⇦前の講座          目次           次の講座⇨ 

 

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

一から学ぶ ほつまつたえ講座 第52回 [2023.9.27]

第十巻 カシマ直ち 連り鯛の文 (4)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 かしまたちつりたいのあや (その4)
 カシマ直ち 連り鯛の文 https://gejirin.com/hotuma10.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

―――――――――――――――――――――――――――――
 このたひは たかみむすひの とみかれお
 のそくかとての かしまたち 
 はにすきまつる かみはかり
―――――――――――――――――――――――――――――
 この度は タカミムスビの 臣枯れを
 除く門出の カシマ直ち
 埴 直き纏る 守諮り

―――――――――――――――――――――――――――――

タカミムスビ
7代タカミムスビの タカキネ です。タカミムスビ はヒタカミ国の統治者を指す役名ですが、
タカキネは カフノトノ(代の殿) という役職に就任し、病弱の和つ君 オシホミミ に代わり、
近江の多賀で中央の政を執っています。 ▶和つ君
この間ヒタカミは、タカキネの代嗣子 ヨロマロ(後出) がタカミムスビの職務を代行しています。

 クニトコタチ─クニサツチ┐
   (I)     (II)  │
 ┌───────────┘
 ├トヨクンヌ─ウビチニ┬ツノクヰ─オモタル
 │ (III)    (IV) │  (V)   (VI)    ┌クラキネ
 │          │           ├ココリ姫
 │          └アメヨロツ┬アワナキ─┴イサナキ┐
 │          (養子)↑  └サクナキ   (VII) ├ヒルコ
 │             └─────┐       ├アマテル─オシホミミ
 ├ハコクニ─東のトコタチ┬アメカガミ─アメヨロツ    ├ツキヨミ
 │      (初代)  │               ├ソサノヲ
 └ウケモチ       └タカミムスビ─トヨケ┬イサナミ┘
               (2〜4代)   (5代)├ヤソキネ─タカキネ┬オモヒカネ
                        │ (6代)   (7代) ├ヨロマロ
                        ├カンサヒ     ├フトタマ
                        └ツハモノヌシ   ├タクハタチチ姫
                                  └ミホツ姫


■臣枯れ (とみがれ)
「臣としての落ちぶれ・醜態・恥辱」 などの意です。
これは、君の代理として国家の政を司る “代の殿” のタカキネが、
過去3度イヅモを正すことに失敗していることをいいます。


■門出 (かどで・かどいで)
カドデ は「門を出ること・出発」という意ですが、
「角・才が出ること・開運」 という意を常に含みます。 ▶角 ▶才
ここでは後者の意味合いが強いようです。

 ★門 (かど)
 カツ(糅つ) の名詞形で、カツ() の変態です。
 「合わせ・締め・閉じ・くくり」 などが原義です。


カシマ直ち (かしまたち)

■埴 (はに)
「下・地・土」 を意味し、この場合は 「天下・国土」 を表します。


■直き纏る (すきまつる)
スグ(直ぐ)+マツル(纏る) の連結で、「直し治める・まっすぐに調える」 などの意です。
スグ は スグ(直ぐ:形容動詞・副詞) の母動詞です。単独の動詞としては現在残っていません。

 

【概意】
この度はタカミムスビの臣枯れを除く命運をかけたカシマ直ち。
天下を直し調える守諮り。



―――――――――――――――――――――――――――――
 ふつぬしよしと みないえは たけみかつちか すすみいて
 あにたたひとり ふつぬしか まさりてわれは まさらんや
 たかきいさみの みかつちや ふつぬしそえて かしまたち

―――――――――――――――――――――――――――――
 「フツヌシ良し」 と 皆 言えば タケミカツチが 進み出で
 「あに唯一人 フツヌシが 優りて我は 優らんや」
 タカギ 「勇みの ミカツチや」 フツヌシ副えて カシマ直ち

