かり  カリ  kari

  

【猟・狩・刈】
捕獲。収穫。

『つねにかりして たのしめは やまさちひこと』ホ25

 
かる(和る・交る)」の名詞化。
ここでは「A: 合わす・収める・入れる・得る」などの意。

 
 

【(和・守)】
治める者。

『よしのをのゑの ゐひかりも いわわけかみも いてむかふ』ホ29
むつかりか かまたすきして とるうむき なますになして すすむれは』ホ40

 
かる(和る)」の名詞化で、「かみ(守)」の変態。
ここでは「A: 合わす・収(治)める・締める・領る」などの意。

変態:「くろ(くろはや)」

 
 

【(上り)・甲・上】
正の方向の方向に離れるさま。「上がる・立つ・勢い付く・栄る・先行する」さま
 ●陽。

『をははにむかひ とつくとき かりのししなみ ほねあふら』ホ16
ちちのかりなみ たましまえ しはするときに ちなみあひ』ホ16

 
かる(上る・明る)」の名詞化。
ここでは「D: 正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「上がる・立つ・勢い付く・栄る・先行する」などの意。
これは陽陰の分離過程で、先に上って天となった "陽" の属性を表す。

変態:「かる(軽)

 
 

【(転り・回り・巡り)・仮・借り・駆り】
行き来するさま。循環するさま。変転するさま。一時的なさま。

『たらちねの はやちにかはね ひきとりて もやおつくりて かりもかり おくる』ホ10
『たかまのはらの かりみやに おひたまわれは もろかなも ひたちのみやと』ホ16
『つくろひなりて またもとす これかりうつし さわりなし』ホ21
『めくりこえとも ををんかみ ゆるさすここに かりすまゐホ24
さきかりは たちからをなり つきかつて おおものぬしと みくさひつ』ホ24

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かる(転る・回る)」の名詞化。
ここでは「C: 行き来する・めぐる・還る」など、「留まらず変転する」の意。

派生語:「かりもかる(仮殯る)

 
 

【雁】
(脚を)行き来させるもの。水鳥の総称。

かわかりきさりもち にわとりはきし すすめいゐ はとはものまさ』ホ10
『はまにうなたれ うれふとき かりわなにおつ これおとく』ホ25

 
かる(転る・回る)」の名詞化。

ここでは「C: 回す・行き来させる・掻く」などの意。

変態:「けり(鳧)」「かも(鴨)」「かひ(櫂・梭)
類語:「かき(掻き)」「こき(漕ぎ)」
派生語:「かわかり(川雁)

  

11/03/28

  

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