隈野。曲野。熊野。
「汚穢・隈の所」の意。
一般名詞としても、固有名詞としても使われる。
固有地名としてのクマノは、神倉山 (和歌山県新宮市磐盾)
の麓の地と思われ、ここは特にミクマノ(御隈野)と呼ばれる。
ソサノヲはイサナミが生理中の交わりで孕んだので、その汚穢隈がソサノヲに宿って世の隈となる。イサナミは我が身の汚穢が原因であると責任を感じ、「隈の宮」となってその隈を身に受けようとした。そのイサナミの最期の場所がクマノ(隈野)。イサナミは「隈の神」と贈り名される。
京都府京都市右京区嵯峨愛宕町、愛宕
(アタゴ) 神社
和歌山県新宮市新宮、神倉
(カミクラ) 神社
和歌山県新宮市新宮、熊野速玉 (クマノハヤタマ)
大社
★『熊野那智大社の由緒』「熊野」という地名は「隈の処」という語源から発しているといわれている。
『この二柱 生む殿は アマのハラミと ツクバ山 淡路 ツキスミ 隈野なりけり』3文
『イカルカの 宮に移りて その翌時 大殿に四方を 望む折 領庭山に カラス飛ぶ
隈野と思ひ 宮遷し』20文
『カグヤマも言ふ "隈野現る 翌時移せば 好き例し すでに極まる"』20文
隈野。曲野。
ダメな土地。不毛の地。
八州を巡るニニキネ一行は、アワ海西岸の高島に着く。その地のクマ野とヨロギ野を開墾しようと、コモリの子のオオタとミシマ
(ミゾクイ) に池・川を建設させる。
高島市新旭町に熊野本という地名が残る。
滋賀県高島市新旭町太田、太田 (オオタ)
神社
『到るタカシマ ささなみの 桜も好しと 折り髪挿し 隈野・蹌踉野 田にせんと オオタ・ミシマが 池・川 成す』24文
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