いなき  イナキ  inaki
ゐなき  ヰナキ  winaki

  

【(否ぎ・否垣)・稲城】
離し。放ち。払い。拒み。限り。
●(敵の進撃を)拒む垣。防御柵。

『ときにさほひこ いなきなし かたくふせきて くたりゑす』ホ35
『みこいたき いなきにいれは みことのり きさきとみこお たすへしと』ホ35

 
「いなく」の名詞化。
「いなく」は「いぬ(否ぬ・辞ぬ)」と「なく(投く・退く)」の合成。
ここでは「B: 離す・放つ・払う・限る」などの意。

類語:「ふせぎ(防ぎ)」「しろ(城)

 
 

【(辞限)・稲置】
分かれ。別。限り。区分。区画。 =あれ(粗)

『いしうらの よこたておよひ たこゐなき ちちかいなきお ひきつれて』ホ38

 
いな(辞)」+「き(限・城)
どちらも 「離れ・分かれ・別・限り・区分・区画」 の意。

【稲置】いなぎ −広辞苑より−
大和朝廷時代の下級地方官。
隋書東夷伝に「八十戸置一伊尼翼(いなぎ)如今里長也。十伊尼翼属一軍尼(くに)」とある。

  

10/08/19

  

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