_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
一から学ぶ ほつまつたえ講座 第55回 [2023.10.1]
第十巻 カシマ直ち 連り鯛の文 (7)
著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
かしまたちつりたいのあや (その7)
カシマ直ち 連り鯛の文 https://gejirin.com/hotuma10.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
―――――――――――――――――――――――――――――
みよものぬしみこのなうた
こもりこの あにはかんたち つきつみは よしのみこもり
よつはよて つきはちはやひ こせつひこ ななはならひこ
―――――――――――――――――――――――――――――
三代モノヌシ御子の名歌
コモリ子の 兄はカンタチ 次ツミハ ヨシノミコモリ
四つはヨテ 次はチハヤヒ コセツヒコ 七はナラヒコ
―――――――――――――――――――――――――――――
3代オオモノヌシとなった コモリ尊
(斎名ミホヒコ) の御子36名を詠む数え歌です。 ▶モノヌシ
┌─────────┐ ├9.タケフツ ├10.チシロ ├8.ヤサカヒコ ├11.ミノシマ(ミゾクイ) ├7.ナラヒコ ├12.オオタ ├6.コセツヒコ ├13.イワクラ ├5.チハヤヒ ├14.ウタミワケ ├4.ヨテヒコ ├15.ミコモリ ├3.ヨシノミコモリ ├16.サギス スヱツミ─イクタマヨリ姫 ├2.ツミハ ├17.クワウチ ├──────┴1.カンタチ └18.オトマロ クシヒコ──コモリ ├──────┬1.モト姫 ┌18.トヨリ姫 アチハセ─シラタマ姫 ├2.タマネ姫 ├17.アワナリ姫 ├3.イソヨリ姫 ├16.ワカネ姫 ├4.ムレノ姫 ├15.ハザクラ姫 ├5.ミハオリ姫 ├14.アサ姫 ├6.スセリ姫 ├13.ムメチル姫 ├7.ミタラシ姫 ├12.ハモミ姫 ├8.ヤヱコ姫 ├11.ミチツル姫 ├9.コユルキ姫 ├10.シモト姫 └─────────┘
神足神社
(こうたりじんじゃ)
山城国乙訓郡。京都府長岡京市東神足2-5。
現在の祭神:天神立命
■ツミハ (次男)
コモリの コトシロヌシ
となり、積羽八重事代主(つみはやゑことしろぬし)
と呼ばれます。
ヒコホオデミの時代には、弟の タケフツ と共に四国24県を治めます。〈ホ27〉
弟ミゾクイの タマクシ姫
を娶って、クシミカタマ・クシナシ・タタライスズ姫
を生み、〈ホ27〉
帰天後、神武天皇より “ヱミス神” の名を賜ります。〈ホ29〉
金刀比羅宮 (ことひらぐう)
香川県仲多度郡琴平町字川西892番地1。
現在の祭神:大物主神
境内社 事知神社(ことしりじんじゃ):積羽八重事代主神
■ヨシノミコモリ (3男)
名前以外の記事はありません。
■ヨテ・ヨテヒコ (4男)
先代旧事本紀には 天世平命/天世手命
と記されます。
御孫テルヒコの32人の重臣の一人として大和国に随行し、アスカの宮に仕えます。〈ホ20〉
大麻神社 (おおさじんじゃ)
讃岐国多度郡。香川県善通寺市大麻町上ノ村山241。
現在の祭神:天太玉命 配 天世手命、ほか29神
■チハヤヒ (5男)
先代旧事本紀には 乳速日命
と記されます。
御孫テルヒコの32人の重臣の一人として大和国に随行し、アスカの宮に仕えます。〈ホ20〉
知波夜比古神社
(ちはやひこじんじゃ)
備後国三谿郡。広島県三次市三良坂町三良坂1077-1。
現在の祭神:知波夜比古神、市杵嶋姫命
・三次市高杉町にも同名の社あり。
■コセツヒコ (6男)
名前以外の記事はありませんが、この人の神霊を祀ると思われる社が存在します。
許世都比古命神社
(こせつひこのみことじんじゃ)
大和国高市郡。奈良県高市郡明日香村越555。
現在の祭神:許世都比古命
■ナラヒコ (7男)
名前以外の記事はありません。
