シタテルヒメ(1)

→ 語義
  

下照姫 (仕立てる姫)。
「(皇太子オシホミミを) 守り育てる姫」の意で、ワカ姫 (ヒルコ) の別名。
  

ヤスカワの シタテル姫と 陽陰晴れて』1文
シタテル姫と アチヒコと 妹背を結びて 諸共に ここに治めて 生む御子は 斎名 シツヒコ タチカラヲかな』6文
アマクニタマの オクラ姫 これも捧げて 仕えしむ シタテル姫は 二青侍 召して楽しむ 八雲打ち9文
『後にワカ姫 ひたる時 八雲ヰススキ カダカキを 譲る 琴の音[言の根] タカ姫を タカテルとなし』9文
ワカ歌の クモクシ文は オクラ姫 授けて名をも シタテルと なしてワカ国 タマツ州 年稔神と 称えます』9文
『尊はタカテル シタテルの 年の恵みの大御守ミ逸文
ひたるの時に 賜ふ名は アユミテル姫に シタテルと サタタカ姫は タカテルと 授くる』ミ逸文
ワカタマツ宮 ヲシテ 残して 隠れます』ミ逸文

  

  

シタテルヒメ(2)

→ 語義
  

アマクニタマの娘のオクラ姫。 
ワカ姫(ヒルコ)の和歌の後継者として和歌の奥義(雲奇文)を授かり、二代目シタテル姫を襲名する。 
アメワカヒコ
の死を弔問に訪れ、死者と間違われて怒るタカヒコネを和歌を詠んで宥める。
  

奈良県御所市古瀬字鶯谷、大倉姫 (オオクラヒメ) 神社
京都府北桑田郡京北町下熊田菅ヶ谷、天雅 (アマワカ) 神社
  

■神社の祭神として、高照姫を下照姫と取り違えているものが非常に多い。
  

『後にワカ姫 ひたる時 八雲ヰススキ カダカキを 譲る 琴の音[言の根] タカ姫を タカテルとなし』9文
ワカ歌の クモクシ文は オクラ姫 授けて名をも シタテルと なしてワカ国 タマツ州 年稔神と 称えます』9文

『昔 中山 道開く カナヤマヒコの 孫娘 シタテル-オクラ タカヒコの 怒り 融かんと 短か歌 詠みて諭せり』10文
ひたるの時に 賜ふ名は アユミテル姫に シタテルと サタタカ姫は タカテルと 授くる』ミ逸文

  

  

シタテルヒメノヲシエクサ

  
シタテル姫の教え種。 
シタテル姫 (ヒルコ) が行った、穢虫を祓うまじない。

押草 (檜扇の花葉を、ひのき製の扇に貼り付けたもの) で扇ぎながら、
タネハタネ ウムスキサカメ マメスメラノゾロハモハメソ ムシモミナシム1文
と360回歌う。

重要な点はこの歌が三十二音であるということで、三十二は祓いの歌だという。
オホナムチはこの効果に感じ入って、娘のタカコをシタテル姫に奉っている。 
時代が下ると「カセフの纏り」と名づられて恒例行事となる。
  

【田扇】たあふぎ −広辞苑より−
伊勢市楠部の伊勢神宮の田植の神事に用いる扇。また、そのとき頒布する扇。これで田を扇げば害虫を生ぜず、産婦がいる家の柱にかけると安産するという。
  

from神名備
当社の例祭は七月十四日に行われ、一般に「那智の火祭」といわれています。これは豪壮な松明の燃えさかる御火の行事から名付けられたものですが、もとは旧暦六月十四日の神事で、正式には「扇会式例祭」または「扇祭」といいます。
十四日は、早朝礼殿の前に神輿を飾り立て、神輿の下部に「ひおうぎ」の花を飾りつけます。午前十時本杜大前の儀に続いて、十一時より大和舞・田楽舞の奉納。その後、御田植式が行われます。午後一時より扇神輿渡御式となりますが、まず礼殿にて発輿祭を行った後、宮司以下神輿の前に列立一拝この問警蹕、御神霊を神輿に迎えます。次に扇指し、神役全員石崖の上から御滝本に向かって、「ザアザアホウ」と大声に発声すること三度。この間礼殿にて太鼓を乱打します。
★『古語拾遺 (葛木御歳神社の由緒より)
大地主神、田 作りましし日に、牛の肉を以て田人に食わしめ給いき。時に御歳神の子、その田に至まして、饗に唾きて還りまして、ありさまを父に告げましき。御歳神、怒りまして、いなごをその田に放ち給いしかば、苗の葉たちまちに枯れ損われて、 篠竹のごとなりき。ここに大地主神、片巫(かたかんなぎ) [志止々鳥]・肱巫(ひじかんなぎ) [今の俗のカマワ及米占なり] をして、その由を占い求めしむるに、御歳神 祟りを為す。宜しく 白猪・白馬・白鶏を献りて、その怒りを和め奉るべしと申すに、 教えのまにまに謝(の)み奉ります時に、御歳神 答え給わく、実に吾が意ぞ。宜しく麻柄を以てカセを作りてカセぎ、 すなわちその葉を以て祓い、天押草 以て押し、烏扇 以て扇ぐべし。もし如此して出で去らずば、宜しく牛の宍をもて溝口におき、男茎の形を作りて加え、[是、其の心をまじなう故なり] ツスダマ・蜀椒(なるはじかみ)・呉桃葉(くるみ)、また塩をもてその畔に班置(まきお)くべしと宣いき。すなわち、その教えのまにまに為しかば、苗の葉また茂りて、年穀(たなつも)豊稔(ゆたか)なりき。これ今、神祇官に白猪・白馬・白鶏もて御歳神を祭ることの縁なり。
( ■この話での「大地主神」はオホナムチで、「御歳神」はワカ姫 (歳徳神) であるように思われる。)
  

『その押草は ぬばたまの 花はほのぼの 明らす花の 赤きは日の出 ヒアフギの 板もて作る 扇して 国 守り治む 教え種1文
稲蝕虫 クシキネ 馳せて これを問ふ シタテル姫の 教え種 習い帰りて』9文

ヲヲナムチ 天ヤスカワの ワカヒルメ 問えば答えの 教え草 押して扇げば たちまちに 蝕虫去にて』ミ逸文

  

  

【ホツマツタヱ解読ガイド】 【ミカサフミ解読ガイド】 【ふとまに解読ガイド】
【やまとことばのみちのく】 【にしのことばのみちのく】 【あめなるみち】
【ホツマツタエのおもしろ記事】