2代 カグツミの5男で、カグヤマ・カンタマの弟です。 ▶系図
後に3代オオヤマズミとなります。旧事記は 天津真浦
と記します。
■アカホシ ■カツテ
“カツテ”
はヒトコトヌシの子で、斎名はヤスヒコです。
“アカホシ” は カツテの弟です。旧事記は 天津赤星
と記します。
ソサノヲ─ヒトコトヌシ┐ ├─ヤスヒコ(カツテ) ├─アカホシ スヱツミ─ヤスタマ姫─┘
赤星神社
(あかほしじんじゃ)
福岡県久留米市高良内町759。
現在の祭神:天津赤星 (筑紫弦田物部の祖)
【概意】
小臣25人を一班とした5班を守る班長。
アマツマラはカンミムスビの玄孫。アカマロはツクバソソの子。
アカウラはシホモリの2子。マウラとはヤマスミの5子。
アカホシはカツテの弟。この5人である。
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おおものぬしは ゐつくみの ものへふそゐお ひきそふて
ともひとすへて やもむそよ
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オオモノヌシは 五組の モノベ二十五を 引き添ふて
供人すべて 八百六十四
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イサナギ ┌ソサノヲ─オホナムチ (初代モノヌシ) ├──-┤ ├───クシヒコ (2代モノヌシ) ┌イサナミ └アマテル──タケコ │ │ ├──ミホヒコ (3代モノヌシ) │ │ トヨケ┴ヤソキネ──タカキネ───────ミホツ姫
■五組のモノベ二十五 (ゐつくみのものべふそゐ)
“二十五のハトを五伴”
の換言で、「5班のモノベ25人」 という意味です。 ▶モノベ
■引き添ふ (ひきそふ)
ヒク(引く)は 「率いる・導く」 の意、ソフ(添ふ)は
「添え合わす・まとめる」 の意。
ですから 「率いてまとめる・統率する」
などの意となります。
【概意】
オオモノヌシは5組のモノベ25人を統率して、供人は総勢864人であった。
本日は以上です。それではまた!