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一から学ぶ みかさふみ講座 第2回 [2022.1.11]
みかさふみ序 クニナツが宣ぶ (2)
著者:おあずけ2号 (駒形一登)
著者HP:ホツマツタエ解読ガイド https://gejirin.com
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本日はミカサフミ序文の後半です。
前回はミカサフミの編纂者オオカシマ(斎名クニナツ)自身による
前書きでしたが、ここではホツマツタヱの編纂者オオタタネコが、
ミカサフミの上梓を讃えての言葉を寄せています。
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くになつかのふ (その2)
クニナツが宣ぶ https://gejirin.com/mikasa00.html
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みかさふみ ささけたまふお みわのとみ みちほめいわく
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ミカサ文 捧げ給ふを ミワの臣 道 褒め曰く
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■ミワの臣 (みわのとみ)
「ミワの神を斎(いつ)く臣」 という意で、
オオタタネコ(斎名スヱトシ)を指します。
ミワの神やオオタタネコについては後で詳しく述べます。
■道 (みち)
「ミカサ文が説いている道/教え」 をいいます。
これは 「ミカサ文の語る言葉によるアマテル神の教え」 と
言い換えていいでしょう。
【概意】
ミカサ文を献上されるにあたり、
ミワの臣(オオタタネコ)が その道を称えて曰く、
さて、次に進む前に
ホツマ・ミカサが語る天地創造の説話について
ここで少しおさらいしておきます。これがアメナル道の原点です。
天地人も 分かざるに 初の一息 動く時
東上りて 西下り 虚空に回り
泡・泥の 回れる中の 実柱に 裂けて陰陽生る
陽は清く 軽く回りて 天と成り
陰は中に凝り 地と成る 水・埴 分かれ
陽の空 風生む 風も 火を生みて
陽は三つとなり 陰は二つ
背のムナモト 日と丸め 妹のミナモト 月と凝り
空・風・火と 水・埴の 五つ交わりて 人と成る
アメナカヌシの 尊はこれ
〈ホツマツタヱ講座14ヤヤ-2〉
【概意】
天も地も人も、まだその区別がない頃、
アメミヲヤ(創造神)の初の一息が動くと、
東より上って西に下る回転運動が虚空に生ずる。
混沌たる泡泥が、中心の柱を回るうちに分離して、陰と陽が生ずる。
陽は澄み、軽く動いて天となり、
陰は凝縮して地となり、水と埴が分れ出る。
陽は空となり、空は風を生む。 風もまた火を生んで、
陽は三つとなり、陰は二つとなる。
背のムナモト(陽の極)を日と丸め 妹のミナモト(陰の極)は月と凝る。
空・風・火と水・埴の五つが交わり人と成る。
アメナカヌシ(=ミナカヌシ)の尊はこれ。
整理してまとめると、次のようになります。
1.泡泥の如く渾然一体だったアメノミヲヤが "初の一息"
を発す。
2.泡泥は回転運動を始め、陽 と 陰
に分離する。
3.軽い陽は先に上って 天 に、重い陰は後に下って 地
となる。
4.陽の極は 日 と丸まり、陰の極は 月
に凝る。
5.陽は 空・風・火 を生み、陰は 水・埴
を生む。
6.空・風・火・水・埴 の5つが交わって、地に人が生まれる。
ここで重要なのは、
軽い陽が先に上って天・日となり、重い陰は後に下って地・月となった
ということで、つまり 「すべて陽と陰の変化したもの」
という理論です。
このため ホツマやミカサの解釈においては、
陽・天・日・上・軽・先 を同義語と考え、また
陰・地・月・下・重・後 を同義語と考えるべき場合があります。
すなわち ほぼ次の等式が成り立つのです。
陽陰(あわ・あめ)=男女(をめ)=陰陽(めを)=女男(めを)=父母(たら)
=天地(あわ・あめ・あめつち)=日月(ひつき)=上下(かも・ゑと・うす)
=前後(まえうしろ)=後先(あとさき)=経緯/縦横(たてよこ)=木実(きみ)
また、陽陰を “あめ” “あわ/あは”
と呼ぶことについては、
アメ/アマは アム(編む)の名詞形で、「和合・調和」
などが原義です。
アムは アフ(合ふ)の変態で、アフの名詞形が アワ
です。このことから、
互いに結び付く (和合する) 性質を持つ正反対の二つ (陽と陰)
についても