―――――――――――――――――――――――――――――

フツヌシ
この人物の出自・素性について ホツマには記述がなく、誰の子かわかりません。
また子孫も無かったようです。日本書紀に 経津主神 と記されます。

ヰソラミチ の軍を敗り、また ヰツナミチモノマ に対しては
ツハモノヌシタケミカツチ と共に、史上初の 霊還し を実行しました。
アマテルは それらの功に対し カトリ尊 の尊名を授け、ホツマ国 の治めを任せます。
フツヌシ は 「ホツマ国の主」 という語義です。

 香取神宮 (かとりじんぐう)
 下総国香取郡。千葉県香取市香取1697。
 現在の祭神:経津主大神

フツヌシの妹 アサカ姫 は、大和国 春日県 を治める ココトムスビ にとつぎ、
カスガマロ(=アマノコヤネ: 斎名ワカヒコ) を生みます。

            ┌フツヌシ
         ??──┤
            └アサカ姫┐
                 ├─アマノコヤネ (幼名カスガマロ 斎名ワカヒコ)
 ツハヤムスビ──??───ヰチチ─┘
           (ココトムスビ)
            (カスガ殿)


■タケミカツチ
以前アマテルに国絵を描くように命じられた、ヒノハヤヒコ の別名です。
記紀には 健御雷神/武甕槌命 と記されます。

ヰツナミチ の軍を破り、その モノマ に対しては ツハモノヌシフツヌシ と共に、
史上初の 霊還し を実行しました。
アマテルは それらの功に対し、カフツチ(曲槌) カナイシツチ(要石槌) を賜い、
タケモノヌシ(武モノノベの主) に任じます。

 トヨケ──??──ヲバシリ──タケミカツチ

 鹿島神宮 (かしまじんぐう)
 常陸国鹿島郡。茨城県鹿嶋市宮中2306-1
 現在の祭神:武甕槌大神


あに (豈)
ナニ(何) の変態で、ここでは 「なんで?・どうして?」 の意を表します。


■優らんや (まさらんや)
‘ん’ は 打消の ‘ぬ’ の音便。「や」 は疑問詞です。
ですから ”あに” に導かれて、「なんで優らぬか?」 という意を表します。

 ★ん
 ‘ん’ は、推量/意志/勧誘の意にも使われますが、それは打消の反語から発展したものです。
 この例で言えば、「どうして優らぬか?」 → 「優るだろう」 と、打消が推量に転じます。


タカギ
7代タカミムスビ ”タカキネ” の略形です。

 

【概意】
「フツヌシが良い」 と皆が言えば、タケミカツチが進み出て、
「どうしてフツヌシばかりが一人が優れて、我は優れぬのか」 と。
タカギは 「ミカツチの勇ましさよ」 と、ミカツチにフツヌシを副えてカシマ直ち。



―――――――――――――――――――――――――――――
 いつもきつきに かふつちの つるきおうえて うつくまり
 なちりとふなり みほこりて あさむくみちお
 ならさんと われらつかふそ そのこころ ままやいなやや

―――――――――――――――――――――――――――――
 イヅモキツキに 曲治の 剣を植えて うづくまり
 なぢり問ふなり 「みほこりて あざむく道を
 平さんと 我ら仕ふぞ その心 随や否やや」

―――――――――――――――――――――――――――――

■キツキ (屹き)
形容詞 キツシ(‘きつい’ の古形) の連体形が名詞化したもので、屹然(きつぜん) と同義です。
「高いさま・高みにあるさま・そびえるさま」 などが原義で、「高み・中心・都」 の換言です。
この場合は イヅモ国の 「中心・都/宮・政庁」 を意味します。

