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一から学ぶ ほつまつたえ講座 第101回 [2024.1.1]
第十九巻上 乗り法 一貫間の文 (1)
著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com
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のりのりひとぬきまのあや (その1)
乗り法 一貫間の文 https://gejirin.com/hotuma19-1.html
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のりのりひとぬきまのあや
ふたかみの みよのよわひも やすらかに
をうみのたかに ゐまさんと
みこわかひとに あまてらす ひつきおゆつり ますときに
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乗り法 一貫間の文
二尊の 御世の齢も 安らかに
近江のタガに 居まさんと
御子ワカヒトに 和照らす 日月を譲り ます時に
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■乗り (のり) ■乗り法 (のりのり)
特に指定がない場合、ノリ(乗り)は
「馬に乗ること・乗馬」 をいいます。
ですから ノリノリ(乗り法) は 「馬の乗り方・乗馬法」
です。
■一貫間 (ひとぬきま)
本文中で説明します。
■御世の齢 (みよのよわひ)
ミヨ(▽和・▽御世)は
「合わせ・統べ・まとめ」 などが原義で、
ここでは 「(国家の) 統治」 を意味します。
ヨワヒ(齢)は
「経過・成り行き・進展・熟成・老熟」 などが原義です。
ですから 「国家統治の成り行き・経過」
などの意となります。
■近江 (をうみ・あふみ)
「中央・中心」 を意味する地名で、アワ(▽和)国、ヤス(▽和・安)
などの換言です。
場所は現在の滋賀県ですが、アワウミ(▽和海・淡海
=琵琶湖) とは区別されます。
オフ/アフ(合ふ)+ウム/フム(▽和む・績む / 踏む)
の同義語短縮 “オウム・アフム” の
名詞形です。「釣り合うさま」
を表し、釣り合う位置である 「中心・中央」
を意味します。
ホツマは 「中心・中央」 を意味する場合には、おおかた
“ヲ” の表記を用います。
■タガ (▽治曲・多賀)
全国を巡幸して各地に宮を構えた二尊も、タガが最後の宮となります。
■居まさん・坐さん (ゐまさん)
ヰ(‘居る’ の連用形)+マス(尊敬)+ン(意思) で、
ヰマス(在す・坐す)は
オワス(御座す・在す)
の変態です。
この場合は 御子ワカヒトに皇位を譲って 「隠居しよう」
という意味です。
退位して隠居することを 下り居、退位後の宮を 下り居の宮 といいます。
■ワカヒト
■和照らす日月 (あまてらすひつき)
“和して恵る日月”
の換言で、「君主・皇位・またその地位」 を表します。
和照る日月、和照る君、和照らす君、和つ日月、和つ君
などとも呼ばれます。
天が下 和して恵る 日月こそ 晴れて明るき 民の父母なり 〈ホ7ー4〉
【概意】
乗り法 一貫間の文
二尊の国家統治の成り行きも安らかで、近江の多賀におわさんと、
御子ワカヒトに “和照らす日月” を譲ります時に、
実は
この時点でイサナミは生きているのか?という大きな疑問があります。
イサナミは紀州クマノで
自分が生んだカグツチの火に焼かれ、アリマに葬られて
いますから (ホ5-2)、ここに言う “二尊” は イサナキ1人である可能性が高いです。
そうなると イサナキ/イサナミに対する “フタカミ”
という尊称は、単に
「二人の尊・夫婦の尊」
という意味だけではない、ということになりますが、
これについては27アヤで再考察したいと思います。
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ひたりのとみは おもいかね みきさくらうち
かなさきは ひおうつします ゑをやとみ
かたはうけもち をはしりは むまやをさめそ
きみとみと こころひとつに つかさとれ
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「左の臣は オモイカネ 右サクラウチ
カナサキは 日を写します 上老臣
カダはウケモチ ヲバシリは 馬屋治めぞ
君 臣と 心一つに 司れ」
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■左の臣 (ひだりのとみ・たのとみ) ■鏡の臣 (かがみのとみ) ■ヤタ臣
(やたをみ)
「皇のすぐ左に侍る臣」 の意で、「最側近の臣」
