いぬ  イヌ  inu
ゐぬ  ヰヌ  winu

  

【和ぬ・結ぬ・入ぬ・居ぬ)】
A: 合う/合わす。収(治)まる/収(治)める。在る/在らす。現る/現す。向かう。

『あなにゑや うましおとめに あいぬとき』ホ3
『をはちちにゑて はおいたけ めはははにゑて あとゐねよ』ホ7

 
変態:「ゆふ(結う)」「うむ(績む)」「あふ(合う)」「いる(入る・居る)」「うゆ(植ゆ)」「える(得る)」「おふ(負う)」「よふ(呼ぶ)」「よむ(読む)
派生語:「いのる(祈る)」「いな(和・結)」「いなき(稲置)」「しらいぬ(領結/白狗)」「いなる(結成る)

 
 

【去ぬ・(否ぬ・忌ぬ・厭ぬ)】
B: 離れる/離す。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。

いなはほとんと うつろゐの もりやはなれん』ホ21
『たちまちに はふむしいにて いなくさは やはりみのりて わかかえる』ミ逸

 
変態:「ゆふ(言う)」「ある(散る)」「いる(射る)」「うる(売る)」「える(彫る)」「よむ(詠む)
派生語:「とりゐ(鳥居)」「いな(否・辞)」「いなむ(辞む)」「いなき(稲城)」「いなす(往なす)」「いなさ(風)

 
 

【往ぬ】
C: 行く。入出する/させる。通る/通す。回る/回す。

『あなにゑや うましおとめに あいぬとき』ホ3
『おとめにと ななねにあたる くにいつね とめはみつねの あいぬなり』
ミ10

 
変態:「ゆる(揺る)」「ふる(振る)」「よる(撚る)」「うる(売る)」「おる(折る)
派生語:「とりゐぬ(躍り往ぬ)」「いなおり(居直り)

 
 

【(上ぬ・活ぬ・斎ぬ)・往ぬ】
D: 正の方向に離れる/離す。「高まる・勢い付く・栄る・先行する・熟れる・優れる・中心にある・至る・過ぎる」

変態:「いむ(斎む)」「いる(鋳る)」「うる(熟る)」「うむ(熟む)」「える(選る)」「えむ(笑む)」「をゆ(老ゆ)
派生語:「いね(稲)」「いのち(命)」「いにし(往にし)」「いにしえ(古)

  
 

【寝ぬ・(忌ぬ・卑ぬ・劣ぬ・下ぬ・穢ぬ)】
E: 負の方向に離れる/離す。「低まる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」

『わらんへいねて おそわれは おのこおのこと たなこなて』ホ18
『おきつとり かもつくしまに わかいねし いもはわすらし よのことことも』ホ26
『さきにさゆりの はなみとて きみのみゆきは さゆかわに ひとよいねます』ホ31
『ゐかねあゑ きみこときれて ものいわす ゐねますことし』ホ34

 
変態:「あゆ(零ゆ)」「ある(粗る)」「いぬ(寝ぬ)」「うゆ(飢ゆ)」「えふ(酔う)」「おむ(怖む)」「やむ(病む)
派生語:「いな(忌・穢・厭・嫌)」「いぬ(狗)」「ゐの(猪)」「いね(寝)

  
 

【(卑・忌・劣・愚・穢)・犬・狗・猪】
負の方向に離れるさま。「低まる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」さま

『へにねせの みめはいねころ えのいぬお なつはにすてて いねやおきらん』フへねせ

 ●人に劣る生き物。獣。 特に犬。

『かたちはまさる かほはいぬ そのもときけは むかしはは まさるにとつき』ホ8
『ひますのものま あゐぬかけ ほのほものかれ』ホ8
『そのわさに うめるたからお たたこひて くらふいぬこそ あのつみよ』ホ13
『たとひいそらも たついぬも ひしくここちて はんへりき』ホ17
『これかみの みこにをしゑて いたわりお しらねはかみは とりゐぬそ』ホ21
『しかいぬちより ひとひとり たけみなかたの のりなりと』ホ32
いぬとりはむお きこしめし あわれにおほす みことのり』ホ37
『たにはみかそか いゑのいぬ なはあしゆきか くひころす』ホ37
『かみのしらいぬ みちひきて みのにいつれは たけひこも』ホ39

 
「いぬ(忌ぬ・劣ぬ・下ぬ・穢ぬ)」の名詞化
ここでは「E: 負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「低まる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」などの意。

変態:「ゑぬ(狗)」「ゑの(犬)」「おの(劣)」「ゐの(猪)」「おろ(愚)」
類語:「けもの(獣)」「けたもの(獣)」「おのこ(狗)」「しし(獣)
派生語:「あゐぬ(天狗)

  

10/02/25

  

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