1960年 (昭和35年) 6月11日 土曜 | 前の記事 | 目次 | 次の記事 | |
ライヴ演奏:グローブナー・ボールルーム/ワラジー |
この日はシルバー・ビートルズ (The Silver Beetles)
のこの週3回目のグローブナー・ボールルーム (Grosvenor
Ballroom) 出演だったが、無事にはすまなかった。
ドラマーのトミー・ムーア (Tommy Moore) は稼ぎが少ないことと、ジョン・レノンの辛辣な気転にうんざりしていた。この日シルバー・ビートルズはグローブナー・ボールルームに出かける前に、アラン・ウィリアムズ (Allan Williams) のジャカランダ・コーヒー・バー (Jacaranda Coffee Bar) に集合したが、トミー・ムーアが現れないので、ウィリアムズの車に乗り込んでトックステス (Toxteth) のファーン・グローブ (Fern Grove) にある彼の家に行ってみる。
到着するとムーアの彼女が二階の窓を開けて、「彼はも少し割の良いガーストン (Garston) の瓶詰め工場で夜勤の仕事をするからグループを辞めるそうよ」と叫んだ。彼らはムーアを探しにその工場へも行ったが、ムーアはフォークリフトから降りようとはしなかった。しかたなく彼らはグローブナーの会場へ行って、ドラマー抜きで演奏した。
その会場は血気盛んな客が多いので、シルバー・ビートルズはメンバーが足りないことでそうした客を怒らせたくなかった。ジョンはステージに上ってマイクを持ち、「来場者の中にドラマーの代役ができる人いませんか?」と聞いた。
この作戦は裏目に出た。この時ロニー (Ronnie) という不良のリーダーがステージに上がり、まだ分割の支払いが終わっていないムーアのドラムセットにすわった。ロニーにドラム演奏の経験が無かったのは明らかだったが、誰も彼に降りてくれと言う勇気はなかった。
ステージの休憩中にジョンはあわてふためいてウィリアムズに電話した。ウィリアムズは車でやって来て、被害を受ける前にメンバーと楽器を回収した。
ビートルズは1961年の6月から9月までの間に、合計14回グローブナー・ボールルームに出演している。
1960年: | 6月4日・6日・11日・18日・25日、7月2日・9日・16日・23日・30日、12月24日 |
1961年: | 2月24日、3月10日、9月15日 |
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ライヴ演奏 グローブナー・ボールルーム |
ライヴ演奏 ジャカランダ・コーヒー・バー |