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一から学ぶ ほつまつたえ講座 第79回 [2023.11.26]
第十五巻 食よろづ生り初めの文 (6)
著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com
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みけよろづなりそめのあや (その6)
食よろづ生り初めの文 https://gejirin.com/hotuma15.html
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くすひよくきけ ここりひめ かたれることは
とこたちの やもおめくりて にしのくに くろそのつみて
かにあたる なもあかかたの とよくんぬ よよをさむれと
としおへて みちつきぬるお
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クスヒよく聞け ココリ姫 語れる如は
トコタチの 八方を恵りて 西の国 クロソノツミテ
“カ” に当る 名も赤県の トヨクンヌ 代々治むれど
年を経て 道 尽きぬるを
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■クスヒ
イサナギ──アマテル──┐ ├クマノクスヒ─アメトマミ ムナカタ──トヨ姫───┘
■ココリ姫 (ここりひめ・ここりめ)
タカミムスビ6代ヤソキネの妻で、晩年は夫婦で根の国を治めます。
根の国はもともとココリ姫の故郷です。
トヨケ──ヤソキネ ├───??──アチハセ アメヨロヅ─アワナギ┬ココリ姫 ├イザナギ └クラキネ
■語れる如・語れる事 (かたれること)
カタレル(語れる)は カタル(語る)の 「終止形+エル」
の形の連体形です。
コト/ゴト(如)は 「〜のごとくのさま」 を表し、これがコト(事)の原義です。
■トコタチ (▽疾立ち)
ここでは クニトコタチ
の略です。
トコ(▽疾)+タチ(立ち・起ち・発ち) は 「先発・先達」
が原義です。
■クロソノツミテ (玄圃統み手)
「クロソノツミの方」 という意で、シナ国(China)
の別名です。
テ(手)は “山の手” のそれで、「方・区分・区画」
を表します。
★クロソノツミ (玄圃統み)
シナ国を統べる王の名で、語義は 「玄圃 (日没する所)
を統べる者」 です。 ▶統み
★クロソノ (玄圃)
クロ(黒・玄)は クラ(暗)・クレ(暮)の変態、ソノ(園・圃)は
「締め・括り・区画・州」。
よって 「日の暮れる州・日の没する所・西の国」
を意味します。 ▶玄圃
■カ
八方八下りの御子が地球の八方に建てた
ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メ
の8国の内、
「カの国」 をいいます。この場合 “カ” は 「西」
を意味します。
シナ最古の王朝といわれる “夏(か)”
との関わりは不詳です。
“トホカミヱヒタメ” は 8方位を表す言葉としても使われます。
ト:南 ホ:東北 カ:西 ミ:東南 ヱ:北 ヒ:西南 タ:東 メ:西北
■赤県 (あかがた)
アカ(赤)+ガタ(方・▽県)
で、「赤県神州」
をいうと思われます。
アカは アグ(上ぐ)の名詞形で、「あがり・ゴール・終り」
を意味し、
この場合は 「太陽の終着・日暮れ・日没」 をいいます。
ですからやはり 「日没する方・西の国・シナの国」
を意味します。
■道 (みち)
この場合は 「トコヨの道」
をいいます。「和の道・調和の道」 です。
これは アメノミチ(和の道・陽陰の道)、イセノミチ(妹背の道)
と同じです。
【概意】
クスヒよく聞け。ココリ姫の語る如くは、
トコタチが八方を恵みて建てた西の国は、今、クロソノツミテといい、“カ”
の国 に当る。
名も赤県のトヨクンヌ以来、代々治めてきたが、年を経て、調和の道が尽きてしまうを、
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うけすてめ ねのくににきて たまきねに よくつかふれは
