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一から学ぶ みかさふみ講座 第49回 [2023.4.14]

みかさふみ 埴纏りの文 (3)

著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com

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 はにまつりのあや (その3)
 埴纏りの文 https://gejirin.com/mikasa08.html
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 をこぬのかみの ほつまのり しきますきみお いかすれは
 たとひきねまに さはなすも へらよりきたふ かたたかひ
 あらかねのはお とくねれは かみのめくみに かなふなる
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 ヲコヌの尊の ホツマ法 敷き座す君を いかすれば
 たとひ東北魔に さばなすも ヘラより段ふ 方違ひ
 あらかねの土を 篤く練れば 神の恵みに 適ふなる
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ヲコヌの尊 (をこぬのかみ)

■ホツマ法 (ほつまのり)
「ニハリの宮造り法」 と同じです。ニハリの宮は ホツマの国にあるからです。


■敷き座す君 (しきますきみ)
「(宮を)下に敷いてその上に座す君・支配する君・領らす君」 などの意です。


いかする・ゐかする (▽活摩る)

■東北魔 (きねま)
キネ(東北)は 後にいう ウシトラ(丑寅・艮) で、「鬼門」 と呼ばれます。
マ(▽曲・▽魔)は ヨコマ(汚曲)と同じで、「曲りそれた霊・邪霊」 をいいます。
ですから 「鬼門からやってくる邪霊」 という意です。

 この東北魔の対策として、アマテルはウツロヰを東北の一木に据えたのだと
 思いますが、なぜに東北か?については、ホツマ・ミカサは語っていません。

 大御神 許す御言は 「ヱトの副 柳隠ろひ (=ウツロヰ:柳に隠る者の意)
 空守り 東北の一木を 居代にせよ」             〈ホ21-5〉


■さばなす (▽障なす)
サバは サフ(障ふ支ふ)の名詞形で、サフは サワル(障る)の母動詞です。
ですから 「障りをなす・障りがある・障害を受ける」 などの意です。

 
■ヘラ
これはまだ思案中ですが、ヘ(▽卑・▽穢)+ラ(場所を表す) の短縮で、
「凶方位」 を意味すると考えてます。

 
■段ふ (きたふ・きだふ)
カタフ(▽方ふ・▽傾ふ)の変態で、「ある方位に向く/向ける」 という意と思います。
この名詞形が キダ(段) です。


あらかねの土 (あらかねのは)

■神の恵み (かみのめぐみ)
“神” は、具体的には宮の土地と殿を守る、年宣り神ヤマサ神ヲコロ神
ウツロヰの大将神(金神)イクシマ/タルシマ神クシイワマド/トヨイワマド神
を指します。


■適ふなる (かなふなる)
普通は “適ふなり” とするところですが、これが古形なのかもしれません。
“ある” “なる” “たる” は、終止形が “あり” “なり” “たり” と特殊です。
しかし古くは他の動詞と同じようにウの母音で終っていたのかもしれません。
もちろん単なる誤写である可能性もありますが。

 

【概意】
ヲコヌの尊のホツマ法が、宮を領らす君を改善すれば、
たとえ東北魔に障害を受けようとも、凶方位から 向く方を違えて、
穢れた土をとくと洗練すれば、宮を守る神々の恵みに適うなり。

 

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 このやつくりの ほつまのり ゐくゐつなかゐ はひきして
 あすはふくゐの はしらたて むろやみやとの たみのやも
 むねはたかまの はらまても ちきたかしりて さわりなし
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 この屋造りの ホツマ法 埋杭・綱垣 地曳して
 明地 福埋の 柱立て 室屋・宮殿 民の屋も
 棟はタカマの 原までも 千木互知しりて 障り無し

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埋杭 (ゐくゐ) ■綱垣 (つながゐ) ■地曳 (はひき) ■明地 (あすは)

福埋の柱 (ふくゐのはしら)
「勢い・栄えが埋め込まれた柱」 の意です。


室屋 (むろや)

棟 (むね)

■タカマの原 (たかまのはら)
タカマの領域・高みの領域」 の意で、ここでは 「天界・神界」 をいいます。


千木 (ちぎ)  [画像]
これは “ちぎり(契り)” のチギ、また “ちぐはぐ” のチグと同じで、
「互い違い・交わり・交差・クロス」 を意味します。
これは 陽と陰/天と地/神と人 の交わりを象徴するものです。


