おくる  オクル  okuru

  

【送る】
C: 回す。還す(返す)。替える。回送する。送還する。輸送・移動する。

『くしひるのこは ととめすと あめにおくりて』ホ3
『くらこひめ みおたてやまに おさむのち ははこおすてて つにおくるホ7
『さけのむあゐに さくらのみ あきかえるひも さけおくるホ11
『まめなせと くにさかいまて おくりてそ なこりあるなり』ホ24
『ひおけして ひめひきいたし みこしもて みやにおくりて いせにつく』ホ24
『ひめははち おちいりいわす みほつひめ みゆきおくりて ここにあり』ホ26
『かといておくり みゆきなす きみえををきみ のこしこと』ホ26
『みにいたり そこてひめうむ そのつまに とりあけさせて おくりゆく』ホ28
『しほのりひこか のほりたて くににおくれは みちひらく』ホ35
『つまみやすひめ みやこより おくりてちちか ゐゑにまつ』ホ40
『いわひさをしか とみそふり つきみゆきもり もろつかひ みなおくりゆく』ホ40
『あわのみやにわ そたてしと あめにおくりて かえります』ミ逸

  ●あの世(原点)に還す。魂はムナモト、魄はミナモトに。

『あわきみよ わかれおしくと つまおくる をうとはゆかす ゆけははち』ホ5
『たらちねの はやちにかはね ひきとりて もやおつくりて かりもかり おくるホ10
『かれかすか おくりてのちは つとめおり みかさやしろの たまかえし』ホ28
『みこしなし あすひらおかに おくるとき さるたかこえは ゆるされて』ホ28
『ちぬのやまきて ゐつせかる きのかまやまに おくらしむ』ホ29
『かんなそか おもむろおくる つきたおか』ホ31
『あきおもむろお うねひやま みほとにおくる としななそなり』ホ31
『あくるふゆ おくるうねひの まなこたに なそよにまして』ホ31
おくるとみ とはすかたりや わかきみも おくりおさめて みなかえします』ホ31
おくるみうえの おもむろお はかたのほらに おさむなり』ホ31
『おもむろお たまてにおくり ゐたりおふ ともにおさめて あきつかみかな』ホ31
『かんなそひかに おもむろお やまへにおくるホ34
『あにやまとひこ ねつきふか おもむろおくる つきさかに』ホ37
かみおくるとき よおいなむ ちりひるめしと のこるなり』ホ40
『をしかとは うつしひのおみ こしにのる もろおくりけり』ホ40

 
おく(送く)」と同義語「くる(転る)」の合成。

変態:「あくる(明くる)」「まくる(捲る)」「めくる(巡る・捲る)」「もかる(殯る)
派生語:「さけおくる(酒送る)」「おくり(送り)」「みおくる(見送る)」「おくれ(送れ)
独り言:葬(そう)=送(そう)

 
 

【贈る・(上くる)】
D: 正の方向に離す。「上げる・奉る・進呈する・献上する」

『さけのむあゐに さくらのみ あきかえるひも さけおくるホ11
『かのちこお あめにおくれは かみのまえ えたそろはねは さらんとす』
ホ12
『しむのもちほき ゐきめたま おくるはすゐゐ ゑなかのり』ミ9

 
おく(熾く・上ぐ)」の連体形。

変態:「あくる(上ぐる)」

 
 

【後る・遅る】
E: 負の方向に離れる/離す。「低まる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」

『つきはおくれて みそたらす まことみそひそ』ホ1
『ひにひとめくり おくれへり やよゐはみそこ はなおそふ』ホ14
『ちちめすときは さはかなり われはおおわに ひめはかも あとにおくれと』ホ26『ゆめのしるしに みよのはつ あきあにおくれ ふゆおさめ』ホ35
『つきはおもくて そみのりお おくれひにあふ ついたちそ』ミ6

 
おく(臆く・下く)」と同義語「くる(朽る)」の合成。

変態:「もくる(潜る)

  

10/03/09

  

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