みにこたえ ここりのいもと むすはせて
やまのみちのく さつけます
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ウケステ姫 根の国に来て タマキネに よく仕ふれば
実に応え ココリの妹と 結ばせて
“和の道奥” 授けます
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■ウケステ姫 (うけすてめ)
西の母(にしのはは)とも呼ばれ、シナ国の伝説にある 「西王母」
をいうようです。
西王母は 古くは殷(いん)の卜辞(ぼくじ)に 「西母」
の記述が見られます。
日本に来て タマキネ(トヨケの斎名)
に仕え、“和の道奥” を授かります。
★ウケステ (受け棄て)
アフウス(合う・失す)、ツクバ(付離)
などの換言で、「陽陰・和」 を意味します。
■根の国 (ねのくに)
■タマキネ
オモタル&カシコネで中央政府の皇統が途絶えた後、「東の君」
として認定され、
暫定的に国家の治めを継ぎます。
治む五代の ミムスビの 斎名タマキネ 元明を写す タカマに アメミヲヤ
元々・天並 三十二神 纏れば “廻みのトヨケ尊” “東の君”
と 道受けて〈ホ4-1〉
シナ国の伝説には、西王母と対置される 東王父(とうおうふ)
という人物が出てきます。
シナ国から見て東にある大海中の山 (蓬莱山)
に住むといわれ、東王父、東君(とうくん)、
木公(ぼっこう)、などと表記されますが、これは “東の君”
(ひがしのきみ・きのきみ) と
呼ばれるタマキネを指すように思います。
■実に応ふ (みにこたふ)
■和の道奥 (やまのみちのく)
「和の道の真髄・陰陽和合の道の奥義」 などの意です。 ▶みちのく
★やま (和)
ヤワ(和)、アマ/アメ(陽陰・和)、アワ(陽陰・和)
など変態です。
【概意】
ウケステメが根の国に渡来して、タマキネによく仕えれば、
タマキネは心を打たれ、ココリ姫の妹として契りを結ばせた上で、
和の道の奥義を授けます。
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よろこひかえる うけすてめ ころひんきみと ちなみあい
くろそのつもる みこうみて にしのははかみ またきたり
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喜び帰る ウケステ姫 コロヒン君と 因み合い
クロソノツモル 御子生みて 西の母尊 また来たり
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■コロヒン君 (ころひんきみ)
“コロヒの君” の音便です。
コロヒは 「転日」 で、「ころぶ日」 を意味し、クレヒ(暮日)
の変態です。
ですから 「暮日の国の君・シナ国の君」 の意で、クロソノツミ(玄圃統み)
の換言です。
■因み合ふ (ちなみあふ)
■クロソノツモル (▽玄圃統守)・クロソノツメル (▽玄圃統める)
コロヒン君(=クロソノツミ)と
ウケステメの夫婦が生んだ皇太子の名です。
クロソノツメルとも呼びます。
クロソノツミ────┐ (コロヒン君・シナ君) ├─クロソノツモル │(クロソノツメル) ウケステ姫─────┘ (西の母)
■西の母尊 (にしのははがみ)・西の母 (にしのはは)
クロソノツミの后となり、クロソノツモルの母となった ウケステ姫
の別名です。
【概意】
喜んで帰国したウケステ姫は、暮日の国の君と結婚してクロソノツモル皇子を生む。
西の母尊はまた来たる。
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ころやまもとは おろかにて ししあちたしみ はやかれし
ももやふももそ たまゆらに ちよろあれとも ひひのしし
しなきみいてて ちよみくさ たつぬとなけく
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「コロ山下は 愚かにて 肉味嗜み 早枯れし
百や二百ぞ たまゆらに 千・万あれども 日々の肉
シナ君 “出でて 千齢見草 尋ぬ” と嘆く」