アメ(陽陰)、あるいは アワ(陽陰)
と名付けられたと推察しています。
「あめ=天」 の 固定観念は捨て去るべきです。
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あめつちも ひらけてかみも めをもわけ ひもつきもなり
こよのほし あめとこたちと わのそひも
あしかひひこち とこたちの みよはみほかみ
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天地も 開けて上下も 陰陽も分け 日も月も生り
九曜の星 アメトコタチと 地の十一も
アシカヒヒコチ トコタチの 代はミホ尊
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■天地も開けて上下も陰陽も分け (あめつちもひらけてかみもめをもわけ)
上に掲げた等式によれば、天地=上下=陰陽 ですから、
結局これは陽と陰が分離したことを、表現を変えて繰り返しているものと
思います。つまり、天地も開ける=上下も分れる=陰陽も分れる です。
★上下 (かみ)
これは誤写の可能性もありますが、ミカサ文やフトマニでは
カモ(▽上下)を "カミ" と表す場合があります。
また逆に カミ(神)を "カモ"
を表す場合も見られます。
■九曜の星 (こよのほし) ■アメトコタチ (▽天疾立)
クニトコタチと総称される、アメナカヌシ+ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メ8尊は、
地上社会の基礎を整えた後に天に還りますが、アメミヲヤはこの9尊の神霊を
星となして夜空に輝かせます。これを コヨノホシ(九節の星・九曜の星)、
コホシ(九星) と呼び、アメトコタチの別名です。
他にも アマカミ(天神)、アメミコト(天尊)、アマコノカミ(天九の神)などの別名があります。
コヨは
コ(九)+ヨ(節) で、ヨは 「区分・区画・囲い」
を表します。
コクラ(九座)、ココノヱ(九重) などとも呼ばれ、
フトマニ図の中心部分の9宮です。
今でも 九曜(くよう) という紋所に
その名前と形が残っています。
天に還れば ミナカヌシ およびヱ・ヒ・タ・メ ト・ホ・カ・ミも
天に配りて 星となす アメトコタチの 神はこれ 〈ミ6アヤ〉
■地の十一 (わのそひ) ■アシカヒヒコチ
“地の十一神”
の略で、「キ・ツ・ヲ・サ・ネ+ア・ミ・ヤ・シ・ナ・ウの11神」
をいい、
トホカミヱヒタメ8尊の後を継いで地球の八方を治めた国君の神霊です。
アシカヒヒコチは ウマシアシカイヒコチ神
の略で、これは地の十一神の
別名の一つです。
この11神は別名が非常に多くて、室十一神(むろそひかみ)、
陽陰の守(あめのかみ)、陽陰守(あまもり)、日夜見神(ひよみかみ)、
干支守神(ゑともりかみ)、年宣り神(としのりかみ)、
五臓六府(ゐくらむわた)、地尊(くにみこと)
などとも呼ばれます。
・九星を纏る ユキの宮 アメトコタチと スキ殿に
ウマシアシカイヒコチ神 合わせ纏れば 名もタカマ
〈ミ6アヤ〉
・後
十一の君 キ・ツ・ヲ・サ・ネ ア・ミ・ヤ・シ・ナ・ウも 天に還り
サコクシロにて 御言宣 みな星となす この神は 腹腑
命
食を守る ウマシアシカイヒコチ神 故 “天尊” “地の尊” 〈ミ6アヤ〉
■トコタチ (▽疾立)
ミナカヌシ+ホカミヱヒタメ8尊、またその神霊の総称です。
地上に人間として下生している時は クニトコタチ(▽地疾立)、
天に還ったその神霊は アメトコタチ(▽天疾立)
と呼ばれます。
■代 (みよ)
ミユ(見ゆ)の名詞形で、「合わせ・まとまり・結い」
などを原義とし、
ヨ(節・代)の同義語です。ここでは
「時間のまとまり・時代」 を表すため
“代” と宛字しています。
【節】よ (広辞苑)
1.竹・葦などの茎の節(ふし)と節との間。
2.転じて、節(ふし)。
■ミホ尊 (みほかみ)
ミホは ミオやミヨの変態で、やはりミユ(見ゆ)の名詞形です。
「合わせ」 を原義とし、ここでは
「陰陽和合・中間・両性」 を意味します。
ですから “ミホ尊” は 「陽陰(男女)の区別がない尊・男女両性の君」
をいいます。
ウビチニ/スヒヂの時に人は男女に分れたと、ホツマツタヱは語ります。
【概意】
天地も開けて、上下も陰陽も分かれ、日も月も生り、
九曜の星のアメトコタチと地の十一神(=アシカヒヒコチ神)も生る。
〈ここまでは人間誕生以前の 神霊レベルの話〉
〈後にアメトコタチや地の十一神が人として地に生れるが、〉
アシカヒヒコチやトコタチの時代は男女両性の君であった。
本日は以上です。それではまた!