【(和・守)】
合わせ。収まり。治め。まとめ。和らぎ。穏やかなさま。
「まる(和る・守る)」の名詞化。
ここでは「A: 合う/合わす・収(治)まる/(治)収める」などの意。
派生語:「うちまろ」
【麻呂・麿】
B: 離れる/分れる/発するさま。起り。始まり。生まれ。
●男子の幼名の末尾に付ける。(「誕生地 +
まろ」と名付ける場合が多いように思う)
『ひとりはんへる ふりまろは むよやそきねの よつきこそ』ホ4 『ときにあまてる みことのり うけもちのまこ かたまろに くにみてかえれ』ホ8 『あさかひめ こことむすひの つまとして うむかすかまろ わかひこそこれ』ホ8 『よつきはひとり よろきまろ みほひこのつま すゑつみか いくたまよりめ』ホ10 『つきのみこもり そむさきす つきはくわうち おとまろそ』ホ10 『かつらきの ひとことぬしか すゑつみか やすたまとうむ かつきまろ』ホ10 『よろまろひとり そはにあり きみはよわくて みそきまれ』ホ11 『あにたくりかこ たくらまろ なおことなせと はせひめは』ホ27 『かかみのとみは うさまろと あたつくしねは ものぬしと みこのもろはそ』ホ31 『たかよりか いむなたかよし なはうちと たけうちまろそ』ホ38 |
「うまる(生まる)」の変化。
ここでは「B: 離れる・分れる・湧く・発す」などの意。
変態:「ほう(坊・生ふ)」「わらへ(童)」
関連語:「うまれ(生まれ)」
【丸・稀・(回・転)】
C: 回るさま。行き来するさま。丸まるさま。
『おりあいの つすはやかたて いてたつは たひやにあえる まろひと』ホ40 |
「まる(転る・廻る・丸る)」の名詞化。
ここでは「C:
回る・行き来する・丸まる」などの意。
「まろ(稀)」は、他を回って来るため「直ぐには来ないさま・滅多に来ないさま」をいう。
変態:「まる(丸)」「まり(鞠)」「まれ(稀)」
【円・(満・磨・熟・錬・全・真)】
D:
正の方向に離れるさま。「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」さま。
●精錬したもの。精錬した金属。 =まさかり
『あかねほのほに つみすとも まろかねはめと けかれゑす かくいいかえる』ホ20 |
●「満ち至り」を象徴する形状。真円(日や満月の形)。
「まる(満る・熟る・全る・真る)」の名詞化。
ここでは「D:
正の方向(大・多・太・高・前・熟・明・沸)に離れる」で、「高まる・勢い付く・栄る・熟れる・優れる・勝る・至る」などの意。
派生語:「まろやか」
【転・減】
E:
負の方向に離れるさま。「減る・低まる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・果てる」さま
「まる(混る/放る/転る)」の名詞化。
ここでは「E:
負の方向(小・少・細・低・後・粗・暗・静)に離れる」で、「下がる・勢いを失う・劣る・縮小する・静まる・隅にある・果てる」などの意。
変態:「めり(減り)」
10/03/16
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