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■コロ山 (ころやま:▽転山)
コロヤマ(▽転山)は
「日がころぶ所の山・日が没する所の山」 の意です。
そしてこれはシナ国の伝説にいう 「崑崙(コンロン)山」
を指すと思われます。
【崑崙山】こんろんざん 〈日本大百科全書〉
中国古代の伝説上の山岳。昆侖とも書き、また昆侖丘、昆侖虚ともいう。
中国の西方に位置して玉を産し、黄河はこの山に発すると考えられた。
初めは天上に住む天帝の下界における都とされていたが、後に神仙思想の
強い影響から、古代中国人にとっての理想的な他界とされるようになる。
つまり女仙の西王母(せいおうぼ)が居を構え、その水を飲めば不死になる
という川がその周りを巡っているという、地上の楽土として観想された。
黄帝の崑崙登山や、西周の穆(ぼく)王がこの山上に西王母を訪ねた伝説
などが有名である。
■早枯れ (はやがれ)
ハヤジニ(早死)と同じです。
■たまゆら
■日々の肉 (ひびのしし)
「日常の肉食・常なる肉食・肉食の常態化」
などの意です。
■シナ君 (しなきみ)
コロヒン君 の換言で、クロソノツミ
を指します。
★シナ (支那・China) ★カラ (韓・漢・唐・加羅)
シナは シヌ(ぬ)の名詞形で、シヌは
シナブ(萎ぶ)の母動詞です。
同義語のカラは カル(枯る)の名詞形で、クレ(暮)・クラ(暗)・クロ(黒・玄)の変態。
■千代見草 (ちよみぐさ)
■尋ぬ (たづぬ)
タドル(辿る)
の変態で、「往き来する/させる・巡る/巡らす・探る・求める」
などが原義です。
タツ+ツヌ の短縮で、タツ は ツツ(伝つ)
の変態。ツヌ は ツネ(常) の母動詞。
両語とも「往き来する/させる・巡る/巡らす・つたう・探る・求める」
などが原義です。
【概意】
「コロ山下では、愚かにも肉味に馴染んで早枯れし、百歳や2百歳ぞ。
千歳や万歳も稀にはあれども、肉食は日常化している。
シナ君は “国を出て千代見草を尋ねる” と嘆く。」
シナ君 “出でて千代見草尋ぬ”
とありますが、これに関して再び東王父の伝説を見ましょう。
【東王父】とうおうふ http://www.asuka-tobira.com/saimei/doukyo.htm
神仙の世界には仙薬があって、それを飲めばだれでも長生きできると考えられていた。
仙薬は西の昆崙山に住む西王母が持っており、また、東方の海に
蓬莱・方丈・瀛州
の
三神山があって、そこに住む仙人が持っているとされた。東王父は、中国から見て
東にある大海中の山 (蓬莱山) に住んでいる。
上にいう 仙薬 とは “千代見草” をいい、蓬莱山
は ”ハラ山”
をいうように思われます。
仙薬の探索はまた、除福の伝説にもつながります。
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わかみみも けかるるあかお みそきせし なからふみちお
よろこへは かれおなけきて みちさつく
おもえいのちは みのたから ことわさもせな
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我が耳も 穢るる垢を 禊せし 永らふ道を
喜べば 枯れを嘆きて 道授く
思え命は 実の宝 異業もせな
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■禊せし (みそぎせし)
「禊する如くの・禊するに他ならぬ」 という意です。
“ミソギ” は 「曲りを直すこと・調和すること」
をいいます。“セ” は スル(為る)の未然形。
“シ” は 助動詞キの連体形ですが、これは
「如くあり・しかり」
からの変形で、
「〜の如し・〜に然り・〜に違わず・〜に他ならず・〜なのである」
などの意を表します。
■永らふ道 (ながらふみち)
「長寿の道・延命の方法」 などの意です。
★永らふ
(ながらふ)
ナカラ(半ら)+アフ(合ふ・和ふ)
の短縮で、ナカラは 「なかば・途中」 の意。
これは “〜しながら” の ナガラ
と同一です。アフは 「(身を) 合わす」 の意です。
ですから 「(ある過程の)
なかばに身を置く・途中にある」 というのが原義です。