―――――――――――――――――――――――――――――
やさかひこ ここはたけふつ そはちしろ そひはみのしま
そふおおた つきはいわくら うたみわけ つきのみこもり
そむさきす つきはくわうち おとまろそ
―――――――――――――――――――――――――――――
ヤサカヒコ 九はタケフツ 十はチシロ 十一はミノシマ
十二オオタ 次はイワクラ ウタミワケ 次のミコモリ
十六サキス 次はクワウチ オトマロぞ
―――――――――――――――――――――――――――――
続きです。
■ヤサカヒコ (8男)
先代旧事本紀には 天八坂彦命、伊勢神麻績連の祖と記されます。
御孫テルヒコの32人の重臣の一人として大和国に随行し、アスカの宮に仕えます。〈ホ20〉
神麻続機殿神社
(かんおみはたどのじんじゃ)
伊勢国多気郡。三重県松阪市井口中町字井出ノ里675。
現在の祭神:天八坂彦命
・【延喜式神名帳】麻続神社。御機殿(八尋殿)の鎮守の神をおまつりしているが、
古く麻績(おみ)氏がおまつりしていた社である。
■タケフツ (9男)
ヒコホオデミの時代に、兄のツミハと共に四国24県を治めます。〈ホ27〉
建布都神社
(たけふつじんじゃ)
阿波国阿波郡。徳島県阿波市市場町香美郷社本18。
現在の祭神:建布都神
■チシロ (10男)
名前以外の記事はありません。
■ミノシマ・ミシマ (11男)
ミゾクイ、ミシマミゾクイ とも呼ばれ、記紀では 三島湟咋/三嶋溝咋耳
などと記されます。
御孫ニニキネ の八州巡りに御供し、近江高島の
クマ野・ヨロギ野 を田にするため、
弟のオオタと共に池・川を掘ります。〈ホ24〉
ヒコホオデミの時代には、オシクモ・ヒタカヒコと共にホツマ国の政を執ります。〈ホ27〉
娘のタマクシ姫は
兄ツミハの妻となって、クシミカタマ・クシナシ・タタライスズ姫を
生みます。〈ホ27〉
箕島神社 (みしまじんじゃ)
近江国高島郡。滋賀県高島市安曇川町三尾里558。
現在の祭神:事代主命
<筆者注> 事代主命(=ツミハ)とミシマは混同され、取り違えられている場合が多く、
もともとの祭神はミシマだと考えられます。
溝咋神社 (みぞくいじんじゃ)
摂津国島下郡。大阪府茨木市五十鈴町9-21。
現在の祭神 (本殿):溝咋玉櫛媛命、媛蹈鞴五十鈴媛命
(相殿):三島溝咋耳命、天日方奇日方命、ほか
■オオタ (12男)
御孫ニニキネ の八州巡りに御供し、近江高島の
クマ野・ヨロギ野 を田にするため、
兄ミシマと共に池・川を掘り、また山背に ヒロサワ池(京都市右京区)
を掘ります。〈ホ24〉
ウガヤの帰天後は、副モノヌシとして 日向代殿 (後の神武天皇)
に侍ります。〈ホ28〉
太田神社 (おおたじんじゃ)
近江国高島郡。滋賀県高島市安曇川町青柳。
現在の祭神:太田神
■イワクラ (13男)
ウガヤの時代に、高野の森に隠れ住む タマヨリ姫
を迎えに行きます。(しかし姫は応じず)
またウガヤが筑紫に御幸している間は、宮内の 「局預り」
を務めます。〈ホ27〉
巨勢山坐石椋孫神社
(こせやまにいますいわくらひこじんじゃ)
大和国高市郡。奈良県橿原市鳥屋町998。
現在の祭神:石椋孫神 (いわくらひこのかみ)
・鳥居の額は「巨勢山坐石椋孫神社」となっており。地図では石椋神社となっている。
地元では春日神社と称している。
■ウタミワケ (14男) ■ミコモリ (15男) ■サキス (16男)
■クワウチ (17男) ■オトマロ (18男)
名前以外の記事はありません。
―――――――――――――――――――――――――――――
ひひめはもとめ たまねひめ いそよりひめに むれのひめ
みはおりひめや すせりひめ みたらしひめに やゑこひめ
こゆるきひめに しもとひめ みちつるひめや はもみひめ
―――――――――――――――――――――――――――――
一姫はモト姫 タマネ姫 イソヨリ姫に ムレノ姫
ミハオリ姫や スセリ姫 ミタラシ姫に ヤヱコ姫
コユルキ姫に シモト姫 ミチツル姫や ハモミ姫
―――――――――――――――――――――――――――――