をいいます。 ▶ひだり ▶た
この臣は 天と地(神と人)を結ぶ アメノマツリ(陽陰の纏り)
を主な任務とします。
今風に言えば、いわゆる 「祭祀」 です。
アマテルが三種の宝を定めてからは、“鏡の臣”
“ヤタ臣” とも呼ばれるようになります。
日本では、日が発する 「左=東」 が、日の没する 「右=西」 より上位となります。
■オモイカネ・オモヒカネ
■右 (みぎ) ■右の臣 (みぎのとみ) ■モノヌシ ■剣の臣
(つるぎのとみ) ■垣臣 (かきをみ)
「皇のすぐ右に侍る臣」 の意で、「第2側近の臣」
をいいます。 ▶みぎ
行政全般を司ることを任務とし、モノヌシ
とも呼ばれます。
アマテルが三種の宝を定めてからは、“剣の臣”
“垣臣” とも呼ばれるようになります。
■カナサキ
■日を写します上老臣 (ひおうつしますゑをやとみ)
「日の神がその威光をお写しになる」 という意です。 ▶写し日
これは 「アマテルの代理として地を照らす」
ことを意味し、
この場合は ツキスミ(=九州)
を治めることをいいます。
またカナサキは “スミヨロシ 尊”
のヲシテと 御衣の末 賜ふ
「ツクシの 民 統べて 結ひ治むべし 我が代り」 〈ホ8-9〉
そのためカナサキは、古事記では 宇都志日金折命(うつしひかなさく) と記されます。
★上老臣 (ゑをやとみ)
ヱ(上)+ヲヤ(▽老・▽上・祖)+トミ(臣)
で、「老熟の臣」 を意味します。
ヱヲヤは ウヲヤ(大老)
の変態です。
■ウケモチ (▽活茂)
このウケモチは中央政府における閣僚名で、今で言えば
「農業大臣」 です。
■ヲバシリ (▽馬領り)
トヨケの孫で、タケミカツチの父です。
ヲバ(▽馬)+シリ(領り) で 「馬を治める者」
という意です。 ▶領る
ヲバは ムマ(馬)・ウマ(馬)・オマ(馬)
などの変態です。
┌フツヌシ ??┤ └アサカ姫┐ ├──アマノコヤネ ツハヤムスビ─??─ヰチヂ─┘ │ │ トヨケ─??─ヲバシリ─タケミカツチ─ヒメ
■馬屋治め (むまやをさめ)
「馬屋(厩)を治める者」
という意で、ヲバシリ(馬領り)の換言です。
■心一つに (こころひとつに)
「君と臣が心を一つにして」 という意で、“睦まじく”
と同義となります。
新たな国君の即位の礼において、先帝が新帝に必ず告げる重要な言葉です。
後にアマテルは皇位継承の証しとして三種の宝を定めますが、
新帝と左/右の臣に三種を分けて授けます。
これは “君と臣が永く一つに和すように”
という意を込めたものです。
この故に 三種を分けて 授く意は “永く一つに 和る”
由を
文に記して 御手づから 文を御孫に 授けます 〈ホ24〉
【概意】
「左の臣はオモイカネ。右はサクラウチ。
カナサキは日を写します上老臣。
カダはウケモチ。ヲバシリは馬屋治めぞ。
君と臣、心を一つにして民を司れ。」 と御言宣。
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ときにをはしり ひたかみの みやにもふてて みちこえは
とよけのかみの をしゑには
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時にヲバシリ ヒタカミの 宮に詣でて 道 乞えば
トヨケの尊の 教えには
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■道 (みち)
「馬の道・馬術の道」 をいい、“乗り法”
の換言です。
■トヨケ
ヲバシリの祖父です。
【概意】
時にヲバシリはヒタカミの宮に詣でて、
馬の道を乞えば、トヨケの尊の教えには、
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のりはちみちお つねとなす
まこにたつなお ひかせおき むまのみきより ふみのほり
しくやすくらの あふみなわ まちにゐきあけ
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乗りは地道を 常となす
馬子に手綱を 引かせ置き 馬の右より 踏み上り
敷く安鞍の 鐙縄 襠に居木上げ
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■地道 (ぢみち)
「締まった道・手堅い道・確かな道」
などの意で、基本となる乗馬法です。
ヂミ(地味)+ミチ(道)
の短縮で、ヂミ(地味)は シム(締む)の変態
“チム” の名詞形です。
■馬子 (まご)
マ(馬)+コ(▽飼) で、「馬飼い・馬の世話をする者」
をいいます。
コは コフ(飼ふ・交ふ・支ふ)の名詞形の短縮です。
■手綱 (たづな)
轡につなげた綱で、これを操作して馬を制御します。 ▶画像
クツハヅナ(轡綱)とも呼ばれます。