単に “永らふ” と言う場合は、おおかた
「世に生存する」 の意です。
■実の宝 (みのたから)
いちおう 「じつの宝・真の宝」 の意に解していますが、
「身の宝・我が身の宝」 の意に取っても筋は通ります。
■異業 (ことわざ)
「特別な行い・特殊な行為」 という意です。
具体的には「食品の良し悪しを峻別して食べること」をいうものと思います。
■せな
「せぬや」
の音便短縮です。反語表現で、緩やかな命令を表します。
「せぬや?・しないか?」
の意から、「せねばなるまい・せなあかん」 となり、
「せえな・しいな・しろよ」 の意ともなります。
【概意】
我が耳も、汚れた垢を濯ぐことに他ならぬ、長寿の道を喜ぶゆえ、
民の早枯れを嘆いて道を授けるのである。命は真の宝と思えば、特別なこともせねば。
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よろきみも ひとりいのちの かわりなし
ときこぬかれは くるしみて たまのをみたれ あにかえす
よあひたもちて あにあかる ときはたのしみ まかるなり
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万君も ひとり命の 変わりなし
時来ぬ枯れは 苦しみて 霊の緒 乱れ 天に還えず
齢 保ちて 天にあがる 時は楽しみ 罷るなり
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■万君 (よろきみ)
普通に考えれば 「多くの君・あまたの君」
という意ですが、
・万の齢の 尊・彦 やや千齢保つ 民も皆 〈ホ14-2〉
・人草の食 頻る故 生れ賢しく 永らえも 千齢は百齢と 萎り枯れて
我が八十万も 百年も 世の楽しみは 合い同じ 〈ホ27〉
これらの記から、ここでは 「万の齢の君・万の寿命を持つ君」 の意に取りたいと思います。
■時来ぬ枯れ (ときこぬかれ)
「機が熟していない死」
という意で、「天寿をまっとうせずに死ぬこと」
をいいます。
■天に還えず (あにかえず)
「天に還らない」 という意です。ア(天)は ここでは
「天界・神界・非物質界」 の意ですが、
具体的には ムナモト
と ミナモト です。
■天にあがる (あにあがる)
ア(天) は 「上」 と同じです。アガル
はこの場合、「回る・還る・回帰/帰還する」
などが原義で、
「一周を回り終えて元に戻る」 という意です。ですから
「天に還る」 という意となります。
すごろくの 「あがり」 や 「仕事あがり」 も この意です。
【概意】
万年の寿を保つ君も ひとり命に変わりなし。
天寿をまっとうしない死は苦しむ上、霊の緒も乱れて解けず、魂と魄が天に還えらない。
寿命を保って天にあがる時は、楽しみ還るのである。
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これここなしの ときまちて かるるにほひも
ひとのみも すかかてはみて よろほゑて
かるるにほいも ここなしそ おもむろすくに かんかたち
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これココナシの 時 全ちて 枯るる匂ひも
人の身も 清糧食みて 万穂得て
枯るる匂ひも ココナシぞ 骸すぐに 神形
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■ココナシ (九成し)・ココナ(九花・菊花)・ココ(九)・キク(菊)
「菊の花」 のことで、ココナ(九花・菊花)・ココ(九)
と短縮されます。 ▶ナ(花・菜)
ココ(九・▽究・▽極) は 「極み・究極・至高」、ナシ(成し)
は 「成すもの」 の意です。
ですから 「至高を成すもの」 を意味します。
キク(菊) は 極 (ゴク・キョク) の変態と考えます。
“九” を 「至高・究極」 とする思想の源は アメトコタチの九星
にあると思われます。
■時全つ (ときまつ)
マツ(全つ)は ミツ(満つ)の変態で、「満ちる/満たす」
という意です。
ですから 「時が満ちる・機が熟す・天寿をまっとうする」
などの意です。
■清糧 (すがかて)