ここからは18姫の名です。
■モト姫 (長女:もとめ)
ヒコホオデミ(斎名:ウツキネ)の 典侍
となります。〈ホ27〉
■タマネ姫 (次女:たまねひめ)
ヒコホオデミの兄 ホノアカリ(斎名ムメヒト) の 内宮
となり、
クニテルとタケテルを生みます。〈ホ27〉クニテルはニギハヤヒの斎名です。
■イソヨリ姫 (3女:いそよりひめ)
ヒコホオデミの 内侍
となります。ミヅハメの社に隠遁するトヨタマ姫に、
ヒコホオデミの歌を伝える使者となりますが〈ホ26〉そのことが縁となり、
後にカモタケズミの妻に下されます。カモタケズミとの間にタマヨリ姫を儲け〈ホ27〉
帰天後はカモタケズミとペアで “河合の神”
と贈り名されます。〈ホ27〉
娘のタマヨリ姫はウガヤの妻に召されて、タケヒト(神武天皇)を生みます。〈ホ27〉
賀茂御祖神社
(かもみおやじんじゃ)
山城国愛宕郡。京都府京都市左京区下鴨泉川町59。
現在の祭神:玉依媛命、賀茂建角身命
摂社 河合神社:玉依姫命
<筆者注> 本来の祭神は、賀茂御祖神社は
ウガヤとタマヨリ姫、
河合神社は カモタケズミとイソヨリ姫
と考えられます。
■ムレノ姫 (4女:むれのひめ) ■ミハオリ姫 (5女:みはおりひめ)
名前以外の記事はありません。
■スセリ姫 (6女:すせりひめ)
ヒコホオデミの兄ホノススミ(斎名:サクラギ)の妻となり、ウツヒコを生みます。〈ホ27〉
ウツヒコは おそらくですがシイネツヒコの斎名です。
■ミタラシ姫 (7女:みたらしひめ) ■ヤヱコ姫 (8女:やゑこひめ)
■コユルキ姫 (9女:こゆるきひめ) ■シモト姫 (10女:しもとひめ)
■ミチツル姫 (11女:みちつるひめ) ■ハモミ姫 (12女:はもみひめ)
名前以外の記事はありません。
―――――――――――――――――――――――――――――
むめちるひめに あさひめや はさくらひめと わかねひめ
あわなりひめと とよりひめ すへみそむかみ こたからそこれ
―――――――――――――――――――――――――――――
ムメチル姫に アサ姫や ハサクラ姫と ワカネ姫
アワナリ姫と トヨリ姫 総三十六尊 子宝ぞこれ
―――――――――――――――――――――――――――――
続きです。
■ムメチル姫 (13女:むめちるひめ)
名前以外の記事はありません。
■アサ姫 (14女:あさひめ)
ニニキネの時代に ヨロギの国(=央国)
を治めていたツエの妻となります。
越国からの帰りに通りがかったコモリから、養蚕と絹織物の製法を教わり、
それを民に伝授すると大いに振興して、“コヱ国”
とも呼ばれるようになり、
ツエ夫婦はクシヒコの神霊を纏って国の鎮守とします。〈ホ24〉
都恵神社 (つえじんじゃ)
近江国犬上郡。滋賀県彦根市竹ヶ鼻町256。
現在の祭神:大国主神 配 事代主神
<筆者注> 大国主神と事代主神は
どちらもクシヒコを指すものと思います。
■ハサクラ姫 (15女:はさくらひめ) ■ワカネ姫 (16女:わかねひめ)
■アワナリ姫 (17女:あわなりひめ) ■トヨリ姫 (18女:とよりひめ)
名前以外の記事はありません。
―――――――――――――――――――――――――――――
かつてかみ よつきゑるうた
かつらきの ひとことぬしか すゑつみか やすたまとうむ
かつきまろ いみなやすひこ
―――――――――――――――――――――――――――――
カツテ尊 代継ぎ得る歌
カツラギの ヒトコトヌシが スヱツミが ヤスタマと生む
カツキマロ 斎名ヤスヒコ
―――――――――――――――――――――――――――――
■カツテ尊 (かつてかみ)
ヒトコトヌシ
の代嗣子 ヤスヒコ が、アマテルより賜った尊名です。
この名の由来については14文で語られます。
ソサノヲ─ヒトコトヌシ┐ ├─カツテ(斎名ヤスヒコ) スヱツミ─ヤスタマ姫─┘
■代継ぎ (よつぎ)
「代を継ぐこと」 を意味し、ここでは 「家伝・家法
の継承」を表します。
(「代を継ぐ者」 を意味する “ヨツギ” は、当講座では “代嗣”
と表記します)