■▽互知る・▽違知る・高知る (たかしる・たがしる)
「互い違いに合わす・交差させる」 という意です。
辞書は “高知る” と宛て、「立派に造る・立派に治める」 などと説明します。

 タク+シル(知る) の連結で、タクは タガフ(違ふ)の母動詞、
 シル(知る)は 「合う/合わす・交わる/交える」 が原義です。

 

【概意】
この屋造りのホツマ法、埋杭・綱垣・地曳した上で、
明地をなして福埋の柱を立てれば、室屋も宮殿も民の屋も
天まで棟の千木を交差させて障りなし。

 

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 しもはちひろの いしすえの はしらはちたひ ねつくまて
 しきますきみの なからえお まもるはさらの かみしつめ
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 下は千尋の 礎の 柱は千度 根継ぐまで
 敷き座す君の 永らえを 守るハサラの 神しつめ
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■千尋 (ちひろ)
ヒロ(尋)は 「両手を左右にひろげた時の両手先の間の距離」 で、
1尋=約1.8m とありますが、もとは面積の単位だったと考えています。
つまり 1尋=1間平方=1.8m×1.8m=2畳 で、千尋=2000畳 です。


■根継ぐ (ねつぐ)
ホツマの時代には、柱や棟木の丈を継ぎ足すということが行われたようです。
その目的・理由は不明ですが、その場合でも、根側には継いではならないと
ヲコヌの尊は定めています。しかしもともと材木は、根と先端を逆さまに
用いているため、“根側(=下側)に継ぐ” ことは、実際には 木の “先端側に
継ぐ” ことになります。

 木は逆しまに 頭 下 故 棟を以て 屋根となす 葺くは “やね” 根ぞ
 もし柱 継がば下継げ 上は根ぞ 根は立ち継がず    〈ホ21-4〉


■ハサラの神 (はさらのかみ)
ハ(地・土)+サラ(更・浚)+カミ(神) で、「土地を改める神」 の意と考えます。
つまり、年宣り神ヤマサ神ヲコロ神ウツロヰの大将神(金神) です。


■しつむ (▽執む・為集む・鎮む)
辞書にある 為集む鎮む と同一ですが、「うまくまとめる・治める・調える・処置する」
などが原義で、マツル(纏る) の同義語です。「下げる・低める」 の意ではありません。

 

【概意】
下は千尋の礎の、柱は千度 根を継ぐまで
領らす君の永らえを守るハサラの神を治める。

 

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 これすみよしの ゐかすりお をこぬのかみの とくのりと
 まつりのふみに もうしてもうす
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 これ住み寄しの いかすりを ヲコヌの尊の 説く法と
 纏りの文に 申して申す
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■住み寄し (すみよし)
スム(住む)+ヨス(寄す) の名詞形で、「住み寄る所・住まい」 の意です。


■ゐかすり (▽活摩り)
ヰカスル(▽活摩る)の名詞形で、「活かし改めること・改善」 などの意です。


■纏りの文 (まつりのふみ・まつりのあや)
アマテルが天に還った後、アメノコヤネが書いた書物です。内容は不詳ですが、
“霊還し” など、陽と陰 (天と地・神と人) の纏りについて書かれているようです。
3コピーあり、アメフタヱ・ヲヰエ(=オシクモ)・サルタヒコ に授けられました。

 纏りの文を 三つ染めて 一つ持ち行き 日夜見なす フタヱに授け 〈ホ28-4〉

 ミカサフミの記事の多くは この “纏りの文” が源泉なのだろうと思います。
 また、アマノコヤネの後裔の中臣氏は 祝詞によって祭祀を司ったといい、
 その祝詞は “中臣祭文・中臣祓詞” などと呼ばれますが、その元となって
 いるのはやはりこの文だろうと思います。(ひどく変貌したようですが …)


■申して申す (もうしてもうす・まうしてまふす)
2種の “申す” の連結で、今風に言えば 「申し上げる・言上する」 です。

 申す(マフス/モフス/マウス/モウス)は 2種類あります。
 1. マフス(塗す)の変態。 世にまぶす。@知らせる/言う/告げる。A設置する。
 2. マフツ(詣づ)の変態。 上がる/上げる。=たてまつる
 “言う” の謙譲語の “申す” は、“申して申す” の省略形と考えられます。

 

【概意】
これ住まいの改善を、ヲコヌの尊の説く法として、纏りの文に申して申す。

 

 

本日は以上です。それではまた!

 

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