「穢れのない糧・清き食物」 の意です。 ▶清(すが) ▶糧(かて)
■万穂 (よろほ)
ホ(穂)は 真榊が1年に伸ばす枝の長さですので、1穂=1年です。
ですから 万穂=万年 となります。ヨロトシ(万歳)ともいいます。
■主室・▽骸 (おもむろ)
オモ(主)+ムロ(室) で、オモ(主) は
「人の主体=霊=魂魄」 をいいます。
ですから 「主体(霊・魂魄)を入れる室」 で、つまりは
「肉体」 ですが、
特に 「霊が抜けた肉体・死体・亡骸」
をいう場合が多いです。
カラ(骸)、カバネ(屍)
とも呼ばれます。
“主室” では意味がわかりにくいので、“骸”
と当てたいと思います。
■神形 (かんかたち)
「神の姿」という意です。
神霊の姿は人の目には普通見えないので、
遺骸が 「見えなくなる・消える」
ということを言ってるのではないかと思います。
西洋には 「聖人は死後、遺体を残さない」
という伝説があります。
また 「死の直後に (あるいは埋葬後時間が経過してから)
墓を開いた際、
ひどい腐敗臭がするかと思いきや、芳ばしい天国のような香りが漂った」
とか、
「遺体は腐っておらず、死者はまるで眠っているかのようだった」
というような
報告がいくつか見られます。
https://ameblo.jp/sumire93/entry-11831491628.html
【概意】
これは菊が時を全うして枯れる匂いも <そうであるように>、
人の身も清糧を食して万年を得たなら、その枯れる匂いは菊の如しぞ。
遺骸はすぐに (腐る前に) 神の姿となる。
ミカサフミの散逸文では、同じ内容を次のように書いてます。
ココナシの 枯るる如くに 芳しく 万歳経れば 罷る身の 菊の如く 香るなり 〈ミ逸〉
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かししはくさく をもみたれ とくはあらひみ うるとなも
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穢肉は臭く 緒も乱れ 解くは洗身 潤留菜も
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■穢肉 (がしし)
この場合は 「鳥獣の肉を食べて穢れた人の遺骸」
という意だと思います。
■緒 (を)
タマノヲ(霊の緒)
の略です。
■洗身 (あらひみ)
「身を洗うこと・身を濯ぐこと」 をいい、ミソギ(禊)
の換言です。
■潤留菜 (うるとな)
「日月の潤を留める菜」
の意で、キヨナ(清菜)
の換言と考えていいと思います。
スズナ、スズシロ、ハジカミ、シラヒゲ、ココナシ、千代見草
などをいうのでしょう。
【概意】
穢れた肉を食した遺骸は臭く、霊の緒も乱れる。
清めるには禊をなし、潤留菜も得よ。
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ここなひつきの みたねゆえ くえはめのたま あきらかに
あひもとむなり あめのみち なすひとかみに あひもとむ
ゆえにここなし めつむこれかな
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菊菜 日月の 霊胤ゆえ 食えば目の玉 明らかに
合ひ求むなり 陽陰の道 なす人 神に 合ひ求む
ゆえにココナシ めつむこれかな
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■日月の霊胤 (ひつきのみたね)
ミ(霊)は
「神・霊・エネルギー」 などを表し、ウル(潤)
の同義語です。
タネ(胤)は 「続き・連なり・後継・末裔」
を意味します。 ▶胤
ですから 「日月の潤を受け継ぐもの」
という意となります。
■神 (かみ)
この場合は 「人の本質・人の本来・人の神性」
などを意味するかと思います。
■めつむ
ミツム(見詰む)、ミトム(認む)、ムツム(睦む)
などの変態で、
「目を留める・心を留める・価値を認める」
などの意です。
【概意】
菊菜は日月の霊胤ゆえ、食えば見識が明らかとなり、
陽陰の道に親和する。<それを>
なす人は神とも親和する。
ゆえにココナシを高く認めるものかな。
本日は以上です。それではまた!