★ヨ (節・代・▽結・▽治・▽家)
ミユ(見ゆ) の名詞形 “ミヨ”
の略で、「合わせ・集まり・まとめ」 などを原義とし、
「まとまり・囲み・治め・家・系統・節・区間」
などを表します。
■カツラギ・カダキ・カツキ (葛城)
カツラ(葛)+キ(城・▽限) で、「葛城の県」 をいいます。
カダキ(葛城)、カツキ(葛城)、クズ(葛・国栖)、コセ(巨勢・居勢・古瀬・御所)
などとも換言されます。京都の カドノ(葛野)
も語義は同じです。
★葛・桂・鬘 (カツラ) ★葛・活
(かつ・かだ・くず・かど)
★城・▽限 (き・ぎ)
キリ(切り・限り)
の短縮で、「かぎり・区切り・区画・領域」
を意味します。
多く アガタ(県)
の換言として用いられます。
■ヒトコトヌシ・ヒコトヌシ
ソサノヲとイナタ姫の5男で、葛城県の知行者です。
ソサノヲ┐┌オオヤヒコ ├┼オオヤヒメ イナタ姫┘├ツマツ姫 ├コトヤソ ├オホナムチ ├ヒトコトヌシ ├オオトシクラムスビ └スセリ姫
葛城一言主神社
(かつらぎひとことぬしじんじゃ)
大和国葛上郡。奈良県御所市森脇432。
現在の祭神:葛城一言主大神
■スヱツミ
娘の イクタマヨリ姫 は ミホヒコ(=コモリ) の妻に、
ヤスタマ姫 は ヒトコトヌシ の妻となります。
■ヤスタマ
スヱツミの娘で、ヒトコトヌシの妻となり、カツキマロ
を生みます。
■カツキマロ ■ヤスヒコ
ヒトコトヌシとヤスタマ姫の子で、幼名
カツキマロ、斎名
ヤスヒコです。
カツキ は カツラギ(葛城) の別名です。
ソサノヲ┬オホナムチ─クシヒコ─コモリ ┌カンタチ │ ├──────┴ツミハ 他16男子 │ スヱツミ┬イクタマヨリ姫 │ │ │ └ヤスタマ姫 │ ├───────ヤスヒコ(カツテ) └──────────ヒトコトヌシ
【概意】
カツテ尊が継承を得る歌
葛城のヒトコトヌシが、スヱツミの娘ヤスタマ姫と生む
カツキマロの斎名ヤスヒコは、
―――――――――――――――――――――――――――――
みほひこと こことむすひの つたゑうけ
みうちにおれは ををんかみ をしてたまわる かつてかみ
これもよつきの うたのみちかな
―――――――――――――――――――――――――――――
ミホヒコと ココトムスビの 伝え受け
御内に居れば 大御神 ヲシテ賜わる カツテ尊
これも代継ぎの ウタの道かな
―――――――――――――――――――――――――――――
■ミホヒコ
コモリ尊
の斎名です。
■ココトムスビ
アマノコヤネの父 ヰチチ
の尊名です。
霊還し
の方法論を完成した功により、アマテルよりこの名を賜ります。
興台産霊神・興澄魂神・居々登魂命
などと記されます。
┌フツヌシ ??┤ └アサカ姫┐ ├─アマノコヤネ ツハヤムスビ─??─ヰチチ─┘
■御内に居る (みうちにおる)
ミ(御) は カミ(上・神) の略、ウチ(内) は
「内部・内輪・近間」 を意味し、
この場合は 「アマテルの近間に居る」
という意味で、それはつまり
「アマテルの 内臣
として イサワの宮 に侍る」
ということです。
■ヲシテ・オシテ (押手)
■ウタの道 (うたのみち)
この場合は 「伝えの道・伝承の方法」 という意味です。
通常、家伝や家法は “親から子へ” 伝えられますが、
ミホヒコ と ココトムスビ から伝授された カツテ
のように、
“親から子へ”
以外にも、伝承の道があるということを言ってます。
★ウタ (歌・▽訴)
ウタタネ(転寝) の ウタ
と同源で、「まわし・往き来・返し・伝え・通し」
などが原義です。
ですから ウタ(歌・▽訴) は
「伝え・言い分を世に通すこと」 という意味です。
ウタ は ウツ の名詞形で、ウツ は オツ(復つ)
の変態。いずれも
「回る/回す・往き来する/させる・返る/返す・伝わる/伝える」
などが原義です。
【概意】
ミホヒコとココトムスビより、その家法の伝えを受けて
御内に侍れば、大御神より “カツテ尊” の称号を賜わる。
これも代継ぎであり、伝承の道の一つかな。
本日は以上です。それではまた!