【櫛・串】
1.合わせ。つなぎ。貫き。まとめ。収め(治め)。調え。
2.梳き・分けるもの。区分。区画。
『ゆつのつけくし おとりはお たひとしみれは うちたかる』ホ5 『たけくしなくる これもかみ またおひくれは』ホ5 『ふたいわうらに つくつけの くしのはひけは』ホ8 『あめつちつなく なかくしの いきにつきひの なかみちか』ホ192 『こといちしるし われあした く しけにいらん わかすかた なおとろきそ』ホ34 |
「くす(交す/離す)」の名詞化。
ここでは「A:
合わす・まとめる・収める」、裏を返して「B:
離す・分 ける・区切る」などの意。
同義語:「つけ(黄楊)」
【(貴)・奇・髪・頭・串】
正の方向に離れるさま。「上に在る・高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」さま
『くしひるの
こは ととめすと あめにおくりて』ホ3 『ついにくしたえ あらはれて やゑかきうちの ことうたそ』ホ9 『あまてらします おしほみみ みこはくしたま ほのあかり』ホ20 『わにのりあはえ かえるうち うむこのいみな わにひこは くしみかたまそ』ホ27 『しのはらは かみのふしみの たまくしお あみのめくみの みやこたつなり』フしはら |
● 陽。
『くしまとは ひのしまおもる いわまとは つきのしまもる』ホ14 『わか くしまとと とよまとと つねにまもりて とりおかふ』ホ21 |
●「尊ぶ・敬う」意の物実。玉串。
『ひとことぬしか てんなして かたきやすひこ ぬさくして』ホ14 |
● 頭部。髪。
『わかこをやこか ともなひて うすめかみくし あくるとて』ホ36 |
「くす(奇す・貴す・上す)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」などの意。これは陽陰
の生成の過程で、先に上って天となった「陽」の属性を表す。
派生語:「くしひ(貴霊)」「くしひる(貴霊)」「くしいなた(貴霊懐)」 「くしたえ(貴妙)」「くしきね(貴熟)」 「くしひこ(貴彦)」
【釧】
回転。環。輪。
『さをしかに きよめたまひて さこくしの ふゆのかかみに いるとおもゑは』ホ28 |
「くす(還す・帰す)」の名詞化。
ここでは「C:
回る・還る・輪になる」などの意。
【(薬)】
直し。調え。祓い。
『わかうたの くもくしふみは おくらひめ さつけてなおも したてると』ホ9 『とかくしお して わかみまこ たかのふるみや つくりかえ』ホ27 |
「くす(薬す・潔す)」の名詞化。
ここでは「A:
合わす・直す・調える」などの意。
派生語:「くもくしふみ(雲櫛文)」
【(貴し)・奇し】
正の方向に離れる如し。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」如し
「くす(奇す・貴す・上す)」+「し(形容詞語尾)」の短縮。
変態:「かし(高し)」「こし(濃し)」「けし(異し・怪し)」
10/01/19
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