なみ  ナミ  nami

  

【(合み・和み)】【(和・滑・凪)】【並・(均・平)】
 合い。合わせ。収まり。治め。中和。匹敵。
  ●収まるさま。穏やかなさま。和むさま。平るさま。

『たつやみつちの ちからゑて つつかもなみの いそにつく』ホ序

  ●収める所。纏る所。

『やしろつくらせ めのふそか まつるおおみは かんなみそ』ホ29

  ●平ら。平均。普通。中位。

『たかまに あめみをや もともとあなみ みそふかみ まつれはたみの とよけかみ』ホ4
『ひとのねこえは あなみかみ みそふのかみの みめかたち』ホ17

  類語:「なき(和ぎ・凪)」「にき(和)」「なか(中)
  変態:「なれ(均れ・馴れ)」

  ●並ぶさま。釣合うさま。匹敵するさま。

『をゐのみるめも としなみの なこそしるへゆ ちなみあふはま』ホ11
『みやすひめ いつきにくらへ かんぬしも みやつかさなみホ40
『ふのつるは とみもよひなき とりゑなみ たつはなやかの ゐもやつくらん』フふつる

 ● 陰。和し。和霊

『むかしわかすむ さこくしろ しきなみよする いせのみや』ホ36

 
なむ(和む)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす・収(治)まる/収(治)める・和らぐ/和す」などの意。

   
 

【波・浪・濤・(廻み)】
C: 行き来するさま。上下・高低するさま。常に変化運動するさま。

『なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな』ホ1
『とつけはをせの うるなみか たましまかわの いもかちと』ホ14
『はらむしらほね ちちのなみ ははのあかちと ちなみあひ』ホ14
『あさひのうるお みにうけて こみやにあれは よるなみと ともにめくれと』ホ14
『をははにむかひ とつくとき かりのししなみ ほねあふら』ホ16
『ちちのかりなみ たましまえ しはするときに ちなみあひ』ホ16

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なむ(回む・廻む)」の名詞化。 
ここでは「C: 回る・行き来する・上下する」などの意。

「なみ(波)」は特に動的なエネルギーを言い、静的なエネルギーの「ち(霊)」に対する。
「ち(霊)」から放射されるものが「なみ(波)」と考えて良いかもしれない。

類語:「しほ(潮)」「うしほ (潮)」「みしほ (潮)」「みちひ(満干)」「なきさ(渚)

  
 

【(熟み)】
D: 正の方向に離れるさま。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」さま
  ●勢い。

『ひかしはるかに なみたかく たちのほるひの ひたかみや』ホ4

 
なむ(熟む)」の名詞化。 
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」などの意。

類語:「うる(潤)」「る(霊)」「ひ(霊)
派生語:「なみなみ」

 

10/02/24

  

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