■踏み上る (ふみのぼる)
フミオル(踏み降る)
の逆です。
■安鞍・和す鞍 (やすくら)
「やわす鞍」
の意で、馬の背を傷つけないように、サドルの下に敷く柔らかな敷物です。
後世は 下鞍(したぐら)
と呼ばれます。 ▶画像
★鞍・座・蔵・臓・▽位 (くら)
ククル(括る)・クラブ(比ぶ) などの母動詞 “クル”
の名詞形で、
「合わせ・凝り・梱り・固定」 などが原義です。
鞍・座・蔵・位は 「何かを括り付ける物/所」、臓は
「凝固したもの」 を意味します。
■鐙縄 (あぶみなわ)
「鐙を吊す縄」 です。後世は 力革(ちからがわ)
と呼ばれます。 ▶画像
★あぶみ (鐙)
辞書は
「足踏み」 の意といいますが、違うと考えています。 ▶画像
★縄 (なわ)
ナフ(綯ふ・▽和ふ)の名詞形です。
■襠 (まち)
マタ(叉・股・胯)の変態で、「合わせ・交わり・交わる所」
などが原義です。
この場合は、馬の背のまん中の少し凹んだ部分 (首部と臀部の間)
をいいます。 ▶画像
■居木
(ゐき)
ヰク(▽結く)の名詞形で、「(人体を) 結うもの」
という意です。
後世に言う 鞍橋(くらぼね)
全体を、ホツマは “ヰキ” と呼んでいるようです。
平たく言えば 人が腰掛ける 「椅子・サドル・座席」
です。 ▶画像
【概意】
乗馬は “地道” を 常となす。
馬飼に手綱を引かせておき 馬の右側より踏み上り、
安鞍を敷いて、鐙縄を付けて、襠に居木を上げ、
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こころみて ももとはるひの ゆるみあひ
こしすえのりて やわやわと
むまのあしとり いきすあひ あわすかなめの のりのりそ
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試みて 腿と腹帯の 緩み・合ひ
腰据え乗りて やわやわと
馬の足取り イキス相 合わす要の 乗り法ぞ
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■試みる (こころみる)
ココル(▽回転る)+ミル(見る) の連結で、「回してみる」
を原義とし、
実際に 「動かしてみる・運転してみる・やってみる」
ことをいいます。
ココルは コク(転く・漕ぐ)+コル(転る)
の短縮で、
コルは コロガル(転がる)の母動詞。両語とも 「回る/回す」
が原義です。
■腿 (もも)
これは 「馬に乗る人の腿」 をいいます。
■腹帯 (はるび)
ハラオビの音便変化で、「鞍を固定するため、馬の腹に括る帯」
をいいます。 ▶画像
人のハラオビ(孕帯)と区別するため
“はるび” と呼ぶのだろうと考えます。
■緩み・合ひ (ゆるみあひ)
“合ひ” は ここでは 「締まり」 の意です。ですから
「緩みと締まり」 という意です。
■やわやわ (▽和々)
「融和するさま・調和するさま」 を表します。
【概意】
実際に乗って動かし、人の腿と腹帯の “緩みと締まり”
<具合を見て>、
腰を据えて乗り、やわやわと馬の足取りと人の呼吸を同調させる
肝要の乗り法ぞ。
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つねにこころお うへきなり むまはうまれて ものしらす
あたはしるとき のりおつそ かねてをしゑは かなふもの
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常に心を 得べきなり 馬は生れて もの知らず
熱走る時 乗り落つぞ 兼ねて教えば 適ふもの
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■熱走る (あだはしる)
アダは アツ(熱)の変態です。ですから
「熱走する・熱狂して走る・暴走する」 などの意です。
★走る (はしる)
カク/カケル(駆く/駆ける)の同義語で、2つの意味があります。
(1) ハス+シル の同義語短縮で、ハスは アス(明す)の変態、シルは
スル(擦る)の変態。
両語とも 「行き来する・まわる・めぐる」
が原義で、「行く・伝わる・通じる」 などの意。
これが本来の意味で、その速さ・遅さには関わりがありません。
(2) スバシル、ツッパシル、タバシル
などの略で、「素早く行く・ハッスルする」 の意。
現在はこの意味に用いられることが多くなっています。
カク/カケル(駆く/駆ける)もまったく同じで、この2つの意味があります。
■兼ねて (かねて)
ここでは 「重ねて」 の意です。
【概意】
常に馬の心を得るべきなり。
馬は生れて物事を知らぬため、暴走する時に乗り落ちるぞ。
重ねて教えれば適応するものである。
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またいつのりは はせるとき
