【(和つ・安つ・治つ・養つ)】
A: 合う/合わす。収(治)まる/収(治)める。和らぐ/和らげる。守る。調える。養う。
| 『またやのたみめ やしろなる いまみやとのに たみおたす やつはやかたそ』ホ17 『ちかかたにある やつなたお めしてさほひこ うたしむる』ホ35 |
変態：「あつ(当つ)」「なつ(撫つ)」「はつ(泊つ)」「まつ(交づ)」「ゆす(結す)」「よす(寄す)」
派生語：「やとる(宿る)」「みやつ(宮津)」「やつこ(奴)」「やと(宿)」「やた(八咫)」「やつめ(和統)」
【(離つ・遣つ)】
B: 離れる/離す。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。
変態：「なす(鳴す)」「はつ(外づ)」「ます(申す)」「ゆす(濯す)」「よす(止す)」「よつ(捩つ)」
【(弥つ・上つ・敬つ・熱つ・栄つ・央つ)】
D:
正の方向に離れる/離す。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」
変態：「あす(填す)」「なす(成す)」「はす(馳す)」「ます(増す)」「まつ(全つ)」
派生語：「はやち(早ち)」「やた(弥・熟)」「みやつ(雅つ)」「やつみみ(敬斎)」
【窶つ・(休つ・賤つ・穢つ・嫌つ)】
E:
負の方向に離れる/離す。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」
変態：「あす(褪す)」「はつ(恥づ)」「まつ(拙づ・貧づ)」「やす(痩す)」「わす(忘す)」
派生語：「やつかれ(僕)」「やつ(僕・奴)」
【僕・奴】
D: 負の方向に離れるさま/者。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」さま/者
| 『すへらきみ やつらはなふり そろりには たけたたまはる なんのこと』ホ39 |
「やつ(卑つ・賤つ)」の名詞化。
変態：「やた(八田)」
類語：「やつかれ(僕)」「ゑた(穢多)」「をた(穢泥)」
【八】
| 『さをしかやつの をんみみに きこしめさるる あさまつり』ホ序 『ときにくすひか くまのかみ まねけはからす やつきたる』ホ8 『たとえふとくと やつゐゐの わりあひかかゑ たまふへし』ホ192 『ちはやひは よてのおとゐこ やさかひこ こもりのやつこ』ホ20 『あわくにの やにいてやしま しらすれは やはやつならす』ホ23 『やつみねに ゐゆきたえねは よよのなも とよゐゆきやま』ホ24 『やつをんみみに きこしめし たみのをしゑは いせのみち』ホ28 『さをしかの やつのきこえに あらはれて いのれもかもと』ホ28 『なかみねの あてはあわうみ やつみねは すそのやつうみ』ホ32 『ひかかみくまの ひもろけす いてあさのたち やつのうち』ホ37 『ゐつはたたこと むつはつれ ななはつきつめ やつはつき』ホ39 『あわうたは やつのかたちに むつのりの つねのさとしお くりかえしてよ』ミ10 |
「やつ(弥つ・熱つ)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」などの意。
10/02/12
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