出雲振根。
別名:阿多命。出雲タケル。
出雲杵築宮の主。
留守中に弟ヰイリネが『タマカワの尊宝記』を、崇神天皇の使者タケモロズミに安々と渡したことに怒り、ヰイリネを殺す。しかし、キビツヒコとタケヌナカワに誅されてしまう。
島根県松江市大庭町、神魂
(カモス) 神社
島根県大原郡加茂町大字神原、神原
(カンバラ) 神社
1.アメノホヒ─オオセイイミクマノ …… ┬11.フリネ(阿多命) │ ├11.ヰイリネ─12.ウカツクヌ(氏祖命)┐ │ │ └ウマシカラヒサ │ ┌───────────────────────────────────┘ │ ├13.襲髄命─14.来日田維命 … … 17.[出雲国造]宮向 │ └ノミ宿禰
■私論では出雲大社は、崇神天皇が大物主神の祟りを恐れて、天日隅宮を出雲に復興再建したものである。出雲の神主フリネが討たれた後、出雲臣は恐れて神の祭をしなくなった。ヒカトベの子の歌に胸騒ぎを覚えた崇神天皇は「出雲を祭れ」と命じている。これが出雲大社の創始と見る。これ以降、出雲の政庁も旧杵築宮(神魂神社)から出雲大社に移転されたものと思われる。
『神主フリネ 神祝に 筑紫に行きて 弟ヰイリネ
宮より出し 乙弟ウマシ カラヒサと子の ウカツクヌ 添えて捧ぐる』34文
『後フリネ 帰えてヰイリネ 責め曰く "幾日も待たで 何ど恐る 出雲は上の 道の本 八百万文を 隠し置く』34文
『兄のフリネが 欺きて "ヤミヤの玉藻 花暦 行き見ん"
とてぞ 誘ひ来る 弟
頷きて 共に行く』34文
『兄
太刀抜きて 斬り掛くる 抜かれぬ太刀に ヰイリネは やみやみ淵に 消え失せぬ』34文
『世に歌ふ歌 "八雲たつ 出雲タケルが 佩ける太刀 葛
多巻き あわれ錆無し"』34文
『カラヒサは甥 ウカツクヌ 連れ上ぼり 君に告ぐれば キビヒコと タケヌワケとに 御言宣』34文
『フリネ討たれて 出雲臣 恐れて神の 祭せず』34文
『ある日ヒカトベ 若宮に 告ぐる我が子の この頃の歌 "玉藻垂つ 出雲祭らば まくさまじ"』34文
『"日夜見御使 フリネ
御明暗見 三十九宝の 神殻主 だに身屈り
神霊 垂づが 和し厳みは 神殻主やも"』34文
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