 キツキ (=出雲の都) の跡が、神魂神社 と考えています。
 後に移転されますが、キツキ(杵築) の宮名は そのまま引き継がれたと推測しています。

 神魂神社 (かもすじんじゃ)
 島根県松江市大庭町563。 
 現在の祭神:伊弉冊大神、伊弉諾大神
 ・大庭大宮(オウバオウミヤ) とも呼ばれ、出雲国造の大祖の天穂日命が
  この地に天降られて御創建。斉明天皇の勅により出雲大社が成るや、
  杵築(出雲大社) へ移住したる。


曲治の剣 (かふつちのつるぎ)

■剣を植ゆ (つるぎをうゆ)
これは 「大地に剣を突き刺す」 ことをいいます。

 現在でも 地鎮祭 では 鍬や鋤を土に入れたり、鎮物を埋めたり するのですが、
 精錬した金属 (地から採取される粗金を精げたもの) を埴に戻し入れることで、
 穢れた土地をも精げる効果があると考えられていたようです。
 ですから ”剣を植える” という行動は、先出の ”埴 直き纏る” のモノザネとして
 行ったものと考えていいでしょう。


なぢり問ふ (なぢりとふ・なじりとふ)

■みほこる
ミ(‘見る’ の連用形)+ホコル(誇る) の短縮で、「充ちて至る・結んで実る・成功する」 などの意です。

 ミル(見る) は 「合わす」 が原義で、ここでは 「結ぶ・充ちる・実る」 などの意。
 ホコル は ホク(祝ぐ・寿ぐ)+コル(▽高る・▽甲る) の短縮で、オコル(怒る/驕る)、
 アガル(上がる) などの変態。「高まる・勢いづく・栄える・熟す・至る」 などが原義です。


■あざむく道を平す (あざむくみちおならす)
アザムク(欺く) は 「曲げる・逸らす・いつわる」 などが原義。ナラス(平す)
「(凸凹を) 平らにする」 ことをいい、「治める・調える・直す・正す」 と同じです。
ですから 「曲った道を正す」 という意で、“カシマ直ち” と同義です。

 ★あざむく (欺く)
 アス(褪す)+ムク(向く・剥く) の連結で、アス は ウス(失す) の変態。
 ムク は マク(撒く・曲ぐ) の変態。両語とも 「離す・逸らす・外す・曲げる」 などが原義です。


■随や否やや (ままやいなやや)
「受け入れるか否むか・服従か拒否か」 という意です。 ▶まま ▶いなや

 

【概意】
イヅモの宮に “曲治の剣” を突き立て、座り込んで詰め寄る。
「おごり高ぶって曲げたる道を正さんため我らは仕えるぞ。その心、服従か拒否か?」



―――――――――――――――――――――――――――――
 おほなむち こたゑとわんと
 みほさきの つりえききすの いなせはき
 あめのこたえお とふときに ことしろぬしか ゑみすかほ
 われすすかにて たらちねに 

―――――――――――――――――――――――――――――
 オホナムチ 応え 問わんと
 ミホサキの 連へキギスの イナセハギ
 天の応えを 問ふ時に コトシロヌシが 笑みす顔
 「我 スズカにて」 タラチネに

―――――――――――――――――――――――――――――

■ミホサキ
「中の区・中枢部・上方(かみがた)・都」 などの意です。

 ★みほ (美保・三保・美穂・三穂 …)
 ミホ は ミフ(▽見ふ) の名詞形で、「合い/合せ」 を原義として、「合・和・中・間」 などの
 意を表します。この場合は ヤス(和) の換言で、「中央・中央政府・都」 を意味します。

 ★さき (▽割・先崎 …)
 この サキ は サク(割く) の名詞形で、「分け・仕切り・区分・方向」 などを意味します。
 サキ(前)  さきっぽ” の意ではなく、サカ(境) の変態であるため、注意が必要です。


“ミホサキ” は地名としても登場し、それは今に言う 美保関(みほのせき) を指すと思われます。

 釣舟よりぞ ミホサキの ワニ得てここに 着くことも 御胤思えば 〈ホ26-2〉

それゆえ “ミホサキの連り” は “美保関の釣り” と解釈されて、「コトシロヌシが美保関で鯛を
釣っていた」 と信じられ、それにより美保関に 美保神社 が建てられたと考えています。

