1962年 (昭和37年) 5月24日 木曜 | 前の記事 | 目次 | 次の記事 | |
録音:Sweet Georgia Brown / Swanee River |
ビートルズは1961年6月22~24日にハンブルグで、トニー・シェリダン
(Tony Sheridan) とのコラボで7曲をレコーディングしていた。それからちょうど11ヶ月を経たこの日、彼らはふたたびトニーともう2曲をテープに収めた。
このレコーディング・セッションは、1961年のレコーディングをプロデュースしたベルト・ケンプフェルト (Bert Kaempfert) とビートルズがサインした契約に則ったものであった。ブライアン・エプスタインがビートルズのマネージャーとなって彼らのレコード契約を模索し始めた時、彼はビートルズはまだ法律的にはケンプフェルトとの契約下にあることを発見した。
エプスタインとケンプフェルトは、ビートルズが次にハンブルグに戻って来た際に、もう一度シェリダンとのレコーディング・セッションに参加すれば、ビートルズはその契約から解放されることで合意していた。
そのレコーディングがこの日、ハンブルグ・トンドルフ (Tonndorf, Hamburg) のラーラウ (Rahlau) 128番にあるスタジオ・ラールシュテッド (Studio Rahlstedt) で行われた。
録音された曲は『Swanee River』と『Sweet Georgia Brown』で、後者はポール・マッカートニーによりアレンジされた。ビートルズの4人に加えて、非公式にスター・クラブ (Star-Club) で彼らと共演していたロイ・ヤング (Roy Young) がピアノで参加している。
しかしトニー・シェリダンの方はこの日の録音ではOKとならず、1962年6月7日に『Sweet Georgia Brown』にオーバー・ダブでヴォーカルを重ねている。そしてそれは1962年の終り頃に『Ya Ya』というタイトルのEP盤としてドイツでリリースされた。
シェリダンは、ビートルズのアメリカ上陸に先立つ1964年1月3日に、再度ヴォーカル部分を録音し直している。新しいバージョンは歌詞を変えてビートルズのことを歌っている。
旧バージョン | 新バージョン |
Fellas
that she can't get Are fellas she can't get Georgia Claimed her, Georgia named her Sweet Georgia Brown |
In
Liverpool she even dared To criticize The Beatles hair With their whole fan club standing there Ah, meet Sweet Georgia Brown |
ビートルズがレコーディングに参加した『Swanee River』はリリースされないまま、マスターテープが紛失している。シェリダンは後に別のミュージシャンを迎えての別バージョン『Swanee
River』をリリースしている。
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