ぬく  ヌク  nuku

  

【貫く・抜く・(和く・緯く・縫く・温く)】
A: 合う/合わす。引く。結ぶ。紡ぐ。交わる/交える。渡す。和らぐ/和す。

変態:「なく(和ぐ)」「ねく(祈ぐ・労ぐ)」「うく(受く)」「ふく(葺く・拭く)」「むく(向く)
派生語:「ぬか(和・額)」「ぬき(和・温・貫・緯)」「つらぬく(貫く)」「ぬかつく(和付く)

 
 

【抜く・脱ぐ・(退く)】
B: 離れる/離す。放つ。払う。出す。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。

『とよけみつから みそきして やちくらちきり ぬきんつる いつち』ホ4
『かみぬきひとつ つめもぬき またととかねは ころすとき』ホ7
『みなそのしむお ぬきとりて わさにもゑつく おこりひの』ホ8
『しむみちも ゐそらゐつなも ちおぬきて おしてにちかひ しほあひて』ホ8
『あめのおそれの みのかさも ぬかてやすまん』ホ9
『すへこそむあや そなわりて そふにゑなぬき うまるなり』ホ14
『つるきおぬきて うちころし かえことなせは ををんかみ』
『またまゆふくみ いとぬきて こかゐのみちも をしゆれは』ホ15
『ちゐものあしも みなぬきて たとなしたみも にきはえは』ホ23
『ふものかは しまにさすらす みけたかは かみつめぬきて いれすみし』ホ23
『ををんかみ かみことのりは あわのかす へてもおぬきて まつりきく』ホ26
『たかくらしたは たちぬかす みなまつろえは みことのり』ホ31
『みこのもは よそやにぬきて とみととむ むとせたつまて みあえなす』ホ32
『あにはきたちお ぬきおきて みつあひよへは おともまま』ホ34
『ゐいりねも あかりてあにか きたちはく あにたちぬきて きりかくる』ホ34
ぬかれぬたちに ゐいりねは やみやみふちに きえうせぬ よにうたふうた』ホ34
『かんかしひめは ひとのかみ みつかひききて しつやまの さかきおぬきて』ホ38
『こうすきみ はたのつるきお ぬきもちて たけるかむねお さしとほす』ホ38
『そらなるものは ちちきけと みのみはしらお ゆきぬけて』ミ1
『みはわたぬきて つきなかは さひらきまつる ゐなるかみ』ミ7
『ほそちちのわに ぬけつくる みなのはらひそ』ミ7
『なかわたぬきて つきすえは あおひかつらの めをまつり』ミ9

 
変態:「なく(投ぐ)」「にく(逃く)」「のく(退く)」「うく(穿く)」「ふく(吹く)」「むく(剥く)
派生語:「まぬかる(免る)」「こぬか(小糠)」「ぬけみち(抜け道)

 
 

【貫く・抜く】
C: 行き来する/させる。通る/通す。

にまぬけて あまかみひるお わけくたし わかこころうる みちなるは』ホ14
『よこへにわけて つうちひく かひぬきなけて をさめくる』
ホ23
『こしのほらあな ほりぬけて しなのにてれは これおつく』
ホ28
『いさかわに みそきのわぬけ みやにいつ みうえのとみは かみまつる』ホ31
『ももにちまつる ちのわぬけ ゐそらおはらふ みなつきや』ミ9

 
変態:「なく(撫く・擦く)」「あく(明く)」「おく(送く)」「わく(環く)」「まく(巻く)」「めく(巡く)

 
 

【貫く・(温く・熟く)】
D: 正の方向に離れる/離す。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」

『さくとこに ひきあけさしむ わらにたす はひらおぬきて なまこなす』ホ28

 
変態:「のく(仰く)」「うく(浮く)」「ふく(噴く)」「むく(向く)」「ゆく(行く)

 
 

【(退く)】
E: 負の方向に離れる/離す。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・沈む・隅にある・果てる」

変態:「のく(退く)」「とく(退く)
派生語:「たぬき(狸)

  

10/03/03

  

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