 美保神社 (みほじんじゃ)
 出雲国島根郡。島根県松江市美保関町美保関608。
 現在の祭神:事代主神、三穂津姫命

この後に “鉤の鯛” “ヱミスタヰ” の話も出てくるので無理もありませんが、中央政府方に
あって国政を司るクシヒコが、このとき美保関で釣りをしていたとは考えにくいため、
ここに言う ミホサキ と、島根半島東端の 美保関 とに 直接の関係は無いと見ています。


■連 (つり)
ツル(連る) の名詞形で、ツレ(連れ) の変態です。「連なること/もの」 を意味します。
この場合は 「オオモノヌシに連なる者・補佐代理・副官」 をいい、コトシロヌシ
クシヒコ
を指します。

 ツリ(連) は ムラジ(連) の換言です。
 なお ツリ(連り) と ツリ(釣り) は同源ですが、ツリ(吊り) は原義が異なります。

 ★連 (むらじ)
 ムル(群る)アス(▽圧す) の短縮 “ムラス” の名詞形で、
 「群れ寄る者・付き添う物・連なり続く者」 などが原義です。


キギス・キジ (雉子)

■イナセハギ (否然接ぎ)
オホナムチ が クシヒコ に飛ばした キギス(伝令使) の名です。
これは 「否然を取り次ぐ者」という語義ですが、日本書紀は 稲背脛 と記します。
イナセ(否然) は “随や否やや” の換言で、ハギ(接ぎ) は ツギ(接ぎ・継ぎ) と同じです。
この人物も 「神使」 の名で 美保神社 に祀られています。

 美保神社 (みほじんじゃ)
 出雲国島根郡。島根県松江市美保関町美保関608。
 神使社祭神:稲脊脛命


コトシロヌシ
クシヒコ を指します。

  ソサノヲ┐      
      ├──オホナムチ──┐┌─クシヒコ
  イナタ姫┘ (オオモノヌシ) ││(コトシロヌシ)
                ├┤
  アマテル┐         │├─タカコ
      ├──タケコ────┘└─タカヒコネ
  ハヤコ─┘


■笑みす顔 (ゑみすかほ)
「円満な顔・にっこり笑う顔」 をいいます。このため クシヒコ は “ヱビス” の別名を持ち、
七福神 ヱビス様 のモデルです。今は 恵比須顔 と呼ばれます。 ▶画像

 ★笑みす (ゑみす)・恵比須 (ゑびす)
 ヱム(笑む・▽会む)+ミス(見す・▽充す) の名詞形で、両語とも 「合わす」 が原義です。
 「充足するさま・満ち足りるさま」 を表します。


■スズカ (濯か・涼か・清か)
心が 「濯がれた状態・涼やかな状態」 をいい、
曲りなくまっすぐで、「偏りのない心・執着のない心」 を意味します。
スズカ にはさらなる意味がありますが、それついては13アヤで説かれます。

 スス+カ(▽如・▽然) で、スス は ススグ(濯ぐ) の母動詞。
 「まわる・めぐる・もとに還る・あらたまる」 などが原義です。


タラチネ

 

【概意】
オホナムチは対応を相談しようと、
中央政府方にいる自分の副官に、イナセハギを伝令使として飛ばす。
そこで御上への対応を問ふ時に、コトシロヌシの笑す顔。
「我は心すずやかなれば」 と、タラチネに、



―――――――――――――――――――――――――――――
 ほろろなけとも ちのたゐそ さかなときるも おろかなり
 たかまはたみの ゑみすたゐ いとかけまくそ みことのり
 わかちちさらは もろともの かえことなせは

