【(結つ・打つ)】
A:
合う/合わす。結う。収(治)まる/収(治)める。束ねる。在る/現す。
変態:「やす(養す)」「ゆす(結す)」「よす(寄す)」「うつ(打つ)」「ふつ(打つ)」「むつ(睦つ)」
派生語:「ゆつ(弓・弦)」
【(濯つ・譲つ)】
B:
離れる/離す。放つ。払う。発す。そる/そらす。曲る/曲げる。
変態:「ゆす(濯す)」「よす(止す)」「よつ(捩づ)」「うつ(棄つ)」「うす(失す)」「ぬす(盗す)」
【(揺つ・譲つ)】
C:
行き来する/させる。回る/回す。
変態:「ゆす(揺す)」「おつ(復つ)」
派生語:「ゆつる(譲る)」「ゆたぬ(委ぬ)」「ゆつは(譲葉)」
【(熟つ・上つ・斎つ)・茹づ】
D:
正の方向に離れる/離す。「上がる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・中心にある・至る」
変態:「うつ(茹づ)」「ふつ(悉つ)」「むす(蒸す)」
派生語:「ゆつ(髻・髷)」「ゆた(茹)」「ゆたか(豊か)」
【(痩つ・卑つ・討つ)】
E:
負の方向に離れる/離す。「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」
変態:「やす(痩す)」「わす(忘す)」「あす(褪す)」「うす(倦ず)」「うつ(討つ)」「ふす(臥す)」
【(頭・頂・髻・髷)】
高み。頂。てっぺん。
●頂にまとめた髪。髻。髷。
『ゆつのつけくし おとりはお たひとしみれは うちたかる』ホ5 |
「ゆつ(上つ・斎つ・茹づ)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」などの意。
変態:「うす(珍・髻華・鈿)」「うつ(全)」「いつ(至・厳)」
類語:「うな(項)」「つ(頭)」「つふり・つむり(頭)」
【打つ・結つ・(弓・弦)】
1.両端を結んだもの。弓。 ●「打つ・治む・討つ・熟つ」の物実。
『うちをさめたる おもむきお あめにつくれは たかまには ゆつうちならし』ホ9 『おろちにむつの ゆつかけて やくもうちとそ なつくなり』ホ9 |
2.両端を結ぶもの。弦。
『うすめみの かなてるおみて ををんかみ くわもてつくる むゆつこと』ホ9 『おろちにむつの ゆつかけて やくもうちとそ なつくなり』ホ9 |
「ゆつ(打つ・結つ)」の名詞化。
ここでは「A:
合わす・結ぶ・渡す・張る」などの意。
本来「ゆつ(弦)」と「ゆみ(弓)」は同じ。 弓の弦を特に言う場合には「ゆんつる(弓弦)」。
11/05/05
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