とく  トク  toku

  

【着く・融く・説く・解く・(常く)】
A: 合う/合わす。交じる/交ぜる。収(治)まる/収(治)める。連なる/連ねる。和らぐ/和す。直る/直す。

『はやたまのをか わたしても とけぬおもむき ときむすふ ことさかのをそ』ホ2
『したつゆお すえはたかひに うちとけて』
ホ4
『もろこふときに おもひかね これときいわく』ホ5
『たかひこの いかりとかんと みちかうた よみてさとせり』ホ10
『いせおこふ かすかとくなり いもをせは やもよろうちの わかちなく』ホ13
『いまきくすすか わかゐみな きみたまわれと わけしらす またときたまえ』ホ13
『こたえとく すすはまさかき ほすゑのひ としにきなかの むよろほき』ホ13
『をきなうなつき くしひこか いさめのすすか いまとけり くるしみはなに』ホ13
『かすかとく むかしとよけの みことのり われみよおしる』ホ13
『またとふたから さることは かすかまたとくホ13
『あめとふるなり さむかせに ゆきとこほれと をにとけるホ15
『かししはくさく をもみたれ とくはあらひみ うるとなも』ホ15
『をやこころ とけぬみほつめ こもりたら』ホ17
『まつしるむまの うまれつき あらましとかん』ホ192
『まうらふとまに あきにとる こちにひもとけ つみのかる』ホ20
『たみおみたらは そのつかさ あらためかえて かれおとく ゆえからふなる』ホ21
『ふかくおもえと またとけす いまやふやくに これおしる』ホ23
『このうたに うらみのなんた とけおちて きもにこたえの かちはたし』ホ24
『そのわけときて まつろわす いささわけえは ひこさしま こしくにおたす』ホ32
『きみとけす まてにとふいま わらんへか かまはたはなに』ホ37
『ことよきににて あたらすそ しかときくへし これとかん』ホ39
『これとけす つみにおつるお いふきかみ ひきてかみとす』ホ40
『みかさやに あまのこやねの とくふみは たてにぬきおる まつりこと』ミ1
『かれにいまとく よかのはた したえはういに みおをさむ』ミ1
『これすみよしの ゐかすりお をこぬのかみの とくのりと』ミ8
『いまさらかみの みことのり うけてさたむる みちとけは』ミ7
『そのときひるこ またとけす むかしふたかみ うみませし』ミ10
『あきにとは こちにひもとけ つみのかる つくみこころの はるそきにける』フあきに

 
変態:「たく(抱く・食く)」「つく(付く・告ぐ・着く・継ぐ・築く)」「のく(残く)
派生語:「とこ(融/床/常)」「さねとこ(添融)」「ところ(野老)

 
 

【解く・退く・(突く)】
B: 離れる/離す。分く。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。

『たまかえしせは ひとならん さきにまかるも をおときて ひとにうまるそ』ホ8
『かたまろか みなときゆるし わらなわお さわになわせて』ホ8
『よろものきれと たまかえし みたれをとけは かみとなる ここちかすかと』ホ8
『かはねのみやに かんくらお もふせはをとけ ひとなるそ』ホ13
『たまかえし なせはをとけて みやにいる なさねはなかく くるしむそ』ホ13
『たまかえし なさはくるしむ たまのをも とけてむねかみ みなもとへ』ホ13
『ときにゑむ はるなむはたれ さきのつみ ゆりてもとけぬ おのかむね』ホ17
『もしあやまりて ころさるも かたきおとれは をおとくと』ホ23
『はまにうなたれ うれふとき かりわなにおつ これおとくホ25
『ほあけともつな ときはなつ つくしうましの はまにつく』ホ25
『おおわにお しかのうらより つなときて はやちにきたの つにつきて』ホ26
『きみみつからに ゆひおとき そのうたよめは』ホ26
『つるきときおき かろんして いたるかみちに にきてなく』ホ40
ときおくつるき まつのねに おきわすれしか なからえり かれにあけうた』ホ40

 
変態:「つく(突く・吐く)」「そく(削ぐ・濯ぐ)」「のく(退く)
派生語:「とか(咎)」「ときわ(常磐)」「とかむ(咎む)」「とき(時)」「とこ(処方・所)」「ところ(所)」「いとけ(幼)

 
 

【(搗く)】
C: 回る/回す。行き来する/させる。通る/通す。渡る/渡す。

変態:「つく(搗く)
派生語:「ととく(届く)

 
 

【研ぐ・利く・鋭く・疾く・遂ぐ・(篤く)】
D: 正の方向に離れる/離す。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・早まる・至る」

『ひとのねちけの ときすくれ こりゑてむつの はたれなる』ホ8
『みきはををやま かくつみの ときしくかくの いわひうた』ホ14
『すへてちやそに めくりとけ ややみとりこの なりそなふ』ホ14
『かさりより おこりになりて ときはかる はてははたれの くにみたれ』ホ23
『このかねりとに みことのり なんちかやいは よくときそ』ホ23
『ほつきなか みめにとくつき いものこの さわおいわいて』ミ7
『はつきなかより みめのとく にたこもちつき ゐもはつき』ミ9
『ふたそめて さとしおしえん にのみちも とかねはくもる』ミ10

 
類語:「たく(焚く・長く)」「つく(突く・尽く)」「のく(仰く)」「そく(急く)
派生語:「とこ(疾)」「とき(時めき)」「とき (
利・鋭・疾・研ぎ・鬨)」「とし (利し・鋭し・疾し)」「をとこ(男)」「とけ(棘)」「ととく(届く)」「ところ(野老)

 
 

【(下く)・退く】
E: 負の方向に離れる/離す。「低まる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」

変態:「つく(尽く)」「さく(下ぐ)」「のく(退く)」「そく(退く・殺ぐ)
派生語:「とこ(床)」「とか(咎)」「とかむ(咎む)」「しとき(粢)

  
 

【(研・利・鋭・疾・遂)・篤・得・特】
正の方向に離れるさま。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・早まる・至る」さま

『いまのてにはに なつらえて かたちとわさと そのあちお とくとゑされは』ミ序

 
「とく(研ぐ・疾く・遂ぐ・篤く)」の名詞化。
また「とし(利し・鋭し・疾し・篤し)」の連用形の名詞化。

変態:「とき(研・利・鋭・疾・鬨)」「とけ(棘)

  

10/03/18

  

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