しとなめくらお しきおひて はるひゆるめす
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また厳乗りは 馳せる時
下滑鞍を 敷き置ひて 腹帯緩めず
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■厳乗り (いつのり)
イツ(厳・稜威)+ノリ(乗り)
で、最速かつ最高技術の乗馬法です。
■馳せる (はせる)
ハス(馳す)の連体形で、「勢いづける・急がす・ハッスルさせる」
が原義です。
■下滑鞍 (しとなめくら)・下滑 (しとなめ)
シトは シタ(下)の変態、ナメ(滑・▽和)は
「やわし・和らげ」 の意です。
「居木の下に敷く座布団」
で、高速走行時の衝撃を和らげるクッションとして用います。
後世には 鞍褥(あんじょく)
と呼ばれます。 ▶画像
★しと (垂と・▽下・▽湿)
シツ(垂づ)の名詞形で、「下がるさま・落ちるさま・勢いのないさま」
などが原義です。
シツ(垂つ) は “下” “しとしと” “しっとり”
“しずしず” などの母動詞です。
★なめ (嘗・滑・▽和)
ナム(並む・舐む・▽和む)の名詞形で、「合い合わすさま・まとめ・やわし・纏り」、
また 「舐めたようなさま・なめらか・やわらか」
の意を表します。
【概意】
また厳乗りは、早駆けの時には下嘗鞍を敷き置き、腹帯は緩めず。
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ひちよけの たれかわうはと なるゆえは
はせゆくみちに なかくほの こみそにゆきて
あふみにて そのたれかわお うちあおつ
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泥除けの 垂皮 浮羽と なる故は
馳せ行く道に 中窪の 小溝に行きて
鐙にて その垂皮を 打ち煽つ
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■泥除け (ひぢよけ)
馬の腹の両脇を覆う泥よけ具です。 ▶画像
後世には “障泥・泥障”
と書いて あおり と呼ばれるようになりますが、
その由来がこれから説明されます。
泥 (ひぢ)
ヒツ(漬づ・沾づ)の名詞形で、「下がるさま・沈むさま・没するさま」
が原義です。
天地創造の過程で下った
「陰・水と埴」を意味し、ウビ(泥)
の同義語です。
■垂皮 (たれかわ)
「垂れ下げた皮」 という意で、上の “泥除け”
のことをいいます。
カワ(皮・革)は 「表面を覆うもの・カバー」
全般をいい、その材種は関係ありません。
■浮羽 (うば)
ウフ(▽上ふ・▽浮ふ)の名詞形で、「浮き上がらせるもの」
が原義です。
ウハの短縮形が ウ(羽) であり、また ハ(羽)
なのだろうと思います。
“浮羽” は筆者の宛字です。
■中窪 (なかくぼ)
「道のまん中が凹んでいるさま」 をいうのでしょう。
■打ち煽つ (うちあおつ)
泥除けの垂皮を 「鐙で蹴って浮き上がらせる」
という意です。
アオツ(煽つ)は
アオル(煽る)・アオグ(煽ぐ) の同義語で、
「上げる・勢いづける・栄す・活性化する」
などが原義です。
後世はこれを “あおりを打つ”
と呼ぶようになります。
【概意】
泥除けの垂皮が浮羽となるわけは、
走り行く道に中窪の小溝に行った時、鐙でその垂皮を打ち煽つ。
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うちあおたれて かせふくみ はねとなるとき とひこさす
たとひとふとも のるひとの ゆくりなけれは あえとはす
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打ち煽たれて 風含み 羽となる時 跳び越さす
たとひ跳ぶとも 乗る人の ゆくり無ければ あえ跳ばず
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■羽 (はね)
ハヌ(跳ぬ)の名詞形です。
ハヌは ここでは 「バタバタする/させる・跳ぶ/跳ばす・飛ぶ/飛ばす」
などの意です。
ちなみに トバス(飛ばす)の変態 “ツバス” の名詞形が
ツバサ(翼) です。
■ゆくり
(縁)
ユカリ(縁)の変態で、「結びつき・交わり・関わり」
などが原義です。
この場合は 「合図・意志の伝達・GOサイン」
などをいいます。
■あえ跳ばず (あえとばず)
ここでは 「跳べない・跳躍できない」
という意となります。 ▶あえ
【概意】
打ち煽られて風を含み、羽となる時に跳び越さす。
跳ぶと言っても、乗る人の合図がなければ馬は跳べない。
本日は以上です。それではまた!