―――――――――――――――――――――――――――――
 『ホロロ泣けども 鉤の鯛ぞ 肴と切るも 愚かなり
 タカマは民の 笑す尊 いとかけまくぞ 御言宣
 我が父退らば 諸共』の 返言なせば

―――――――――――――――――――――――――――――

ホロロ
悲嘆を表す擬音語 (泣き声) です。ホロロ は ホロリ の変態で、
ホロホロ
/ ボロボロ / ポロポロ と 「くずれ落ちるさま」 を表します。


■鉤の鯛 (ちのたゐ)
「釣り針にかけられた鯛・泳がせ釣り の餌の鯛」 という意で、ツリタイ(連り鯛) の換言です。
泳がされているだけで、結局は釣り針から逃れられない 餌魚の運命を表しますが、これを
御上 に従って奉仕する臣の境遇」 になぞらえます。“鯛” を泳がせ釣りの餌にすることは
実際にはあまりないと思いますが、これは 「高位の臣・尊」 の喩えです。

 ★鉤 (ち)
 「釣り針」 をいいます。チ(鉤) は サツ(▽擦つ) の名詞形 “サチ” の略で、
 「往き来・やりとり・返り/返し」 などが原義です。
 釣り針には抜け防止のため “かえし” というものが付いていますが、これが チ(鉤) です。

 ★鯛・▽尊 (たい・たゐ)
 タフトブ(尊ぶ・貴ぶ) の母動詞 “タフ” の名詞形で、
 妙(たえ・たゑ)
タマ(尊・霊) の変態。「高きさま・上にあるさま」 が原義です。
 ゆえに 魚の “鯛” は 「上等な魚・高貴な魚・尊い魚」 を意味します。


■肴と切るも愚かなり (さかなときるもおろかなり)
釣り人(=御上) に逆らって 「自らを酒のつまみに切るも愚かなり」 という意です。

 ★肴・▽酒和 (さかな)
 サカ(酒)+ナ(▽和・▽並) で、「酒のお供・酒のつまみ」 の意です。
 ナ は ナム(並む・▽和む) の名詞形の短縮で、「合わせ・添え・伴」 が原義です。

 ★愚か (おろか)
 オル(折る/下る)カ(▽如・▽然) で、
 「それる如し・曲る如し・脱落する如し」 などの意です。


タカマ
ここでは 「御上・中心・中央政府・皇」 などを意味します。天(あめ) と同じです。


■民の笑す尊 (たみのゑみすたゐ)
「民がにっこりする尊き存在」 という意味です。


■いと
イタ(▽甚・▽至) の変態で、「いたく・至って・はなはだ」 などの意です。


■かけまく
辞書にはありませんが、“カケマシ” という形容詞の連用形で、
カケマシ は カシコシ(畏し・恐し) と同義です。
形容詞の連用形は “近く・遠く・多く・早く” などのように、名詞化する場合があります。
これも名詞化した例で、「尊いさま・畏きさま・おそれ多いさま」 を意味します。

 カケマシ は カケム+シ(如・然) で、カケム は カク(▽上く)+ケム(▽上む) の同義語短縮。
 カク は カグ(香・迦具) の母動詞、ケム は ケム(煙・烟) の母動詞で、
 どちらも 「上がる・のぼる・立ち上る」 などが原義です。


御言宣 (みことのり)
この場合は特に、代の殿 タカキネによる “カシマ直ち” の御言宣を指します。


■退る (さる)
この サル は、シリゾク(退く) の母動詞 “シル” の変態・同義なので、“退る” と当てました。

 

【概意】
『ホロロ泣いても、我ら臣は所詮 釣り針にかけられた鯛ぞ。
 <釣り人 (=御上) に逆らって> 自ら酒のつまみに切るも愚かなり。
 御上は民がにっこりする尊い存在。その御言宣は甚だ畏きものぞ。
 父が退くならば、我も共に』との返言をなせば、

 

本日は以上です。それではまた!

 

⇦前の講座          目次           次の講座⇨