ヒアフギ

→ 語義
  

檜扇。
三種のヒアフギが登場する。(ダジャレ大会のように使われているので非常にわかりづらい。)

  1. 日扇。 日の出のように赤い花と、扇形に広がる葉を持つ植物。=カラスバ(明らす花)。
  2. 匂ふ木。=ひのき(匂の木・檜)。匂いを放つ木。
  3. 2で作った扇(匂扇・檜扇)。
     

■ヒアフギ(日扇)の花は、日の出のように赤い。花が終ると真っ黒な種 (ヌバタマ) を結ぶ。これは昼が終れば夜が来るという、日・月(陽・陰)の循環を象徴する植物。穢虫も含めて「汚穢の発生の根本は陽陰の節の乱れによる」と考えられていたようで、その故にヒアフギをその乱れを直す物実としたものと思われる。
■「ヒノキ(匂の木・檜)」は、また「ひのき(放の木)」の意味にも使われていて、「(汚穢を) 放つ/祓う」の意の物実。
■アフギ(扇)は「あふぐ(煽ぐ)」の名詞形であり、「勢いづけ・高揚」の意の物実。
  

【檜扇】ヒアウギ −広辞苑より−
1.檜(ひのき)の薄板を重ね、要(かなめ)を金物で留め、上端を白糸で綴り連ねたもの。衣冠または直衣(のうし)の時、笏(しやく)にかえて用いるもので、板の数は、近世は二五枚または二八枚。女房の檜扇は大翳(おおかざし)または衵扇(あこめおうぎ)をいう。
2.アヤメ科の多年草。山野に自生し、高さ一メートル内外。葉は広い剣状で密に互生し、扇を開いた形に似る。夏、濃色の斑点のある黄赤色の花を多数総状に開く。黒色の種子を「ぬばたま」または「うばたま」という。観賞用として栽培。カラスオウギ

【檜・檜木】ヒノキ −広辞苑より−
ヒノキ科の常緑高木。日本特産種。高さ30〜40mに達する。樹皮は赤褐色、葉は小鱗片状で、枝に密生。雌雄同株。春、枝の上に小花を開き、のちに球果を結ぶ。材は帯黄白色、緻密で光沢・芳香があり、耐水力が強いため諸材中最も用途が広く、建築材として最良。チャボヒバ・クジャクヒバなど葉の美しい園芸品種もある。古称、ひ。

【田扇】たあふぎ −広辞苑より−
伊勢市楠部の伊勢神宮の田植の神事に用いる扇。また、そのとき頒布する扇。これで田を扇げば害虫を生ぜず、産婦がいる家の柱にかけると安産するという。
  

from神名備
当社の例祭は七月十四日に行われ、一般に「那智の火祭」といわれています。これは豪壮な松明の燃えさかる御火の行事から名付けられたものですが、もとは旧暦六月十四日の神事で、正式には「扇会式例祭」または「扇祭」といいます。
十四日は、早朝礼殿の前に神輿を飾り立て、神輿の下部に「ひおうぎ」の花を飾りつけます。午前十時本杜大前の儀に続いて、十一時より大和舞・田楽舞の奉納。その後、御田植式が行われます。午後一時より扇神輿渡御式となりますが、まず礼殿にて発輿祭を行った後、宮司以下神輿の前に列立一拝この問警蹕、御神霊を神輿に迎えます。次に扇指し、神役全員石崖の上から御滝本に向かって、「ザアザアホウ」と大声に発声すること三度。この間礼殿にて太鼓を乱打します。
★『古語拾遺 (葛木御歳神社の由緒より)
大地主神、田 作りましし日に、牛の肉を以て田人に食わしめ給いき。時に御歳神の子、その田に至まして、饗に唾きて還りまして、ありさまを父に告げましき。御歳神、怒りまして、いなごをその田に放ち給いしかば、苗の葉たちまちに枯れ損われて、 篠竹のごとなりき。ここに大地主神、片巫(かたかんなぎ) [志止々鳥]・肱巫(ひじかんなぎ) [今の俗のカマワ及米占なり] をして、その由を占い求めしむるに、御歳神 祟りを為す。宜しく 白猪・白馬・白鶏を献りて、その怒りを和め奉るべしと申すに、 教えのまにまに謝(の)み奉ります時に、御歳神 答え給わく、実に吾が意ぞ。宜しく麻柄を以てカセを作りてカセぎ、 すなわちその葉を以て祓い、天押草 以て押し、烏扇 以て扇ぐべし。もし如此して出で去らずば、宜しく牛の宍をもて溝口におき、男茎の形を作りて加え、[是、其の心をまじなう故なり] ツスダマ・蜀椒(なるはじかみ)・呉桃葉(くるみ)、また塩をもてその畔に班置(まきお)くべしと宣いき。すなわち、その教えのまにまに為しかば、苗の葉また茂りて、年穀(たなつも)豊稔(ゆたか)なりき。これ今、神祇官に白猪・白馬・白鶏もて御歳神を祭ることの縁なり。
( ■この話での「大地主神」はオホナムチで、「御歳神」はワカ姫 (歳徳神) であるように思われる。)

  

『その押草は ぬばたまの 花はほのぼの 明らす花の 赤きは日の出 ヒアフギの 板もて作る 扇して 国 守り治む 教え種1文
明らす扇は 十二葉なり 檜扇の羽は 穢祓ふ 陽陰四十八ぞ また禊ふ(三十二) 道な忘れそ』1文

  

  

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