逸霊満ち。逸霊醸み。
六ハタレの第二。イソラ(逸霊)が人や獣に憑いて化けたもの。この逸霊はミツチ(蛟竜)の霊であったらしい。
根国のタテヤマに起こり、伊勢近くの安濃に至る。フツヌシが戦うが、敵の矢に指を怪我する。
アマテルより賜った粔籹と蕗を以って破る。粔籹は敵の好物で、これを貪らせている間に、蕗を焚き燻して敵を咽せさせる。
妖術:野山を変えて、叢雲を起こし、活日を輝かせる。
『錦オロチの シムミチや ハルナハハミチ ヰソラミチ 三人るキクミチ ヰツナミチ 鳴神もとむ アヱノミチ』8文
『時にハタレの イソラ醸み 野山を変えて 叢雲や 幾日輝やき 驚かし』8文
『君 考えて イソラミチ 粔籹と蕗と 賜われば フツヌシ諸と 弓懸して 新に向かいて 矢を求む』8文
『イソラ頭 ついに縛りて ツツガなす 千百のモノマも その地の シムに預けて 諸
帰りけり』8文
『シムミチも ヰソラ・ヰツナも 霊(血)を抜きて オシテに誓ひ 潮
浴びて 写す鏡に なお猿と 蛇と蛟竜 影
あれば』8文
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